羽毛布団のリフォームとは

羽毛布団も長年使うと少しずつボリュームがなくなり寒くなったり、汚れとか、羽毛の吹き出しや片寄りの問題が発生します。

このような羽毛布団は、羽毛を打ち直しリフォームすればボリュームが回復し保温力もアップし寿命も延びます。

しかし、いざリフォームを検討すると、どの程度ボリュームが復元するのか?そもそもコスパ的にどうなのか?どのようなリフォーム会社を選べばよいのか?等の疑問が生じます。

そこで、30余年にわたり羽毛布団を扱い打ち直し作業もしてきたが、羽毛布団のリフォーム打ち直しの行程とボリュームの復元量・打ち直しに適した状態かの自己診断基準・価格・西川をはじめリフォーム会社の選び方等を紹介します。

羽毛布団の打ち直しがどのようなものかを十分にご理解頂いた後、ご注文を頂ければと願っています。

羽毛布団のリフォームのビフォーアフターのイメージ図

目次

  1. 羽毛布団の打ち直しとは
  2. 打ち直し・リフォームの作業工程
    1. 羽毛布団の解体と羽毛の除塵行程
    2. 羽毛の洗浄乾燥行程
    3. 足し羽毛の行程
    4. 羽毛の吹き込み行程
    5. リフォーム羽毛布団の検品
    6. リフォームに必要な期間
  3. コスパ的な打ち直し基準
    1. 打ち直しと新品どっちがお得
    2. へたり具合で打ち直しの適否診断
    3. 打ち直し後のボリューム復元量
    4. 打ち直しがコスパなタイミング
    5. 打ち直しの回数は何回?
    6. リフォームによるサイズ変更
    7. コスパに優れたリフォームの条件
  4. 西川・認定工場などリフォーム会社選び
    1. リフォーム会社の比較と選び方
    2. 西川R&Rと日羽協の認定工場違い
    3. 取次店の選び方
  5. 羽毛布団のリフォームコースの選び方
    1. 側生地素材の違いと寝心地
    2. キルト構造の種類
  6. 羽毛布団のリフォーム価格
    1. リフォームの価格差
    2. リフォームの値段と相場
  7. 当店のリフォームコース

羽毛布団の打ち直しとは

一粒の羽毛は中心部の核から放射線状に羽枝が生え、羽枝の開閉により蓄熱と放熱をしています。その形状からダウンボールとも呼ばれています。

長年羽毛布団を使用していると、ダウンボールも汗などの汚れで羽枝が毛玉状に固まり膨らみがなくなり熱を蓄えられなくなります。羽毛布団はボリュームが全体になくなり暖かくなくなります。

羽毛布団の打ち直しとは、汚れて毛玉状になった羽毛を取り出して洗いほぐしてから新しい羽毛を足して、新しい側生地に入れ羽毛布団のボリュームを復元することです。

それでは羽毛の打ち直しとは具体的にどのような作業なのか?なぜ新しい羽毛を足すのか?等を説明します。

打ち直し・リフォームの作業工程

羽毛布団の打ち直し・リフォーム作業工程をリスト化します。

  1. 1.羽毛布団の羽毛を取り出し再利用できる羽毛を選り出す。解体・除塵行程。
  2. 2.選りだした羽毛を洗浄してリフレッシュしながら乾燥します。洗浄乾燥行程。
  3. 3.乾燥後のダウンを計量して不足分の羽毛を足して撹拌します。足し羽毛と撹拌行程。
  4. 4.打ち直しが完了した羽毛を新しい側生地に吹き込み縫合する。吹き込み行程。
  5. 5.仕上がった羽毛布団を検針装置に通して異常がなければ完成です。検品行程。

リフォーム作業は1枚ずつ個別に行うため他の布団の羽毛が混ざることはありません。この工程の中で1番~3番までが「羽毛の打ち直し」です。

ここで重要なことは、打ち直しのビフォーアフターにおいて羽毛がどのように変わったかを比較頂くことです。

羽毛布団の解体と羽毛の除塵行程

羽毛を取り出す方法は、側生地を刃物で切り裂き取り出します。除塵行程とは、下図の赤い部分のゴミ化した羽毛の破片を取り除き再利用可能な羽毛を選りだす行程です。

羽毛布団の側生地を切り裂き中の羽毛を取り出し折れてゴミ化した羽枝などを取り除く行程のイメージ図

羽毛の洗浄乾燥行程

除塵行程が終わった羽毛は、洗浄することで羽枝に付いた汚れを落とし乾燥することで毛玉状態のダウンボールはほぐされます。

下図の左が洗浄前であり右が洗浄後です。毛玉状態のダウンボールがほぐれているのが解ります。洗浄・リフレッシュ乾燥することでダウンのボリュームは回復します。

除塵後洗浄乾燥することで毛玉状態のダウンボールがほぐされる様子のイメージ図

ダウンの洗浄方法は、日羽協のリフォーム認定工場では2種類あります。また、洗浄をせずに新しい側生地に入れ替える場合もあります。

日羽協の認定工場の羽毛洗浄方法

日羽協のリフォーム認定工場での洗浄方法を紹介します。

日羽協のリフォーム認定工場のプレミアムダウンウォッシュラベル

羽毛精毛工場と同じようにダウン専用の洗浄機で個別に洗い乾燥します(プレミアムダウンウォッシュ)。毛玉になった羽毛も解れやすい洗浄方法です。

日羽協のリフォーム認定工場のダウンウォッシュラベル

羽毛を通気性の良い袋に入れて水で洗浄します。クリーニング店の布団丸洗いにやや近い方法です(ダウンウォッシュ)。袋越しなので特上洗浄よりやや劣ります。このコースとクリーニングとの違いは、除塵出来ていることと側生地が新しくなることです。

日羽協のリフォーム認定工場の洗浄なし生地交換ラベル

羽毛は洗わずに布団の側生地を入れ替える方法です。使用期間が短くダウンの汚れがなく、生地のトラブルとかサイズ変更に対処する場合です。新しい側生地で仕立て直すイメージです。

下の写真はプレミアムダウンウォッシュの洗浄機で洗浄したダウンの画像です。

プレミアムダウンウォッシュ洗浄機

プレミアムダウンウォッシュとダウンウォッシュとの仕上がり具合の違いは下記の写真をご覧ください。プレミアムダウンウォッシュの方が毛玉状のダウンがより多くほぐれてボリュームがより回復しています。

プレミアムダウンウォッシュとダウンウォッシュの仕上がりの違いを比較した写真。ダウンウォッシュは毛玉が残っているがプレミアムダウンウォッシュは毛玉になったダウンがほぐれている様子

足し羽毛の行程

洗浄・乾燥することでダウンボールのボリュームは回復しますが、ゴミとして取り除かれた分はダウンボールが小さくなっています。この分を補うために新しい羽毛を足します。

足し羽毛量は、リフォーム会社毎に基本料金内で追加できる量(標準追加量)が決められています。シングルサイズだと標準追加量を200gとか300gなかには350gとしている会社もあります。

洗浄乾燥後の羽毛に不足分の羽毛を足す行程のイメージ図

リフォームすることで羽毛布団のボリュームが復元するのは、羽毛を洗浄することで回復する分と足し羽毛による効果です。羽毛を足した後は品質を均一にするため撹拌します。

下図が羽毛の打ち直しのビフォーアフターを比較したものです。ゴミがなくなり毛玉状態のダウンはほぐれて新しいダウンが追加されて、羽毛量は元の羽毛ふとんより少し増えています。

羽毛を打ち直す前の汚れたりゴミがある状態と打ち直し後クリーンな羽毛と新しい羽毛が追加された様子・打ち直しのビフォーアフターのイメージ図
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ダウン品質の見分け方

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羽毛の吹き込み行程

撹拌された羽毛は、下図の様に新しい側生地にマス目毎に定量を吹き込みます。全てのマス目に羽毛の吹き込みが完了したら吹き込み口を縫合して完成です。

新しい側生地にマス目毎に定量を吹き込むイメージ図

リフォーム羽毛布団の検品

仕上がった羽毛布団を検針装置に通して異常がなければ完成です。

リフォームに必要な期間

1枚の羽毛布団をリフォームする作業工程はさほど日数はかかりませんが、順番待ちの状態のため早くても10日は必要です。繁忙期には1ヶ月程度かかることもあります。

リフォームに出すおすすめの時期は、羽毛布団を必要としない5月から9月上旬までであり、日数は1ヶ月程度を予定してください。

以上が羽毛布団をリフォームする作業工程と期間です。羽毛を打ち直すことでボリュームは回復しますがコスパ的に見合った結果がえられるかを判断する必要があります。次章ではその判断基準について説明します。

コスパ的な打ち直し基準

費用対効果を考えるとリフォームか買い換えかで迷われます。そこで新品とリフォームの違いを比較します。

打ち直しと新品どっちがお得

リフォームした羽毛布団のボリュームは下図の様に回復していますが、中のダウンボールは損傷を受けたものが混ざります。そのため新品の方が保温力と耐久性と軽さの点で優れています。

新品羽毛布団とリフォームによりボリュームを回復した羽毛布団のダウンボールの違いのイメージ

同じランクの新品羽毛布団の価格とリフォームの値段を比較して、新品が保温力と耐久性に優れ軽いことを考慮してリフォームの値段がコスパ的ならリフォームをおすすめします。

新品の羽毛布団

新品の羽毛布団もご覧ください。

羽毛布団選び方ラベル
羽毛布団の選び方

良し悪しの基礎知識を基にダウンと生地と内部構造を調べます。しかし品質表示の行間を読まないと安心...

リフォームされる場合、ご自分の羽毛布団がリフォームに適した状態か否かを判断する方法を次にご案内いたします。

へたり具合で打ち直しの適否診断

ボリュームがなくなった羽毛布団をリフォームすればボリュームは回復します。しかし、ボリュームの回復の程度は羽毛の損傷程度により異なります。

例えば、93%390dpグースダウンを1.3kg充填した冬用の羽毛布団においてダウンが300gゴミ化した状態は、同品質のダウンを1.0kg充填した合い掛け羽毛布団の品質に近い状態です。この合い掛け羽毛布団を四つ折りにしたのが下の写真です。四つ折り状態で約30センチの厚みがあります。

93%390dpグースダウンを1.0kg充填の合い掛け羽毛布団を四つ折りにした状態での布団の厚みが30センチ以上である画像

この合い掛け羽毛布団に300gの羽毛を追加すると冬用の羽毛布団になります。筆者の経験から言うと、「コスパを考慮」してリフォームに適するか否かの判断基準は、四つ折りにした羽毛布団の厚さが30センチ以上必要です。

あまりにもボリュームがなく、処分する際には下記ページをご覧ください。

羽毛布団の処分
羽毛布団の処分

不要羽毛布団の処分方法はゴミ処理かグリーンダウンプロジェクトによるリサイクル羽毛として処理する...

打ち直し後のボリューム復元量

羽毛を打ち直すと布団のボリュームがどの程度まで復元するのか?との疑問が羽毛布団のリフォームで最も気になるところです。

羽毛ボリュームの復元は、元の羽毛を洗浄してほぐしながら乾燥することでボリュームが復元する量と足し羽毛により復元する量のふたつあります。

元の羽毛の復元量は品質状態が個々に異なるため推測は出来ませんが、足し羽毛による復元量は足し羽毛のダウンパワーと量からおおよそ推測できます。

標準的な93%400dpのダウン100gを追加する場合、下図の様な計算式になります。

400dpのダウン100gを追加した場合に羽毛布団がふくらむ厚みをイメージした図と計算式

ダウンパワー値とは、「羽毛がふくらむ力」と言われていますが、布団内部での羽毛の体積を示す値なのです。

400dpのダウン1gの布団内部での体積は400mlです。このダウン100gの体積は40000mlなので、シングルの羽毛布団150cm×210cmの広さに収めると高さは約1.2センチになります。

足し羽毛の量が300gの場合だと1.2センチ(小数点第3位までなら1.269)の3倍の約3.8センチということになります。ただし、この計算式は簡易的なものであり、マス目を仕切るマチ布の幅の関係で膨らみには一定の制限があるのと側生地の重さが異なるため、実際の復元ぐあいとは異なりますが一応の目安にはなります。

西川の足し羽毛の場合は、先入れ方式なので標準設定量の全量投入するため上記の予測はかなり近い復元量となります。シングルサイズだと西川では350g足すため羽毛のダウンパワーが400dpとするならボリュームの復元量の目安は4.4m復元し、さらに元の羽毛の復元量を合わせた復元量になります。

ただし日羽協のリフォーム認定工場の場合は、必要に応じて足し羽毛を行うため各コースの足し羽毛の標準設定量の全量が足されるとは限りません。しかし設定足し羽毛の全量を足さないことは十分にボリュームが回復したとも言えます。

ダウンパワー表示がなく単にダウン率だけの場合は下の表を参考にしてください。

足し羽毛のダウン率とダウンパワーの標準的な対比
ダウン率 ダック90% グース90% グース93%
ダウンパワー 360dp-380dp 380dp-390dp 400dp~

西川(株)においてはダウンパワー表示をしていない場合もありますが、西川(株)の基準ではダックであれば340dpが下限値でありグースは360dp以上となっています。下記サイトも参考にしてください。

羽毛布団の西川基準
西川基準とゴールドラベル

西川基準とプレミアムゴールド基準の差異?西川はゴールドラベルを付けない理由とは...

下の表は、シングルロングサイズの羽毛布団の打ち直しに追加する羽毛のダウンパワーと追加量によるかさ高復元の目安を表しています。ダブルロングの場合は、シングルサイズの約80%です。

足し羽毛のダウンパワー値と量でのかさ高復元の目安値
ダウンパワー 追加100g 追加200g 追加300g
440dp 1.4cm 2.8cm 4.2cm
400dp 1.27cm 2.54cm 3.8cm
380dp 1.2cm 2.4cm 3.6cm

打ち直しによる羽毛のボリューム回復は、足し羽毛だけでなく洗浄効果による回復もあります。ただし先に説明した様に洗浄方法により差は出ます。

打ち直しがコスパなタイミング

日羽協のゴールドラベル裏面にリフォームのタイミングの目安となる時期が記載されています。

日羽協のゴールドラベル裏面

写真はプレミアムゴールドラベルですが、赤枠の部分のお手入れの目安として「5~6年でリフォーム」、「10年で買い換え」とあります。このお手入れの目安は、日羽協の4種類のゴールドラベル全てにおいて共通しています。

ダウンの鳥種とか品質によっても耐久性は異なり、ダックよりグース、さらにマザーグースの順にダウンボールは丈夫で耐久性に優れています。

また、布団のお手入れの仕方とかカバー交換の頻度により、打ち直しをおすすめするタイミングは違ってきます。

しかし、4種類のゴールドラベル全てにおいて「5~6年でリフォーム」としていることは、このタイミングでダウンの汚れと損傷によりへたりが出始めると言う意味とご理解ください。ただし、へたり具合はお手入れの仕方とダウン品質により異なります。5~6年でリフォームするとほぼ新品同様になる可能性は大きくなります。

日羽協では10年で買い換えとありますが、この道30余年の店主の経験では羽毛布団の寿命は15年前後と思います。5~6年でのリフォームはコスパが低すぎ、コスパに優れた打ち直しのタイミングは7年から8年ぐらいが妥当と思います。

ただし、ゴアラミネート加工がされている側生地の羽毛布団の場合は、クリーニングができないのと5~6年するとゴアラミネート加工の劣化が出だすため、5~6年でのリフォームをおすすめします。

羽毛布団の寿命
羽毛布団の寿命

ふとんの寿命は、買い替えを検討されたタイミングかもしれません。使用期間は10年から15年ぐらい...

打ち直しの回数は何回?

先の説明のように、打ち直しのため取り出したダウンボールはほぼ全てが何らかのダメージを受けていることを考慮すると、羽毛布団のリフォームの回数は1回までです。ただし、ダウンのダメージが少ない5~6年でリフォームする場合でもリフォームの回数は多くても3回までです。

リフォームによるサイズ変更

リフォーム時にサイズを変更することは可能です。打ち直したダウンをどのサイズの側生地に吹き込むかの違いです。ただし、サイズをアップするのとダウンするのでは足し羽毛の量が異なります。

また、サイズダウンする場合でも、ダブルからシングル1枚にサイズ変更するのとシングル2枚にするのでは足し羽毛の量が異なります。

リフォームにて羽毛布団のサイズ変更をする場合は、足し羽毛量が多くなる場合はコスパを十分に検討してください。サイズを変更する前と変更後の新品の羽毛充填量を比較して、その差が100g程度ならサイズアップのリフォームもおすすめです。

詳しくは下記ページをご覧ください。

羽毛布団のサイズ変更
羽毛布団のサイズ変更

リフォームでの羽毛布団のサイズ変更!ダブルをシングルに等の具体的変更事例とコスパを解説します。...

コスパに優れたリフォームの条件

羽毛布団をリフォームしてよかったと実感できる条件をまとめます。下記条件は、リフォーム作業の自らの経験からコスパが見込めます。

  1. 1.グースダウンであること。
  2. 2.ダウン率は90%以上であること。
  3. 3.布団を四つ折りにして10分放置してふとんの厚さが30センチ以上あること。
  4. 4.使用期間は10年未満出来れば7年から8年以内であること。
  5. 5.過去にリフォームをしていないこと。(5年から6年でリフォームする場合は1回まで)
羽毛布団のリフォームに失敗
羽毛布団のリフォームに失敗

リフォームができない・あるいはおすすめ出来ない羽毛布団のリストと失敗する理由を解説します。...

西川・認定工場などリフォーム会社選び

羽毛布団の打ち直しには、点検商法などの悪意をもった評判のよくない業者がいます。この様な業者の真の目的は、新しい布団を高額で売ることなので注意して下さい。

会社の信頼性を調べる方法として、日羽協のリフォーム認定工場一覧のリストに掲載されているか否かは信頼性の【目安】になります。

ただし認定工場一覧リストには、西川(株)など大手の寝具メーカーは掲載されていません。西川(株)においても羽毛布団のリフォームはしています。西川(株)あるいはご購入販売店にご相談ください。

メーカー独自のキルト方式にこだわる場合はそのメーカーに発注してください。例えば西川のユニステークキルトなどは西川(株)に依頼することになります。

リフォーム会社の選び方は、プレミアムダウンウォッシュのように羽毛をダウレクトニ洗浄できるマシーンの有無でも判断出来ます。日羽協のリフォーム認定工場はこの装置を設置しています。

また、リフォーム完了後に検針装置をくぐらせる必要があります。この装置を備えていない会社はおすすめできません。これらの最新の装置を備えている会社となると羽毛布団メーカーになります。

リフォーム会社の比較と選び方

リフォーム会社を比較して選ぶ際にショッピングモールに出店している場合には、ランキング・口コミ・レビューも参考にされてはいかがでしょうか。ただし打ち直しは新品の羽毛布団とは違い元の羽毛布団の品質が異なることを認識して口コミ・ランキングを参考にしてください。

クチコミのロゴ
羽毛布団ランキングと口コミ

レビューや口コミとかランキング上位の製品が、お客様が希望されるクラスとは限りません。上位のもの...

羽毛布団の打ち直しの際に、標準の足し羽毛だけでなくさらに追加羽毛が必要な場合に、羽毛品質ごとに100g単位の値段が設定されています。シングルの羽毛布団のダウン充填量は1200gから1300gなので、この羽毛100gの単価を12倍から13倍すれば新品のシングルの羽毛布団の羽毛だけの値段が算出できます。

この値段と市場で販売されている同クラスの羽毛布団の値段を比較すれば足し羽毛100gの単価の整合性が見えます。この方法は打ち直しする業者の信頼性を比較する上で役に立つと思います。

リフォーム会社を比較する別のポイントは、コースの基本料金での標準足し羽毛量を比べる方法があります。同じような価格帯でも足し羽毛量が100gか300gかでは仕上がりに差が出ます。この際に注意しなければならないのは、羽毛の種類と品質が同じクラスであることです。

西川R&Rと日羽協の認定工場違い

西川は足し羽毛の標準設定量を全量入れる先入れ方法であり、日羽協の認定工場はボリューム復元に必要な量の羽毛を入れる後入れ方法です。西川R&Rと日羽協のリフォーム認定工場との違いは足し羽毛の足し方が最大の違いです。後入れ法は個々の羽毛布団により足す羽毛の量が異なります。

他にも洗浄後の乾燥工程にて羽毛をリフレッシュする技術も少し差があります。西川と同レベルの技術力を持つ認定工場もあれば旧式の設備の工場もあります。

取次店の選び方

寝具店・取次店の役割は、打ち直しのメリットがあるかどうかをアドバイスすることです。羽毛の知識と経験があれば現物の羽毛布団を見て触れれば、打ち直しのメリットがあるかどうかのおおよその判断はつきます。

しかし、現状はただ単にメーカーに取り次ぐだけの店もあるよう聞きます。取次店の選び方は、どの会社に打ち直しを依頼しているかを記載しているこは必須条件です。羽毛布団の知識がある取次店を選んでください。

羽毛布団のリフォームコースの選び方

リフォーム会社により値段に違いがあり、どの会社のどのコースを選べばよいのか迷うことでしょう。主なコースの特徴を、生地素材、キルトに焦点をあてて料金の違いも合わせて説明します。

側生地素材の違いと寝心地

羽毛布団の側生地素材には、大きく分けるとポリエステル、綿との合繊(テンセル)、超長綿の3つに分類できます。それぞれの特徴と料金についてご案内します。

ポリエステル生地は柔らかく軽いのが長所ですが、吸湿性が悪く蒸れやすく静電気が発生することが短所です。また耐久性も良いとは言えません。生地の価格は安いので打ち直し料金も安くなります。

綿との合繊生地の特徴は柔らかいのが特徴です。吸湿性は綿の割合が70%未満の場合は蒸れ感が少しでます。耐久性は綿の割合が少ない場合はポリエステルに近くなります。生地価格はポリエステルより高い傾向です。

超長綿生地の特徴は、まずは糸番手の数字が大きいほど薄くて軽くなる特徴があります。打ち直しに使われる糸番手は40番手から100番手ぐらいです。糸の種類としては単糸、双糸、精紡交撚糸がありますがほとんど単糸です。

側生地でのリフォーム料金差は、素材の違いと生地品質さらに海外製か国産かの違いと国内縫製か海外縫製かの違いにより発生しています。

純日本製羽毛布団
純日本製羽毛布団の見分け方

海外製の生地を海外で縫製して、国内で吹き込み縫合すれば日本製であり国産品として流通しています。...

キルト構造の種類

羽毛布団のキルト方式(内部の仕切り方)は、大きく分けると立体キルト、2層キルト(3層キルト)、ハイマチ密閉キルトの3つに分類できます。それぞれの特徴を紹介します。

立体キルト

立体キルトは、羽毛布団のキルト方式の基本形でもっともポピュラーなものです。一般的なマス目の数はシングルだと横4マス縦5マスの20マスで軽いのが特徴です。

お値段を優先するならこのキルトです。ただマス目の数が多くなると料金は高くなります。暑がりの方はこのキルトを選びダウン量を少なくすると良いでしょう。

2層立体キルト

2層キルトは、立体1層キルトのマス目の仕切り部分が薄く保温力が低下する欠点を改善した構造です。布団の厚みを均一化させ保温力をアップしています。3層タイプは2層の間に1層加えたタイプです。

暖かいので寒がりの方とか寝室の温度が低い場合におすすめです。

ただ2層にするため層を仕切る布が必要となり、シングルで250gから300g程度重くなるのと蒸れ感が少し増します。リフォーム料金は1層より高くなります。

ハイマチ密閉キルト

ハイマチ密閉キルトは、立体キルトの軽さと2層キルトの暖かさを取り入れた構造です。層を仕切る布が無く布団の厚みも均一で暖かいのが特徴です。

このキルトは軽くて暖かいのが特徴なので、側生地も薄くて柔らかいものをおすすめします。また、羽毛をマス目内に密閉する構造なので片寄りがなく安定しているのも特徴の一つです。

羽毛布団のリフォーム価格

足し羽毛の品質と量・洗浄方法・側生地・キルト方式が決まれば価格は自ずと決まります。ただ会社により価格が異なるのも事実です。そこでリフォームの価格差の要因と価格相場について説明します。

リフォームの価格差

羽毛布団のリフォームの価格は、20,000円前後から200,000円前後までと10倍の価格差があります。

価格差は、足し羽毛の品質と量・洗浄方法・側生地・キルト方式の違いから生まれます。項目毎に説明します。

  1. 足し羽毛の品質は、ダック・グース・マザーグースのダウンの鳥種とダウン率・ダウンパワーにより価格差があります。
  2. 足し羽毛の量は、コース毎に設定された標準足し羽毛量が100gから350gと幅があります。設定量の全量か必要量かの違いがあります。
  3. 洗浄方法は、洗浄無し・ダウンウォッシュ・プリミアムダウンウォッシュの違いです。あるいはクリーニングの場合もあります。
  4. 側生地素材は、ポリエステル・合繊・ゴアラミネート・超長綿(ランク有り)の違いです。海外製の場合は安くなります。
  5. キルト方式は、1層立体キルト・2層とか3層キルト・ダウンの移動防止キルト・その他特殊キルトにより価格差があります。縫製が海外の場合は安くなります。

安い20,000円前後は、ダウン率の低いダック・ダウンウォッシュ(洗浄無しは更に安い)・海外製ポリエステル・海外縫製1層立体キルトのコースの様な内容です。

高い200,000円前後は、ダウン率95%以上のマザーグース・プリミアムダウンウォッシュ・国産の上質超長綿・その他特殊キルトのコースの様な内容です。

価格差の要因には、各コースの標準足し羽毛の量が100gから350gと幅の違いがあります。また全量か必要量なのか羽毛の足し方違いも関係します。

コスパに優れたリフォームをするためには、足し羽毛の品質と量・洗浄方法・側生地・キルト方式を条文に比較して発注会社の信用力を調べる必要があります。

リフォームの値段と相場

10倍の値段差をコスパ的に見ると安いコースは新品と比較する必要があり、高いものも品質状態によりリフォームをおすすめ出来る場合もありますがコスパを検討してください。

安いものはシングルサイズで税別約20,000円前後ぐらいからありますが、側生地がポリエステルでムレ感がでたり、綿の生地でも糸番手が40番手と厚い生地で硬くて重かったり、織り方がツイルとか平織りでペーパー音がしたりします。リフォームの仕上がり具合はお値段程度です。

おすすめの打ち直しのお値段は、シングルをシングルにするパターンでプレミアムダウンウォッシュ、93%400dpグースダウン200g-300g追加で、側生地は国産60番手か80番手の超長綿、国内縫製立体キルト20マスに仕上げる場合は税別60,000円前後です。

寒がりの方とか寝室温度が低い場合は2層キルトを選んでください。

足し羽毛をマザーグースにするとか上質の超長綿の側生地で特殊なキルト方式にする場合のお値段は100,000円以上します。

シングルをシングルに打ち直す場合の相場は、60,000円前後から100,000円前後です。ダブルサイズの値段は約1.5倍です。サイズ変更する場合は足し羽毛の必要性により値段は異なります。

当店のリフォームコース

当店の羽毛布団のリフォームコースは下記の通りです。各コースには、標準キルト、2層キルト、羽毛の移動を防ぐキルトの3コースを用意しています。

柄に関してはコスパの観点から無地の生成りに統一しています。側生地は国産生地の80超長綿・60超長綿の2種類を用意しています。低価格のポリエステル生地は寝心地を考慮してコースには加えていません。

羽毛の洗浄方法は、どのコースも日羽協のリフォーム認定工場なのでプレミアムダウンウォッシュにて対応しています。

ご注文方法とリフォーム手順

ご注文フォームよりコースを選びご注文ください。

リフォームする羽毛布団を当店に宅配便にてお送りください。送料はお客様のご負担・元払いにてお願いします。

現物の状態を見て羽毛の打ち直し可能か診断します。できない場合は当店の送料負担にて返送します。

打ち直し可能な場合は、リフォーム認定工場に布団を送ります。

リフォームが完了した後当店にて検品後お客様へ元払いにて納品いたします。

サイズ変更はダブル1枚をシングル1枚にするサイズダウンのコースは用意していますが、サイズアップに関しては相談してください。

羽毛布団のリフォームは側生地を切り裂くため途中解約は出来ないことも承知の上でご発注ください。

SDGs・持続可能な循環型社会を目指し、羽毛の打ち直しとかグリーンダウンプロジェクトへの参加は重要と考えます。

リサイクル羽毛布団と打ち直しは別物です。詳しくは、リサイクル羽毛をご覧ください。

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