2017年羽毛布団の品質指標

 今年2017年の羽毛布団の品質と価格の動向を予想すると、二つ気になることがあります。 一つはマザーグースの定義と鳥インフルエンザによるダウンの供給量のことです。

 2016年から羽毛布団の品質表示において、「マザーグース」にこだわらずにダウンパワー値が高いものが増えてきたように感じています。 これまでもレギュラーグースで高ダウンパワー値の羽毛布団はありましたが、この傾向は、2016年のダウンの産地偽装が話題になったことが後押ししたのかもしれません。 ただ、これからも「マザーグース」の表示は残ることは間違いないと思います。マザーグースの定義がより明確化されることを期待しています。 生産者情報が追跡可能なマザーグースが残り、マザーグースであればダウンパワー430dp以上の品質となることが期待されます。

 2016年末に日本国内でも鳥インフルエンザの問題が各地で発生しています。 最も気になるのがダウンの最大輸出国のハンガリーでの鳥インフルエンザの流行です。ダウンの供給バランスが大きく変化するかもしれません。 為替レートも円安の状態は変わらないと思います。もしかすると更に円安が進む可能性もあります。となれば羽毛布団の値上がりが気になるところです。

2017年のマザーグース

 マザーグースは本来ダウンパワー値もそれなりに高いダウンです。 しかし、マザーグースの人気にあやかり、羽毛布団を売らんがために名ばかりのマザーグースダウンを充填したと思えるものが市場にはありました。 そのため、2017年はマザーグース本来の品質を備えたダウンにしか「マザーグース」の表示をしない製品作りをするメーカーも出てくると思います。 とはいえ手の平を返すように切り替わるわけではありません。

マザーグース差別化

 2017年は、マザーグースの見直しがされるかもしれません。traceability履歴管理が確かなもので上質なマザーグースダウンを選別していく傾向は強まると思います。 ダウンは本来食肉の副産物でありマザーグースも例外ではありません。ただ過去からの慣習と思われる部分は完全になくなったとは考えられません。 メーカーがマザーグースを表示する際には、完全な履歴管理ができるマザーグースに限定されるようになることを期待します。 履歴管理が確かで上質なマザーグースダウンを使用した羽毛布団は、2017年以降それなりの価格で販売をされると思います。

 低品質のマザーグース、本来であればマザーグースと呼ぶに値しないレベルのダウンは、完全になくなるとも考えられません。 たぶん相変わらず市場には出てくる可能性はあると考えます。ただハイレベルのマザーグースの特徴がより詳細に記載されることで差別化ができると考えます。

2017年の羽毛布団の価格

 羽毛輸出国の鳥インフルエンザの終息しだいにより、2017年の羽毛布団の価格が変わると思います。ただ値下がり要因より値上がり要因が高いと思います。 ダウンの安定的な供給と為替レートしだいだと思います。2017年の年初においては両方とも値上がりする方向にあるように感じています。

 ハンガリーでの鳥インフルエンザの終息が、ダウンの安定的な供給につながっています。 また、日本国内でも各地で鳥インフルエンザが発生していることは、中国においても発生していると考えるべきです。 やはり2017年初においては需給バランスは安定しているとは考えられません。 ハンガリーだけでなくドイツ、ポーランドなど北欧において鳥インフルエンザが流行しているようで、家きん肉等の輸入を一時停止状態です。 輸入検査時における消毒措置の対象品目として「羽毛」とされています。 ただ採取する鳥の存在が減少しているのは事実なので、やはり値下がりはあり得ないのではないかと考えます。

2017年の羽毛布団は値上がり?

 2017年2月8日追記致します。今年の原毛ダックダウンは30%-100%値上がりしそうな情報がありました。 WHOホームページによると、ハンガリー南部とフランス南部におけるダックが鳥インフルエンザによる被害が想像以上とのことです。

 ダックダウンの被害が大きいのならグースダウンは影響しないと言えません。ダックダウンの不足分をグースダウンで埋め合わせることがおこります。 結論から言えば、グースダウンの値上がりにつながります。仮に今孵化したダックは少なくとも120日-180日後でないとダウンは採取できません。 まだ、鳥インフルエンザは終息していない状況です。今回のインフルエンザはWHOによるとモンゴルで発生したと報告されているため、中国での流行の可能性も高いと考えられます。 そうなると、ダックダウンの供給量の減少は更に大きくなると考えるべきです。やはり2017年の羽毛布団は値上がりすると考えられます。予想が外れることを期待します。

2017年の鳥インフルエンザ

 2017年7月8日追記致します。昨年末からの鳥インフルエンザのダメージは想像以上でした。 色々なところから情報は入っていましたが、ポーランドとハンガリーに行ってみることで現状を理解することができました。

ポーランドの状況

 ポーランドでは、鳥インフルエンザにより昨年から2017年春までに45,000羽のマザーグースを殺処分したと聞きました。 この数はレギュラーグース農場なら4-5農場分に相当しますが、マザーグースの場合はレギュラーグース農場に雛を供給する立場にあります。 1羽のマザーグースが1シーズンに平均55個程度の卵を産卵します。 45,000羽×55個なので単純に計算すると2,475,000羽+45,000羽で2,520,000羽の鳥が不足することになります。

ハンガリーの状況

 ハンガリーでは日本の農林水産省の次官に相当する方と会談がありました。その方の説明では今回の鳥インフルエンザのダメージは最大級であるとのことでした。 ハンガリーは世界最大の羽毛供給国です。相当のダメージがあったと想像します。もちろん農場の見学は全て禁止されていました。 ハンガリー最大のダウン供給会社FBZ社のCEOの説明においても同様にダメージの大きいことが解りました。 不足分はある程度は在庫分で調整は可能なようでしたが、現実に農場のダメージが大きく挽回するには時間がかかるとのことでした。

 明るい話題も1つ加えておきます。FBZ社のCEOが見せてくれたホワイトマザーグースダウンは素晴らしい品質のものでした。 洗浄前の段階のものでしたが、たぶん460dpはでるパワフルなダウンでした。どのような羽毛布団に仕上がるか楽しみです。

2017年のダウン動向

 年内のダウンの在庫は各メーカーある程度は持っていると思います。ただダックはすでに値上がりしています。 グースダウンの値上がりはどうなるのか心配です。2017年の秋以降の羽毛布団の価格が少し心配です。


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