羽毛布団と30年・羽毛布団のサイト開設20年

羽毛布団のサイト開設20周年

サイト開設20周年、現在のドメインになったのは2000年4月なのですが、開設は1999年11月であったと記憶しています。
当初は、羽毛布団のカバーの襟元のズレを解消するアイディアカバーの紹介と、寝具全般にわたる疑問にお答えする形態のサイトでした。Q&A形式でお答えするうちに、羽毛布団に関するお問合せが多く寄せられてきたため、「羽毛布団の疑問」コーナーを設けることになりました。

当時、羽毛布団の品質と価格の関係が曖昧なためなのか、羽毛布団に関するお問合せが多く有りました。
この問題は、1990年に寝具販売をする事になった際に感じた疑問でもありました。当時、ダウン率を主にして品質を判断していた私にとって、株式会社京都西川の石塚氏の羽毛布団の説明会は大変勉強になりました。
それから10年が経って、2000年に羽毛布団の選び方のサイトを作成致しました。
一般の消費者の方に、解りやすく納得のいく説明ができないものかと思案し続けた20年でもあります。店主も勉強させて頂いた20年でした。

羽毛の価格

羽毛の品質自体は20年前と大きな違いはありません。しかし確実に”羽毛”の価格は値上がりをしてきました。原因は需給バランスです。ダウンはやはり布団よりジャケットの方に多く使われるようになってきました。特に近年は中国国内でのダウンジャケットブームにより更に値上がっています。逆に供給側は、鳥インフルエンザ等の影響で廃業していく農場が多くなり、ダウンの供給量は減少傾向です。この間に偽装の手口がより巧妙なったと思います。ダックダウンをグースダウンにまぜたりとか、産出国の偽装、最近ではグルーダウンなども出てきました。

羽毛ふとんの低価格化

羽毛の原価は上がっているのに、羽毛ふとんの価格は下がっていると感じる方も多いのではないでしょうか。事実は低品質の製品が多く出回っていると思います。更に高級感を感じさせるセールストークが拍車を掛けています。そこで羽毛布団を購入時のチェックリストを設けました。安物を安物と見抜くポイントをまとめました。

寒さ対策だけでなく適温で眠る

当店ではこれまでマザーグース羽毛布団を中心に販売をしてきました。理由はマザーグースの方が、レギュラーグースよりも温度調節機能に優れているためです。もちろん布団を軽く仕立てることができ耐久製にも優れています。しかし、ダウンの高騰は羽毛布団の価格に比例しています。そこで今後は、マザーにこだわりつつもレギュラーグースダウンをうまく活用する事にしました。

真冬は個人差と温度変化はあるものの、保温力重視のふとんで良いわけです。レギュラーグースダウンで保温力を確保するには、量を増やすか多層構造にすることで対応できます。問題は、4月~6月と10月~11月の寒暖差が激しい端境期です。まさに温度調節機能が必要な時期です。この時期の対応を羽毛合い掛け布団をお勧めすることで、1年の多くの期間を快適な寝具でお休み頂けると考えます。

羽毛布団の2000年-2020年

2000年と20年後の2020年の羽毛布団の違いはあるのか?羽毛、生地、キルト構造別に振り返り内容を記録として残します。

羽毛の品質

羽毛の品質には基本的に変化はありませんでした。良いものは良いです。入手ルートが2000年頃までは入っていたものが入りにくくなったりしています。問題はこの20年の間に産地偽装とかグースの替わりにダックを混入させるなどの偽装の技術は進歩?しています。あと健康を害するグルーダウン等ができています。

生地の品質

生地の技術はこの20年で進歩がございました。その1つが精紡交撚糸の糸の太さにあります。現在は480tまで製品化されています。裏情報では600tの生地も試作されたとの情報がございますが・・・?
もう一つはゴアラミネート加工による通気性が向上された生地が柔らかく自然な風合いに近くなったことでしょうか。
先のことかもしれませんが、日本の杉とか檜を原料とした”テンセル”の様な生地で羽毛布団が作られるかもしれません。

キルト構造

日々新しいキルト構造が出ては消えしていますが、20年間生き延びた構造もあり素晴らしいものはやはり残るのでしょう。この20年間で構造自体は変わりませんが縫製が海外にシフトされてしまった状態です。

まとめ

羽毛布団のサイト開設から20年ですが、1990年から30年間日々羽毛布団に関わってきました。この30年間の間に羽毛布団の表面的な低価格化を感じています。品質も追随しているのも事実です。安さの裏事情は消費者に開示されることはまずありません。
羽毛布団をご購入される場合は、価格差が生まれる背景を理解する知識武装をお願いするほかありません。ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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