軽い羽毛布団の条件

「ご高齢者の布団が重くなったので軽い布団を探しています。」とのお問い合わせを頂くことがございます。羽毛以外の詰め物の布団と比べれば羽毛布団は軽いですが、素材の品質と内部のキルト仕様の違いにより軽いものもあれば少々重いものもございます。若い方にはふとんの重さはあまり気にならないと思いますが、御高齢者は出来るだけ軽いふとんが望まれています。そこで、軽くて暖かな羽毛布団の条件を、素材と内部構造の違いを具体的に説明致します。

素材の品質の違いについて、「ダウンパワー」などの業界用語を使っての説明になります。できれば下記のページをご覧頂いてからお読み頂ければ理解しやすいかと思います。

羽毛ふとんの重さとは

羽毛布団の重さはダウンと側生地の重さです。ダウンは品質により保温力が違うため布団に詰め込む量が異なります。品質の良いダウンは少量で、品質の悪いダウンは多く詰めるようになります。ダウンの詰める量が多くなれば布団は重くなります。また、側生地の重さを軽くするには薄い生地を使う事で軽く仕上がります。

ダウンの量

ダウンの品質を表す指標にはダウンパワー値とダウン率があります。具体的な数値としてはダウンパワーは300dpから440dpです。中には470dpのものもございます。ダウン率は80%から95%まであり、中にはそれ以上のものもあります。この数値が大きいほど保温力があります。そのため少ない量でも暖かい羽毛布団を作るにはダウンパワー値とダウン率の高い羽毛、ズバリ申し上げると440dp以上のマザーグースになります。あるいは別格のアイダーダックダウンがあります。

440dp以上でダウン率95%のマザーグースであれば、シングルで1000g程度で十分な保温力があります。

軽い側生地

側生地の重さは、基本的には表生地と裏生地の重さです。織られている糸の素材と太さににより重さが異なります。生地素材をポリエステル繊維にすれば軽く作ることができますが、蒸れやすく寝心地の点ではやはり綿素材がお勧めです。

側生地で軽さを求めるなら綿素材の中でも超長綿です。糸の太さにより生地の厚みと重さが変わってきます。糸の太さは単糸とか双糸のように種類が有りますが、数字が大きいほど糸の太さは細くなり軽くなります。軽い羽毛布団に仕上げるなら単糸では100番手、双糸では200番手以上のがお勧めの生地です。さらに上質の精紡交撚糸の側生地があります。

具体的には、100番単糸の超長綿の生地は1メートル角の重さは約100gです。シングルサイズの羽毛布団を作るには、おおよそ650gの布が必要です。シングルサイズでは、上質のマザーグースを充填する場合1000gのダウンが必要です。布650gとダウン1000gの合計が布団の重さになるわけですが、格子状に仕切るための内部の布も必要になるため、軽くても1800g以上になります。糸番手が太い生地を使用すると重くなります。

羽毛布団を軽く仕上げるためには国産の糸番手の大きい生地がお勧めです。綿の生地では精紡交撚糸480tの生地が軽いと思います。100単糸より更に軽く1メートル角あたり85gです。

軽い内部キルト構造

2層羽毛ふとんの内部構造 羽毛布団の内部はブロックに仕切られています。軽く仕上げる立体1層構造がお勧めです。ブロックの数により重さに多少影響を与えますが僅かな違いです。ただ内部構造において2層構造の場合は、層を仕切る布(赤い水平のライン)が必要になります。この布は布団の広さだけあるため重さに影響します。そこでシンプルな構造で暖かいハイマチキルトと羽毛の移動を防ぐ密閉キルトを合わせた1層構造が軽く仕上がります。

軽い羽毛布団の条件とは

軽くて暖かい羽毛布団の条件は、上質のダウンを充填する事です。具体的にはダウン率95%、ダウンパワー440dp以上のダウンを1kg程度にする。側生地を100番単糸か200双糸以上の番手、あるいは精紡交撚糸の国産の超長綿の側生地を用いて作ることです。シンプルな1層ハイマチ密閉キルト構造で仕上げることです。あるいはアイダーダックとかスティッキーダウンを使いノンダンプ生地で作ることでも軽くて暖かく温度調節に優れた布団に仕上がります。

ご高齢で介護施設などで寝室が寒くない場合は、保温力を上げる必要がなくなるのでダウンの品質もハイクラスにする必要はありません。最低温度が16度以上ある場合は冬用の布団ではなく、羽毛の充填量の少ない合い掛け布団がお勧めです。介護施設等では敷き寝具の蒸れ感にも配慮が必要です。

購入時より重くなった

羽毛ふとんが使っていくうちに重くなった場合の原因は、第一番目は湿気と考えられます。布団を干すことで解決する場合が多いと思います。第二番目は、長年使用している間にダウンが汚れたのが原因です。汚れの重さというより汚れたためにダウンが撥水しにくくなったのが原因です。クリーニングすることで解決できるかもしれません。また、アイダーダックダウンの場合はご購入した販売店にご相談下さい。

筆者:野口 英輝

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