マザーグースの品質ランク

マザーグースの品質

マザーグースダウンは高級羽毛布団のキーワードと言っても過言ではありません。しかしこのマザーグースダウンにもランクがございます。ランクの違いは、グースの種の違いと飼育方法、飼育環境、飼育期間、採取時期、精毛行程によって品質が異なります。

マザーグースとダウンパワー

マザーグースとは、まさに卵を産む為に飼育されている親鳥のことです。以前メーカーの方から「日本羽毛製品協同組合では、マザーグースはダウン率93%以上でダウンパワー430dp以上の品質」としている旨の説明を受けたことがございました。 しかし、厳密な品質基準は2017年1月現在において定めれていないようです。少なくとも当店では、「マザーグースはダウン率93%以上でダウンパワー430dp以上の品質である」ことと考えています。メーカーの考え方の違いなのか?、マザーグースのダウンパワー値の下限値がメーカーにより違いがあるようです。マザーグースの表示だけでなく、ダウンの品質(ダウンパワー値)を確認する事をお勧めします。

マザーグースと産地

羽毛の産地として、まずはじめに出てくるのが「ポーランド」です。なぜポーランドなのかと言いますと、ポーランドは国家事業(コーダ研究所など)としてグースの交配を重ねて「ダウンの鳥」の品種改良を行ってきたため、現在上質のダウンがとれるグース種があるためと言えます。特に「コーダ種」の冠が付いたダウンは格上のものと言えます。ポーランドのアニメックス社のグースダウンはコーダ種に属しています。

ここで一言付け加えるとするなら、ポーランド産であれば、ハンガリー産、ドイツ産、北極圏産、カナダ産などよりも「必ず」優れているとは言えません。ハンガリー産のA農場のマザーグースは、ポーランド産B農場のマザーグースよりも優れた品質である場合も当然ございます。

マザーグースと色

羽毛の色については、ホワイトグースとかシルバーグースのように表示されていますが、暖かさの差はございません。日本人に人気なのはホワイトグースですが、柄つきの側生地の場合には、ダウンの色は気にならないと思います。淡い色の側生地の場合は透けてダウンの色が見えることもございますが、カバーを掛けると気にならないのではないでしょうか。

ホワイトグースの表示でも、シルバーまたは茶系のダウンがポツンと混ざる場合がございます。これは不良品ではございません。ホワイトグースでもホワイト以外のダウンも生えるのだとご理解下さい。シルバー系のダウンが野生種にちかく耐久性にやや優れているとも言われています。

マザーグースの品質差

マザーグースの品質は、基本的にダウンパワーとダウン率の両方をチェックすれば判断がつきます。高品質のダウンは両方の値が共に高いものです。しかし、例外もございます。ダウン率が高いがダウンパワーは同じというケースもございます。精毛工程の段階で微妙な差があったのではと想像いたします。あまり差はないと思いますが、ダウン率の高い方をお勧めするかも?程度の違いです。

マザーグースと表示されている場合において、ダウンパワー値が430dpに満たないケースは何らかの要因によるものと考えます。マザーグースの明確な業界基準がないことにより違法性はないことになります。

同じdpのマザーグースの品質差

同じダウンパワーでありながら、羽毛布団としてのボリューム感の違いを感じるのは、入れられたダウンの量、ダウン率、内部構造、側生地の素材の違いが原因の場合がございます。表示品質が同じとすれは、ダウンパワーの説明でもふれましたが、「許容誤差に対するメーカーの認識の違い」が品質差に現れるのではないかと思います。

採取時期により保温力に差がでます。晩秋に採取されたものは冬用のダウンです。同じダウンパワー値のマザーグース表示でも保温力に差がでます。羽毛の枝羽の構造は樹木に似ています。晩秋のダウンの枝羽の状態は樹木で言えば葉を沢山付けた状態です。春先に取れたダウンの枝羽は樹木が冬に葉を落とした枝だけの状態を想像して下さい。この採取時期の違いは保温力に違いが出ます。採取時期もマザーグースのランクに関係します。

羽毛布団を仕入れる際には、念入りにダウンパワー、充填量、側生地素材の品質についてチェックいたします。羽毛布団をケースから出して5分-10分程度でおおよその品質は判断ができます。ただ、全てのメーカーの羽毛布団について判断ができるわけではありません。

こぼれ話ですが、440dpと表示する場合に社内検査の平均値が450dpをクリアすることにしているメーカーもあると聞いています。逆に極端な例としては、ダウンに薬品によるパワーアップ加工を施されているような話も聞いたことがあります。やはり許容誤差に対するメーカーの認識の違いを知らなければ羽毛布団の品質の良し悪しは判断が付きません。

筆者:野口 英輝

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