羽毛布団の補修布

 4月になり気温が上がったせいか、羽毛布団のカバーを外す方が増えてきたのでしょうか。トラブルに関するお問い合わせがありました。カバーを外すとダウンが生地から出ていた。調べると生地に小さな穴が開いていて、その穴から吹き出しているとのことでした。穴の大きさと使用年数により対応方法がある旨をお伝えいたしました。

羽毛布団の補修布の役割

 羽毛布団の補修布は、側生地に開いた小さな穴を応急処置的に補修するのが本来の目的と思います。応急的なので長期にわたり使用可能ではありません。ただ羽毛布団の状態が新しい場合と古い場合ではかなりの時間差があります。また生地素材の品質によっても時間差はでます。
 同梱されている場合とされていない場合がございます。布団の生地の色目に応じて、ピンク系、ブルー系、生成等の色の補修布が同梱されている場合がございます。

新しい羽毛布団の場合

 比較的新しい場合は、穴が小さい場合は補修布が付いている場合は、その布で穴を塞ぐことができます。穴を塞ぐことでしばらくは使用可能です。ただこの方法は、接着剤をアイロンの熱で融かして接着しているため、接着材が硬くなるために長く使用するうちに補修布の周囲から破けてきます。使用年数にもよりますが数年で生地が破けてきます。上質の柔らかい生地の場合はより早い時期に補修布の周囲から破けてきます。
新しい羽毛布団の場合はリフォームを検討されてもよいと思います。ふとんを干しているときに何かに引っかけた場合に小さな穴があく場合が多いようです。

使用年数が長く古いふとんの場合

使用年数が10年以上の場合は、補修布で穴を塞いでもそのシーズンは無事に使用できるかもしれません。しかし、長期にわたり使用すると元々の生地自体が弱くなっているため、破けてカバーの内部でダウンが散乱することもあり得るのでシーズン終了後は買い替えをお勧めしています。ダウンを打ち直してリフォームを検討される方もいますが、10年以上使用されている場合は費用対効果の点でお勧めしていません。

羽毛布団の補修布の添付

 以前は補修布は全ての羽毛布団に添付されていたような気がします。しかし、最近はこの補修布を添付していない製品が増えたように感じます。たぶん消費者の方が修理することが難しいとのご意見が多くなったのだと思います。メーカー側は、あくまで応急処置的な修理と考えていても、完璧な修理でできたと捉えられる場合があるのかもしれません。応急処置としては補修布もよいのですが、ガムテープを貼り付けて翌朝に販売店に相談される方が適切なアドバイスを受けられると思います。今後も補修布の添付は少なくなると思います。

トラブルに付いてのお問い合わせは、4月から5月と9月から10月に多くなります。やはりこの時期に寝具を入れ替えているのだと感じます。
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