羽毛布団が暖かく快適温度の理由

羽毛布団はなぜ軽くて暖かいのか?さらに快適な温度なのかと言う疑問に答えます。

軽い理由は布団の充填素材にはシルク、ウール、綿とか化学繊維がありますが、その中でも一定の蓄熱量を保つ素材として羽毛が最も軽いからです。

羽毛・シルク・ウールの布団の充填素材の保温力を比べたイメージ図

ではなぜ羽毛布団は暖かくて快適な温度なのか?この疑問にお答えします。

目次

  1. 羽毛布団が暖かい理由
  2. 羽毛の温度調節の仕組み
  3. 暖かく適温で快適な羽毛布団とは

羽毛布団が暖かい理由

羽毛布団がなぜ暖かいかの理由を説明します。一言で言えば熱を逃がさない空気層を作り上げているからです。

下のイメージ図は、体温が掛け布団の表面から放熱するまでの流れを表しています。

羽毛布団が熱を蓄える仕組みのイメージ図
  • 体の熱は側生地に伝わります。
  • 側生地の熱は布団内部の空気に伝わり暖かい空気はダウンボールの隙間をすり抜けて上昇します。
  • 上昇した熱は布団表面の側生地に伝わります。
  • 側生地に伝わった熱は布団外に放熱されていきます。

羽毛布団と他の充填素材との違いは、の段階で如何に熱の移動を留めるかの違いであり保温力の違いとして現れます。

ここで初めにご理解頂きたいことは、布団が暖かいのは中綿素材が蓄熱していると言うより中綿素材が暖かい空気(熱の塊)を布団内部に留めている事です。

布団の充填素材としてシルク、ウール、ダウンの素材毎の形状を表したのが下図です。下段は各素材繊維の形状を拡大したものです。

羽毛・シルク・ウールの繊維掲示用の違いを示すイメージ図、下段は各素材繊維の形状を拡大したもの

上の図からシルクとウール素材の形状は線状で素材の隙間が多くあります。しかしダウンは放射線状に生えた羽枝に更に小羽枝が生えて隙間が密な様子が解ります。

それぞれの素材を防風林だとすると、シルクとウール素材は葉が落ちた枝だけの状態で風通しが良く、かたやダウンは葉が茂り風を通しにくい状態だと言えます。

ダウン素材が他の素材と比べ空気の移動(上昇)を効率よくさえぎり熱を留め置く性能に優れていると言えます。そのため羽毛布団は暖かいと言われています。

羽毛の温度調節の仕組み

羽毛(ダウン)は温度が低いと羽枝の間を狭めて暖かい空気(熱)の移動を遮ります。ある程度暖かくなると羽枝を伸ばし羽枝と羽枝の間を広げて暖かい空気の移動を促進します。

イメージ図では羽枝を直線で表していますが実際の羽毛の羽枝は曲がっています。暖かくなると羽枝を広げてダウンボールのサイズが大きくなるとご理解ください。現に電気毛布等で羽毛布団が温まると膨らみは増します。

ダウン羽毛が温度変化に応じて羽枝と小羽枝を開閉する様子を示すイメージ図"

布団内部が暖かくなりすぎると、羽毛は羽枝間の隙間を広げ放熱して温度を下げます。温度が下がりすぎると再び羽枝の間を密にして熱を留めて布団内部の温度を上げて行きます。羽毛はこの一連のサイクルを繰り返すことで温度調節しています。

布団内部の温度が低いときは、小羽枝を開き羽枝の間を密にして空気(熱)の移動を遮ります。この熱(凝縮熱)により湿度が高くなると小羽枝は閉じます。

小羽枝を閉じると羽枝の間は広くなり空気(熱)の移動が始まり放熱をして布団内部の温度を下げます。放熱時の気化熱により湿気が下がり小羽枝は開きます。羽毛はこのサイクルにより適温状態を維持しています。

羽毛の羽枝の密生度と大きさ等の品質に応じて熱をさえぎる量が決まっているため、布団全体の蓄熱量を増やすためには羽毛の質だけでなく量も関係します。

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暖かく適温で快適な羽毛布団とは

寝床内の快適温度と湿度は33℃±1℃湿度50%前後と言われています。この温度を維持する為に羽毛は温度調節しています。

温度調節機能は羽毛の羽枝の開閉により行っていますが、全ての羽毛布団が快適温度ではありません。

おおよそ33℃前後を維持する為には羽毛の質により羽毛の量を増減する必要があります。上質の羽毛は少なく低質の羽毛は量を多くする必要があります。

低質羽毛の場合は量で保温力をカバーするため、羽毛の充填量を増やしますが、羽毛量を多くすると温度変化に応じて羽枝の開閉とか伸縮が素早く出来ません。

また、暑がりとか寒がりと言った体質の違いとか寝室の温度に応じて最適の蓄熱量は異なります。

寝床内温度を快適温度に素早く保つためには、上質の羽毛を体質とか寝室温度に合わせた充填量の羽毛布団を選ぶ必要があります。

快適に羽毛布団をお使い頂く為の羽毛品質と布団のキルト構造を示したのが下図です。

ダウン羽毛が温度変化に応じて羽枝と小羽枝を開閉する様子を示すイメージ図"

どのような羽毛布団を選べばよいのか?迷ったなら、こちらの羽毛布団の選び方のページをご覧下さい。

筆者:野口 英輝

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