ダウンパワーと羽毛布団のランク

ダウンパワーとは、羽毛布団の品質とも言える暖かさとか軽さを表す羽毛の品質指標のひとつです。1gのダウンが布団内部でどれだけの空気層を作りだしているかを表しています。

目次

ダウンパワーと羽毛布団の品質

羽毛布団の特徴である軽さと暖かさは、主に羽毛のダウン率とダウンパワーに比例します。またダウン率とダウンパワーは比例関係にあります。

ダウンパワーとは、羽毛が布団内部に詰められた状態と同様の環境下を想定して加圧した状態での羽毛1gあたりの体積を表しています。

単位はdpであり400dpとは、加圧された1gのダウンの体積が400mlであることを意味しています。

ダウンパワーと空気層の関係

軽くて暖かな羽毛布団を作るにはどうすればよいのでしょうか。軽くするには少ない羽毛でより大きな空気層を作り、暖かくするには空気層の熱をコントロールすればできます。

結論から言えば軽くて暖かな羽毛布団を作るには、羽毛1g当たりの体積が大きく空気の対流をさえぎる羽枝を密に持っている羽毛を使えば良いと言うことです。そのためダウンパワーが羽毛のランクを判断する指標に採用されています。

ダウンパワーと羽毛布団の厚さ

羽毛ふとんを購入時に、ダウンパワーが大きいほど羽毛布団のボリュームがあるのではと思われるかもしれません。結論から申し上げると、ダウンパワーの差によるボリュームの違いは僅かしかありません。ダウンパワーが低い場合は羽毛の充填量を多くしてボリュームをアップしています。

ダウンパワー値と新品のボリューム

生地と内部構造は同じでランクの異なる羽毛を入れた羽毛布団を並べたのが下の写真です。左側はグース93%410dp1.2kg、右側はマザーグース95%430dp1.2kgです。

この2枚の羽毛布団のダウンパワー値の差は20dpですが、差が40dpでも新品時は大きな差はありません。数年使用すると少し差が出はじめます。

410dpと430dpの布団

ダウンパワー値と羽毛充填量

市場には、93%グース400dpのシングルサイズの羽毛布団の充填量は1.2kgと1.3kgの両方があります。かたや93%マザーグース440dpの場合は充填量1.1kgと1.2kgのタイプがあります。このことからダウンパワーが低い場合は量でカバーする傾向があることがご理解頂けると思います。

単純に40dpの違いを布団の厚みの違いに置き換えると1.5cmの差になります。しかし羽毛布団では、充填量、内部仕切り布の幅、側生地の重さなどにより、ダウンパワーの差は羽毛布団の厚みとして新品時はほとんどでません。

羽毛の拡張力

新品時においては40dpの差によるマス目内の体積の差はほぼありませんが、ダウンパワーが大きい方が余裕をもって同じ空気層を実現しているとご理解下さい。

またダウンパワーが大きいとダウンボールの数が少ないため、羽枝の開閉もスムーズにおこなえ温度調節機能も優れます。

ダウンパワーと保温力・耐久性

ダウンパワーと耐久性の関係イメージ

ダウンパワーの差は、低温時においての保温力の差と温度調節機能さらに耐久性の差としてでます。そのため400dpの羽毛をシングルに充填する場合は、保温力を補うために充填量を100g多い1.3kgにする場合があります。ただし温度調節機能は少し低下します。440dpの羽毛布団を何年か使用すると400dpに落ちます。この何年かがダウンパワーの違いによる耐久性の差とご理解下さい。

ダウンパワーとダウンの種類

ダウンボールの大きさはダウンパワーと保温力に基本的に比例しています。

しかし、アイダーダックに代表されるダウンボールが互いに絡むスティッキーダウンは、保温力に対してかさ高が出にくい特徴があります。

同じダウンパワーで同じ量のダックとグースのダウンを比較するとダックの保温力は低くなります。

ダウンボールの構造が、下図のようにダックとグースでは異なり、ダックの軸は太く張りがあり保温力の割にはダウンパワーが高く出ます。

ダックのダウンボールは内部の密生度が低く空いている、熱が逃げやすくグースより保温力が低くなります。

羽毛の鳥種によるダウンボールの構造の違いを理解した上でダウンパワーを比較する必要があります。

ダックとグースのダウンボールの構造イメージ

ダウンパワーを知る方法

羽毛布団のダウンパワーを知るには、布団に添付されているラベルを調べることで解ります。メーカー毎にデザインは異なりますが数字で○○○DPと表示されラベルがあります。

ただし、各メーカーの許容誤差の認識の違いなのか同じダウンパワー値でも、30余年羽毛布団に触れてきた経験ではメーカーによって多少ボリューム感が異なります。

メーカーの信頼度もチェックする必要があります。

西川(株)の羽毛布団にはこのダウンパワーのラベルが添付されていない製品もあります。添付されていなくてもおおよそのダウンパワー値を推測して西川の羽毛布団を選ぶ方法があります。

日羽協に加盟しているメーカーは基本的にゴールドラベルを添付しているため、このラベルでダウンパワー値の下限値を知ることが出来ます。

ダウンパワーとゴールドラベル

ゴールドラベルダウンパワーは、日本羽毛製品協同組合が発行する四種類のゴールドラベルで判別がつきます。

ダウンパワーの欠点

ダウンパワーは、羽毛布団の選び方において中心的な羽毛の品質指標ですが欠点がありダウンの産地も考慮する必要があります。

ダウンの鳥の種類とダウン率とダウンパワーが同じでも産地が異なる羽毛においては耐久性に差が出ると言われています。

ハンガリーのFBZ社の説明によると、飼育環境とくに湿度が低い条件で飼育された鳥の羽毛の方が耐久性に優れているとのことでした。同社ではrecovering-powerの差だと説明していました。

同じダウンパワーでも耐久性に差があることを裏付ける試験が日羽協が導入した「かさ高性の圧縮回復性試験」です。この試験はダウンパワー検査を行った羽毛を更に加重して回復かさ高を計るものです。

ダウンパワーとダウン率

日羽協が発行する四種類のゴールドラベルの項でも紹介していますが、ダウンパワーが高ければダウン率も高くなります。どちらかの数値が極端に高いことはありません。

ロイヤルゴールドラベルのダウン率90%でダウンパワー400dpの条件を満たす羽毛は少ないのが現状です。ロイヤルゴールドの場合は93%までダウン率を上げることでダウンパワー400dp以上の品質を確保できる羽毛が多くなります。

ダウン率はダウンとフェザーの比率を表しますが、ダウンが割れて繊維状になったファイバーとか未成熟ダウン等も【ダウン】には含まれているため、ダウンパワーを確認することでダウンボールの平均的なサイズを知ることができます。

ダウンパワーの測定方法

測定方法は、JIS(日本工業規格)で決められた条件下で、30グラムの羽毛を円筒に入れて重さ94.3gの円盤の自重で抑えて、2分後の底から円盤までの高さを計りダウン1g当たりの体積を表したものです。3回測定した平均値を採用しています。

算出方法

円柱の体積は、(半径)×(半径)×(円周率π)× 高さです。ダウンパワー440dpの場合だと底から円盤までの高さは20cmになります。1グラムあたりの体積なので30分の1の値になります。

円盤で加重する目的は布団の中と同じ状態にするためです。500mlのペットボトルに入れると加重されないので約2本分になります。

440dp測定イメージ

羽毛のダウンパワーまとめ

ダウンパワーとは、羽毛布団の保温力とも言える空気層を作るダウンの性能です。ダウンパワーが低い場合は、充填量とか内部キルト構造で補っています。また、この値は羽毛ふとんの温度調節機能、寿命とも関係しています。

同じ値のダウンパワーでもダックとグースのダウンボールの大きさと軸の太さと構造の違いによる保温力の差を理解した上で、軽くて快適な冬用の羽毛ふとんを購入するにはダウンパワーの高いものを選んで下さい。

羽毛布団の品質指標の数値を表示しているのはメーカーです。羽毛布団を選ぶ際にはメーカーの信用力も合わせて確認ください。

筆者:野口 英輝

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