羽毛布団マザーグースとは

マザーグース羽毛布団はどのように良いのか?グースとの違いは何か?値段が高い理由?多くの問い合わせがあります。

色々なマザーグースの疑問にこの道30余年の羽毛布団のプロが答えて答えます。

本来のマザーグース羽毛布団の良さは、お客様のレビュー「軽くてほんわか暖かく羽毛は量より質だ!」が表しています。

しかしマザーグースの業界での統一基準はなく、西川をはじめメーカーは独自の品質基準(定義)を設けています。

そのため本来のマザーグースの人気にあやかった?低品質・低価格の製品が出現して購入時の迷いを増幅しています。

そこで当サイトでは、マザーグースとはどのような鳥なのか?グースとの違いは何か?を説明して、さらにマザーグースダウン品質を3ランクに分けて価格との関係や購入時の注意点を紹介します。

尚、羽毛布団の寝心地は羽毛品質だけでなく、布団の側生地素材とか内部キルト構造も関係しています。

寝心地探求紀行の筆者
寝心地探求紀行の筆者・野口英輝

1990年寝具店2代目として羽毛布団に出会う。マザーグース農場・紡績工場等視察し今も研究中です...

マザーグース羽毛布団ダイジェスト版

メーカー毎にマザーグースの下限品質は異なり、羽毛が膨らむ力を示すダウンパワーの下限値は400dpから440dpと40dpの違いがあります。

この違いは、ダウンを1.2kg充填の羽毛布団の場合500mlのペットボトル約200本の体積の羽毛に相当します。

お薦めマザーグース羽毛布団の品質指標

当サイトにおいて、本来のマザーグース羽毛布団の良さが体感できると考えられる下限条件をリストアップします。

  • マザーグースダウンの品質はダウンパワー430dpダウンとフェザーの混合率を示すダウン率は93%以上またはプレミアムゴールドラベル以上
  • ダウン充填量はシングル1.2kg、ダブル1.6kg。ダウンパワーが上記より高ければ少なくても可。
  • 側生地は綿素材で単糸なら80番手以上・双糸なら140双以上・精紡交撚糸の超長綿で国産生地
  • キルト構造は体質と室温に応じて1層・2層3層を選択・縫製は丁寧な国内縫製
  • 信頼できるメーカー製または信頼できる販売店からの購入をオススメします。信頼度のチェックが必要です。(偽装問題?)

ダウンの色はホワイトでもシルバーでもあまり性能差はありません。ただしポーランドのホワイト・コウダ種の最高級品はホワイトマザーグースです。

なぜ上記の点にこだわるのかについては本章にて説明します。

ポーランドanimex社の契約農場のホワイトマザーグースの写真(筆者撮影)

目次

  1. マザーグースとは
    1. マザーグースの種類
  2. マザーグースの品質ランク
    1. メーカーごとのマザーグース品質基準
    2. 各社のダウンパワー下限値
    3. ダウンの産地ポーランドorハンガリー
    4. ホワイトマザーグースとシルバーの違い
    5. 羽毛の耐久性の違い
    6. マザーグース品質を3つにランキング
  3. マザーグースとグースの違い
    1. マザーグースの保温力と温度調節機能
    2. ダウンの種類と快適使用温度域
  4. マザーグース羽毛布団の価格
    1. 羽毛の採取量と布団の価格
    2. 羽毛布団マザーグースが激安の理由
      1. 羽毛品質と充填量
      2. 側生地羽毛品質と購入時の注意点
      3. 日本製マザーグース羽毛布団の価格差
      4. 布団メーカーの信頼度と価格
  5. 羽毛布団マザーグースの寝心地

マザーグースとは

羽毛布団に使われている羽毛の種類は、ダック(アヒル)・グース(鴨)・マザーグース(1年以上飼育された成鳥グース・グースの親鳥)の3種類に大別できます。品質も基本的にこの順に良くなります。

羽毛布団のダウンの種類

ダックの鳥の大きさとダウンボールのイメージ グースの鳥の大きさとダウンボールのイメージ マザーグースの鳥の大きさとダウンボールのイメージ

マザーグースは産卵用に雌4雄1羽の比で飼われる成鳥グースですがこの鳥の羽毛の略称でもある。羽毛特性はグースと比べ羽枝が長く密で保温と温度調節に優れ色はホワイトとグレーがある。

マザー・グースであるが産卵用なので雄鳥は必要です。雌4雄1羽の比率は農場主によると鳥同士が争わず一番安定して効率よく卵を産む比率とのことです。

マザーグースは食肉用に飼育されるグースの親鳥であり、羽毛の採取は1年以上飼育して成鳥になってから行われます。

下の写真は、ポーランドのホワイト・コウダ種のマザーグースを飼育農場にて当サイトの筆者である私が抱いています。成鳥グースの大きさをご覧ください。

ポーランドのホワイト・コウダ種のマザーグースを飼育農場にて当サイトの筆者である私が抱いている写真

マザーグースの種類

グースの鳥種は幾つかありますが、ポーランドのホワイト・コウダ種とハンガリーのゴールデン種はともにホワイトマザーグースであり国策事業として品種改良が行われました。

主にこの2種を起源とするマザーグースが世界各国に移り飼育されています。詳細は下記ページをご覧ください。

ポーランドとハンガリー羽毛の評価
ポーランドとハンガリー羽毛

ダウンはポーランドとハンガリーどちらが良い?マザーグースの品質を比較する事で答えが見えてきます...

品質を維持するためにポーランドでは、コウダ・ヴィエルカ国立動物科学研究所の管理下でマザーグースのマザーと言うべきホワイト・コウダと呼ばれているグランド・マザーグースが存在します。

グランドマザーグースを頂点としてマザーグース、グースとピラミッドの様にすそにひろがっています。

グランドマザーグースとマザーグースとグースの関係を示す図

純血のグランドマザーグースから採取された羽毛は、格段に上質であり最高級羽毛布団に使用されます。

好評を得ているマザーグースには、グランドマザーグースとの違い以外に幅広い品質ランクがあります。次章ではこのランクについて説明をします。

尚、ダックとグースの羽毛の違いについては下記サイトをご覧ください。

グースとダック羽毛の差
グースとダックのダウンの差

1羽の鳥の価値で羽毛が占める割合は、グースは6%でダック3%です。2倍の差は人気度・品質の違い...

マザーグースの品質ランク

マザーグースの羽毛布団のランクを見分ける指標には、ダウン率とダウンパワー以外に鳥種混合率とか洗浄度や有機物残留量を示す酸素計数があります。

さらにランクを分けるものは、グランドマザーグースの様に飼育目的の違いとか産地間格差や羽毛の採取時期があります。

これらの指標の中でもマザーグースダウンのランクを簡単に見分ける指標はダウン率とダウンパワーです。

ダウン率とは

羽毛はダウン(綿毛)とフェザー(小さな羽根)が混じり合った総称です。ダウンの割合をダウン率と呼びこの値が高い方が基本的に上質です。理由は保温したり温度調節しているのはフェザーではなくダウンなのです。

しかし、ダウンの内訳は正常なダウンと未成熟ダウンとか破損したダウンやファイバー化した羽枝もダウンとしてカウントされています。このことは同じダウン率でも正常なダウンの割合により品質が異なることを意味します。

同じダウン率で正常なダウンの割合が異なる2つの例として下図をご覧ください。

ダウン率で表されているダウンとフェザーの割合を図化して、ダウン率のダウンにカウントされている正常なダウンと未成熟ダウン・ファイバーを具体的にイメージ化。さらに同じダウン率でありながら正常なダウンの比率が異なる2例を上下に分けた図

同じダウン率ですが上段と下段のダウンを比較すると、説明の必要が無いぐらい下段の方が正常なダウンが多く上質であることが解ります。

ただし、ダウン率が高くなるにつれて正常なダウンの割合も高くなります。羽毛の精毛工程でダウン率を上げると取れる量は少なくなり価格は高くなります。

この様にダウン率だけでは羽毛の品質の良し悪しを正しく判定できないため、ダウンパワーも合わせて調べる必要があります。

ダウンパワーとは

一定重量の羽毛の体積を測定した値がダウンパワーです。簡単に言うと羽毛の膨らむ力を表しています。この値は各々のダウンボールの平均的な大きさを推しはかれます。ダウンパワーが高いことは正常なダウンボールが多いことになります。

ふたつの指標についての詳細は下記ページをご覧ください。

ダウン率
ダウン率とは

この比率は、布団の暖かさと耐久性の目安となるものです。この数値が高ければ「一応」上質と言えます...

ダウンパワー
ダウンパワーとは

羽毛布団の保温力の指標!ダウンパワー440dpのダウン1gの無加重の体積は500mlペットボト...

ダウンパワーを調べるには、下の写真の様な布団に添付されているラベルを見て下さい。尚、西川(株)・東京西川の羽毛布団にはダウンパワー表示がないものもあります。

ダウンパワーを表示したラベル。430dp、440dp、450dp、480dp

メーカーごとのマザーグース品質基準

メーカーごとにマザーグースの品質基準は異なります。マザーグースのダウン率、ダウンパワー、鳥種混合率の西川品質と業界の実情を比較したのが下の表です。これらの品質基準の違いが布団の価格差として表れています。

鳥種混合率とは、グースダウンにダックダウンが混入している割合のことです。

マザーグースダウンの西川品質と業界の下限基準


西川品質
業界下限基準
ダウン率
93%以上
92%~
ダウンパワー
430dp~
400dp~
鳥種混合率
1%以下
10%未満

マザーグースと表示する場合は、産卵用に飼育された親鳥から採取された羽毛であることが条件です。しかし、この条件以外に寝具業界での統一した品質基準はありません。

マザーグースのダウンパワーの下限値はメーカーにより400dp~440dpと40dpの違いがあります。

メーカーにより400dpのマザーグース羽毛布団もあれば、通常グースの95%440dpの製品もあります。

マザーグースにダックダウンが意図せず混入するとすれば、羽毛を選別する設備の共用によりダックダウンの混入しか考えられません。そうすると鳥種混合率1%以下は当たり前の基準と言えます。

西川(株)はなぜマザーグースは93%430dp以上鳥種混合率1%以下という基準を設定したのか?「430dp以上」は闇雲に設けた品質基準ではなくデータ分析から、マザーグースの良さを体感できる品質基準と認識しているからでしょう。西川品質は、西川産業(東京西川)・西川リビング・京都西川の3社が西川(株)に統合前からあった基準です。

各社のダウンパワー下限値

布団の通販サイトでよく見かける布団メーカーのマザーグースのダウンパワーの下限値を表にして比較しました。

メーカー別マザーグースのダウンパワー下限値

西川(株)
山甚物産(株)
昭和西川(株)
(株)ロマンス小杉
430dp
440dp
420dp
430dp

メーカーごとにマザーグースの品質基準であるダウンパワーの下限値が異なっているため、マザーグースの品質ランク幅が広くなっています。

西川(株)の430dpは間違いありませんが、他のメーカーにおいては上記の値よりも低い場合があるかもしれません。

ダウンパワーの違いは採取時期とか精毛工程あるいはグースの種類の違いによるものです。採取時期は晩秋の羽毛が上質でありそのことを説明したラベルが下の写真です。

ハンガリー産マザーグースの羽毛品質が最高の時期に採取されたものであることを説明したラベル

本来のマザーグースの品質は西川基準の93%430dp以上か下記のプレミアムゴールドラベル93%440dp以上と当店では認識しています。

ダウン率とダウンパワーにおいてマザーグースの冠は付くが品質はグース並かそれ以下の羽毛があります。

ゴールドラベルとの関係

日羽協に加盟しているメーカーのマザーグースの羽毛布団の場合は、ロイヤルゴールドラベルかプレミアムゴールドラベルのどちらかが添付されることになります。

日羽協に加盟しているメーカーのマザーグースの羽毛布団につくロイヤルゴールドラベルとプレミアムゴールドラベルの写真

プレミアムゴールドラベルが付いていればマザーグースの羽毛布団だと勘違いしないで下さい。このラベルは440dp93%以上の条件を満たせばグースとかダックの羽毛布団にも付きます。

勘違いしやすい商品説明の例をあげると「プレミアムゴールドラベル付きマザーダウン」です。このマザーダウンはほぼマザーダックダウンです。

プレミアムゴールドラベル
プレミアムゴールド羽毛布団

日羽協がダウンの品質基準を4ランクに区分した最高ランクのラベル!マザーグースとは限りません。...

マザーグースダウンの産地ポーランドorハンガリー

マザーグースダウンの主な産地を人気ランキング順に並べると、ポーランド、ハンガリー、ドイツ、ロシア、ウクライナ、カナダ、中国などがあります。

国策事業としてグースの品種改良を重ねてきたポーランドとハンガリーのマザーグースは高評を得ています。飼育場の自然環境・気候の違い・飼育方法・精毛工場の設備により品質差がでます。

マザーグースダウンの主な産地の地図・赤いラインは北緯50度

一般的に寒さが厳しく温暖差が大きい地域で飼育された鳥の羽毛は上質です。

上の地図はマザーグースダウンの主な産地を表しています。赤い線は北緯50度ラインであり北極点に近いほど寒さは厳しくなります。ポーランドやハンガリーは、日本の北海道よりはるか北に位置しているため厳しい寒さであり良質のマザーグースダウンの産地です。

ダウン率とダウンパワーが同じ羽毛でも、産地間での品質格差により価格差が生まれています。具体的には、ポーランド産ホワイト・コウダ種とかハンガリー産ゴールデン種より中国産マザーグースダウンが安く取引されています。

マザーグースダウンの産地についての質問で多いのは、「ポーランドとハンガリーではどちらの羽毛が良いのか」というものです。答えは優劣付けられません。知名度の点ではややポーランドです。

羽毛の産地について詳しくは下記サイトをご覧ください。

羽毛の産地ロゴ
ダウン羽毛の産地

ポーランド、ハンガリー?産地はどこがよいのか?寒い地域の産地のものが保温性に優れています。耐久...

羽毛のトレーサビリティ

羽毛の産地が解るj-tasラベル

最近は、羽毛の産地に関してトレーサビリティが簡単に解るJ-TASラベルが付いた羽毛布団も出はじめています。

羽毛の出所が明確なマザーグース羽毛布団は購入する際に安心感があります。

羽毛布団を購入する際は羽毛の産地国名をチェックして下さい。依然として偽装問題はなくなっていないと感じます。

マザーグースダウンの出所

ポーランドのアニメックス(animex)社、ハンガリーのFBZ社等では採取した羽毛の各袋には下の写真の様にidタグが付けられていて、どの農場で何時採取されたものかは瞬時に解り徹底したトレーサビリティが行われています。

当サイトの筆者がハンガリーFBZ社訪問時に精毛工場に保管中の精毛前の羽根・idナンバーで管理されている様子を撮影した写真

ポーランドのanimex社とかハンガリーFBZ社等の精毛会社名が記載されているマザーグースはより信頼度が増します。

精毛会社からの輸入ルートにおいても違いがあります。西川(株)などはanimex社とかハンガリーFBZ社から直輸入(貿易手続き上のため商社は介在)するルートも持っています。高級羽毛布団にはこれらの直輸入された羽毛を使用しています。

産地表示に例えばマズルカ(mazurka)とかジーリン(Jilin)などの地域とか都市名が記載されている場合は「国名」を調べて下さい。マズルカはポーランドでジーリンは中国です。おすすめの産地はポーランドとハンガリーです。

ポーランド産とかハンガリー産と産地表示をするだけでなく、animex社とかFBZ社と記載されているマザーグース羽毛布団の方が上質であり値段は高く設定されています。言いかえれば産地表示だけの場合には安売りされている場合があります。

産地別のマザーグース羽毛布団は全てダウンパワーは430dp以上です。実際はローズ羽毛ふとんの430dpは440dpと評価できます。

次章で説明をしますが、長年の経験知から言えることはこの品質が本来のマザーグースダウンの寝心地が味わえる下限条件と感じています。

ホワイトマザーグースとシルバーの違い

羽毛の色にはホワイト、シルバー(グレー)、ブラウン系があります。有名なポーランドのホワイト・コウダ種は言うまでもなくホワイトグースです。ハンガリーのホワイトグースのゴールドグース種などは有名です。

色による品質の違いはほぼありません。産地により羽毛の色に特徴があり、ポーランドはホワイトグースでハンガリーはホワイトグースとシルバーグース(ほぼ白色)の両方があります。中国のシルバーグースは茶色に近い色です。

私の30余年の経験知から言えることは、ホワイトマザーグースと比べると野生種に近いシルバー系の方がやや耐久性が良いと感じます。

ホワイトマザーグースの品種改良がポーランド・ハンガリーで進められた理由は、ホワイトが両国において国旗に使われることからも解りますが国民色であることも関係しているからでしょう。日本においてもホワイトは純潔のイメージがありホワイトマザーグースが人気です。

色以外同品質でもホワイトマザーグースがシルバー系より人気があり値段はやや高い傾向です。西川(株)においてはハンガリー語のFEHÉRLIBA(白いガチョウ・ホワイトグース)を高級羽毛布団のブランドにして、なかでも高級ランクの製品にはホワイトマザーグースを使用しています。

ホワイトマザーグースの中にも下の写真の様に猫のタマの様に一部茶色い羽根・羽毛を有する鳥が存在します。

この鳥の羽毛がホワイトマザーグースダウンに混じると、生成りの側生地の場合透けて斑点が見える場合があります。この様なケースは不良品とは言えません。

ホワイトマザーグースの中にも猫のタマの様に一部茶色い羽根・羽毛を有する鳥の写真。撮影はポーランド・マザーグース農場
ダウンカラー
羽毛の色の違い

ホワイトグースとシルバーグースどちらが良いのですか?というご質問があります。結論から言えば、色...

羽毛の耐久性の違い

マザーグースダウンは、中心部の核が大きく採取方法も丁寧なため羽毛が傷つきにくく耐久性に優れています。

耐久性の違いを解り易くするため羽毛以外の仕様を同じにして、95%430dpマザーグースと93%410dpグースの2種類の羽毛布団が下の写真です。

当店が企画し西川とコラボして、マザーとグースダウンの違いだけで側生地も内部のキルト方式も同じ2枚の羽毛布団の写真

仮に95%430dpの羽毛布団だけを使用してダウンパワーが摩耗により410dpまで下がったと仮定します。その時点でのダウンパワー性能は片方の410dpのグースと同じになり、それまで使用した期間はグースより長く使用できたことになります。

つまりマザーグースダウンはグースダウンより耐久性に優れいる証です。

羽毛のリカバリーパワー

初期のダウン率とかダウンパワー等のフィーリングパワー値が同じでも、乾燥した気候のポーランドとかハンガリーなどヨーロッパ産と湿気の多いアジア産の羽毛ではヘタリ具合に少し差があると言われています。

ハンガリーのFBZ社では、羽毛のヘタリにくさのことを「リカバリングパワー」と説明しています。

ポーランドとかハンガリー産のマザーグースはコシがあり耐久性にも優れているため市場価格が高くなっています。

リカバリーパワーは、飼育の気候環境と深い関係があるため羽毛の産地間格差の要因の1つと言われています。

羽毛布団の寿命
羽毛布団の寿命

ふとんの寿命は、買い替えを検討されたタイミングかもしれません。使用期間は10年から15年ぐらい...

マザーグース品質を3つにランキング

通販サイトなどで「羽毛布団 マザーグース」と検索すると激安のお値段のものから幅広くあり迷うことでしょう。

マザーグースダウンの品質はダウン率とダウンパワーの数値により下図の様に3分割にランキングしました。

マザーグースダウンの品質ランクをダウン率とダウンパワーの指標で3ランクに分割した図
  • 93%・430dp未満のAランクは通常グースと同じぐらいの品質です。
  • 93%~95%・430dp~440dpのAAランクは、マザーグースらしさが感じられる保温力・温度調節機能に優れた品質です。
  • 95%・450dp以上の3Aランクは、超高級羽毛布団と言える寝心地を生み出す品質です。このランクには最高級の羽毛を手選別した最高ランク500dp以上のダウンもあります。

30余年羽毛布団に携わってきた経験から申し上げると、西川品質93%430dpは「マザーグース」の冠をつける分岐点だと感じます。

93%と95%の2%の違いは正常なダウンボールの割合の違いでもあり、羽毛の保温力と温度調整性能の違いと耐久性の違いとして表れます。

マザーグースとグースの違い

簡単に言うと、マザーグースとグースの違いは飼育期間の違いによるダウンの成熟度の違いです。

現状のグースの飼育期間は以前22週~23週であったものが16週~18週と短くなっています。飼育期間が短くなった分はダウンの成熟度にも表れ1年以上飼育されているマザーグースとの品質差が広がっています。

ダウンボールの断面イメージを表したのが下図です。左のマザーグースのダウンは、右のグースと比べると羽枝が長く本数も多く密生度が高い特徴があります。

グースとマザーグースのダウンボール大きさと羽枝の密度の違いを比較したイメージ図

イメージではなく手選別で選りだした現物のマザーグースのダウンボールの写真を掲載します。

手選別したマザーグースの直径5.5cmの大きなダウンボール

ダウンボールの大きさを硬貨に例えると、ダックダウンは1円、グースダウンは100円、マザーグースダウンは500円硬貨のサイズぐらいです。

写真の様に手選別した上質のダウンの大きさは、羽枝の両端の長さは500円硬貨の2倍以上の直径5cm以上のものがあります。

放射線状にのびた羽枝に均等に小羽枝が生えて中心部はより密になっている状態です。

ここで重要なことをご案内します。マザーグースのダウンボールは大きく密と説明をしましたが、羽毛自体は熱を吸収しますが羽枝などの羽毛自体が熱をためているのではありません。

羽毛は蓄熱材と言うより防風林のような断熱材として働き熱をためています。マザーグース羽毛布団のレビュー「軽くてほんわか暖かく羽毛は量より質だ!」の意味を具体的に次章にて説明します。

マザーグースダウンの保温力と温度調節機能

グースとの違いをご理解いただくために重要なので、羽毛布団が蓄熱したり放熱する仕組みを案内します。布団内部の温まった空気(熱)が対流して布団表面から放熱する様子を表したのが下図です。

羽毛布団の蓄熱放熱の仕組み表すイメージ図

この温まった空気の対流を如何にコントロールするかが羽毛の品質ランクの違いです。

羽毛は羽枝の隙間を閉じて暖かい空気の流れをさえぎり蓄熱して、温まりすぎると羽枝を開き空気を対流させて放熱します。

因みに蓄熱のため羽枝を閉じダウンボールは小さくなるため蓄熱時は布団の厚みは僅かに薄くなります。

マザーグースとグースのダウンボールの断面図を比較してマザーグースのダウンボールの大きさと羽枝が密である様子を表すイメージ図

マザーグースはグースと比べてダウンボールが大きく羽枝が密で羽枝間の隙間が狭いため、グースダウンより少量で空気(熱)の対流を抑えるので保温力に優れます。

羽毛が少量でも暖かいマザーグースダウンの羽毛布団は軽くなります。羽毛が少量であるため布団内部が過密にならず、羽枝の開閉がスムーズにできるため温度調節に優れ適温に保ちます。

ダウンの保温力と温度調節機能の違いが羽毛布団ではどのような違いとして表れるかを説明します。

ダウンの種類と快適使用温度域

羽毛布団の快適使用温度域とは、寝室の温度変化に対応して羽毛が蓄熱したり放熱したりして寝床内を適温に保てる上限と下限温度の幅のことです。

マザーグースの快適使用温度域を仮に下限温度が0℃から上限温度20℃とすると、グースでは5℃から19℃の温度域しか快適な寝床にできないとイメージ頂ければ保温力と温度調節性能の違いをご理解頂けると思います。

マザーグースとグースの各羽毛の快適使用温度域の比較イメージ図

グースの保温力を上げるには充填量を増やせば可能ですが、増量は重くなるのと羽毛が過密状態、例えるなら満員電車で手足が動かせない状態と同様に羽枝の開閉がしにくく温度調節の反応が遅くなります。

マザーグースの羽毛布団は、単に暖かいだけでなく快適使用温度域が広く温度調節機能に優れていて快適で軽いのが特長です。

マザーグースダウンはグースと比べ、強力な保温力があり少量でも暖かいため軽く素早い温度調節ができることです。

更にダウンボールの核も大きく丈夫で耐久性に優れている特徴もあります。

ただし、上記の3ランクに分けたAランクのマザーグース以上の品質性能を持つ通常グースも存在します。このことを踏まえてマザーグースの価格と品質を見比べて下さい。

マザーグース羽毛布団の価格

マザーグースダウン品質を3ランクに分けましたが、羽毛布団の価格もダウン品質に応じて基本的に3ランクに分けられます。

  • Aランクの値段はグース並でAAランクの底値に近い値段です。
  • AAランクの値段は100,000前後ですが2022年のダウンの値上がりでさらに高くなっています。
  • 3AランクはAAランクの平均的な値段の2倍以上です。

マザーグースをふくめ羽毛布団の品質ランキングについては下記ページをご覧ください。

羽毛布団のランクと相場
羽毛布団のランクと相場価格

布団の寝心地を5分類!購入を後悔するものから早く購入しなかった事を後悔するものまで。価格は?...

しかし、本来マザーグースダウンの量はグースと比べて少なく値段も高いはずなのに、通販サイトなどで「羽毛布団 マザーグース」と検索すると安い製品があります。

安さの訳を説明する前にグースダウンとの量の差を案内します。

羽毛の採取量と布団の価格

ポーランドのホワイト・コウダ種のグランドマザーグースを頂点としてマザーグース、グースへとピラミッド状に末広がりに飼育数が多い様子を示したのが下図です。

ポーランドのアニメックス社のホワイト・コウダ種のグランドマザーグースとマザーグースとグースの飼育システム

飼育数はグランドマザーグースは極僅かでありマザーグースも多くはありません。飼育数の違いは下の2枚の写真を見比べることで解ります。

ポーランドのマザーグース飼育農場訪問時に、農場主より飼育年数毎にブロックを分けて飼育している説明を受けたマザーグースの写真

上がマザーグース下がグースの農場の写真です。

飼育数がマザーグースと比べて遥かに多いグース農場の写真、ポーランドで筆者撮影

マザーグースとグースの鳥の割合は採取ダウン量と比例しています。マザーグースダウンの量はグースの1割以下です。

市場には寝具店が驚くほど安く販売されているマザーグース羽毛布団があります。なぜ安いのかをこの道30余年の店主の目でチェックした結果をご案内します。

羽毛布団マザーグースが激安の理由

本来高級品との評価を受けているマザーグース羽毛布団が安く販売される理由をリストアップします。購入時のチェックポイントでもあります。

  • 1. 通常グース並みの430dp未満のAランクのダウンを使用している。手選別後に残ったダウンの可能性も?
  • 2. AAランクのダウンだが羽毛の充填量が少ない。
  • 3. 布団の側生地の素材がポリエステル繊維かその比率が50%以上である。
  • 4. 海外生地を海外縫製した日本製。
  • 5. メーカー名の記載がどこにもない。あるいは信用力が低いメーカー製である。
  • 6. 羽毛の産地国は同じでも仕入れルート・精毛会社が異なる。

安く売られている理由をいくつか紹介しましたが、ひとつの理由とは限らず複数組み合わされて安くなっているのが現状です。上記リストにはありませんが「偽装」の可能性も否定できません。

30余年の経験から申し上げる私感ですが、Aランクの製品説明においては「マザーグースを特別価格にて・・」はマザーを除いて「マザーグースを特別価格にて・・」と読み替えると製品の本質が見えます。

項目ごとに詳細に説明します。1番目のAランクのダウンが安いのは当たり前なので割愛します。

アウトレットのロゴ
アウトレットの羽毛布団

お客様からのアウトレット品の問い合わせで、西川の決算期に生産過剰による在庫処分特価品が少なくな...

羽毛品質と充填量

標準的な充填量は、93%430dp~440dpのマザーグースの場合はシングルロングの羽毛布団は1.2kg(ダブルは1.6kg)です。充填量を少なくするには3Aランクのダウンを使う必要があります。

ポーランドのコウダ・ヴィエルカ国立動物飼育科学研究所の管理下で飼育されているホワイト・コウダ種のマザーグースのラベル

実例をあげるとポーランドのコウダ・ヴィエルカ国立動物飼育科学研究所の管理下で飼育されているホワイト・コウダ種のマザーグース(通称ホワイト・コウダ)とか、手選別した羽毛は450dp以上あります。

これらの羽毛なら充填量はシングルで1.0kgから1.1kgと少量でも十分な保温力があります。

ただ単に安売セールのためコストダウンを目的に充填量を少なくしたり、合い掛け布団と肌布団の2枚組で使用するツインダウンは布団の重さの問題で羽毛量を少なくする場合があります。

購入時にはダウンパワーに応じた羽毛充填量かを調べてください。

側生地羽毛品質と購入時の注意点

マザーグースの特性を活かすには、側生地は軽くて柔らかで吸湿性に優れた綿素材がオススメです。綿素材でも糸番手とか単糸・双糸・精紡交撚糸などの糸の紡ぎ方、さらにサテンとかツイルなどの生地の織り方により品質特性が異なり価格差があります。

綿の側生地素材の品質条件は、単糸では80番~100番手、双糸では140双糸~200双糸、精紡交撚糸360t以上のサテン織りで日本製の側生地を選ぶことをお薦めします。

日本製羽毛布団との商品説明だけでは、側生地が国内で仕上げられたものか否かは解りません。同じ品質指標でも国産が概ね優れています。

安く販売されているマザーグース羽毛布団は、側生地素材がポリエステル100%あるいはポリエステルの割合が多い可能性があります。

ポリエステルの側生地は軽いため、ダウンパワーの低いマザーグースを通常より少ない充填量でもボリュームがでるため見た目にも高級感があるので注意ください。ポリエステルの側生地は蒸れ感がでやすいのが難点です。

羽毛布団の側生地品質についての詳細は下記ページをご覧ください。

羽毛布団の生地素材
羽毛布団の生地素材

側生地の素材は、超長綿、シルク、合繊等があります。素材ごとに、肌触り、柔らかさ、軽さ、吸湿性、...

日本製マザーグース羽毛布団の価格差

「羽毛布団 マザーグース 日本製」の条件を満たす布団の製造工程は全工程が国内とは限りません。

日本製のマザーグース羽毛布団の実情は、海外生地を海外縫製して国内で仕上げる製造工程は珍しくありません。これが同じ品質指標なのに安いマザーグース羽毛布団のカラクリです。

「国産生地・国内縫製」の記載かオールジャパン認証制度のJ∞QUALITYラベル(下の写真)が無ければ純日本製でないと判断すべきです。

国内製造にこだわりオールジャパン認証を受けた製品に付くJ∞QUALITYラベルの写真

上記の記載がなくても、3Aランクのマザーグースダウンとか別格の側生地を使用している場合は純日本製の羽毛布団の可能性は大です。

高級羽毛布団の製造工程が国内であることは、製造コストの問題だけでなく品質の違いがあることの証明です。

また、プレミアムゴールドラベルが付いていても全ての製造工程が国内とは限りません。製造工程について詳しくは下記サイトをご覧ください。

純日本製羽毛布団
純日本製羽毛布団の見分け方

海外製の生地を海外で縫製して、国内で吹き込み縫合すれば日本製であり国産品として流通しています。...

布団メーカーの信頼度と価格

マザーグースの定義が各メーカーにより異なっていることは、許容誤差に対するメーカーの認識も異なっていることです。

鳥種混合率10%未満であれば日羽協の条件はパスします。許容誤差10%は品質差が大きく出ます。この誤差をいかに小さくするかはメーカーの経営理念によると思います。

購入される際には羽毛布団メーカーの信用力に注意下さい。安心なのは価格が高いかも知れませんが、西川(株)・山甚物産(株)など有名ブランドの羽毛布団です。他にも知名度は低くても良い製品を製造しているメーカーもございます。

西川ブランドの中でも京都西川(株)の羽毛ふとん担当者は、「マザーグース430dpのラベルを付ける場合は社内での平均測定値は440dp以上です」との説明を何回もしていました。この様に許容誤差を認めないメーカーもあります。

マザーグースとグースの飼育割合とか輸入統計資料と比較して、市場にあるマザーグースの羽毛布団の数と製造原価を考えると低価格の製品は偽装が心配です。

通販サイト等でマザーグースの羽毛布団を購入時には、メーカー名の記載の有無とメーカーの信用力を調べて下さい。

シングル440dp1.2kg充填の羽毛布団において、鳥種混合率10%のダウンの量は500mlのペットボトル240本~260本分に相当します。

日羽協は経済産業省の認可団体であり、加盟していることはメーカーの信頼度の指標のひとつと言えます。

また西川(株)のマザーグース品質の基準である430DP93%以上の値は、メーカーの信頼度の判断指標になると店主は考えます。

おすすめ羽毛布団メーカー西川・山甚物産
羽毛布団メーカーでの選び方

おすすめメーカーは西川ですが知名度は低くても良い会社はあります。しかし社名だけで品質を聞くに及...

アニメックス社
ポーランドAnimex社と西川羽毛ふとん

西川ポーランド産マザー・グース羽毛布団の人気の理由は、アニメックス社より直輸入の羽毛を充填。...

ポーランド産マザーグースダウン(ホワイト)93%430dp西川羽毛布団日本製シングルロングの写真

西川株式会社(京都西川)のシングルロング羽毛布団。ポーランド産ホワイトマザーグース羽毛布団、アニメックス社の上質ダウン93%430dp1.2kgを使用。側生地は日本製80超長綿。立体キルト方法は国内にて縫製したハイマチ密閉キルト。純日本製の西川マザーグース羽毛布団!

値段は、143,000円(税込み)オススメポイントは、ハイマチ密閉キルトの保温力と耐久性!

詳細情報・ご購入

ハンガリー産マザーグースダウン95%430dp西川羽毛布団日本製シングルロングの写真

メーカーは西川株式会社(京都西川)、150cm×210cm 、シングルサイズSL。ハンガリー産マザーグース羽毛布団95%430dpを1.2kg充填2層立体キルト。ハンガリー産マザーグース95%430dpは、西川社内でのダウンパワー測定平均値は440dp以上であり抜群のボリューム!生地は日本製の80超長綿で綿100%です。

値段は、94,723円(税込み)。オススメポイントは、2層のマザーグースの保温力!

詳細情報・ご購入

羽毛布団マザーグースの寝心地を探求

寝心地は寝室温度とか暑がり寒がりと言った個人の体質にも関係します。羽毛布団の場合は上記の通り羽毛の品質と量も関係しますが、お客様の口コミの「軽くてほんわか暖かく」の様にお休み頂くためには、側生地とキルト構造と布団サイズも寝心地と密接な関係があります。

側生地、キルト構造、サイズについての詳細な情報は下記のページをご覧ください。

羽毛布団の生地素材
羽毛布団の生地素材

側生地の素材は、超長綿、シルク、合繊等があります。素材ごとに、肌触り、柔らかさ、軽さ、吸湿性、...

羽毛布団の内部構造キルト
羽毛布団のキルト構造

キルト方式・内部構造には色々なパターンがあります。保温性を重視したタイプ、軽さを重視したタイプ...

羽毛布団のサイズ
羽毛布団のサイズ

お二人の場合は大きい方に合ったサイズがおすすめ!ダブルよりクイーンとか大きいサイズを選んで下さ...

また、マザーグース羽毛布団の軽さを活かすには、布団カバーの素材と品質も選ぶ必要があります。カバーの選び方については下記ページをご覧ください。

羽毛布団カバー
羽毛布団カバーの選び方

布団にはカバーが必需品です。汚れ防止以外にも花粉・ダニアレルギー対策にはカバー選びが重要です。...

羽毛布団に30余年携わってきた店主のおすすめは、西川をはじめ信頼できるメーカー製であり、ダウンは西川品質の430dp93%以上で、国産の側生地、生地素材は綿、できれば80サテン以上の上質の超長綿を使い国内縫製での立体一層キルト(寒がりとか寝室温度が低い場合は2層・3層キルト)の羽毛布団です。こちらが当店のマザーグース羽毛布団売り場です。

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羽毛布団の選び方

良し悪しの基礎知識を基にダウンと生地と内部構造を調べます。しかし品質表示の行間を読まないと安心...

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