マザーグースの羽毛布団

マザーグース羽毛布団

グース農場

羽毛布団の人気はグース(鴨goose)羽毛の保温力にあります。グースの中でもマザーグースの羽毛は保温力と温度調節機能に優れています。どのように良いのか?まずマザーグースとはどのような鳥なのかを説明して、一般的なグースとマザーグース羽毛の違いと購入時の注意点についてご案内いたします。

目次

マザーグースとは

マザーグースは、食肉用に育てるグースの卵を産卵する親鳥のことです。マザーと言っても雌鳥だけでなく、孵化するには雄と雌の両方の存在が必要です。雄雌の割合はポーランドのアニメックス社では雌4羽に雄1羽の割合です。

マザーグースの飼育期間は1年から4年と言われています。1年未満はマザーグースの範疇に含まれないことになります。十分に成長した親鳥と言えます。通常のグースの飼育期間が16-18週間であるのに比べて長期間飼育されています。その為、体の大きさだけでなくダウンボールも大きくなります。

マザーグースの人気の訳

マザーグース マザーグースダウンは、核がしっかりとした大きいダウンを選び、基本的に手摘みにより一粒ずつ丁寧に採取されます。ダウンボールが大きいと、空気を多くのたくわえ熱を逃がさないため保温力に優れます。核が確りとしたものを手摘みしているため、ダウンボールの損傷も少なく耐久性に優れた高品質の羽毛です。特に10月11月頃に採取されたダウンは、冬に向かっての羽毛であり保温力に優れた高品質の完熟マザーグースダウンです。羽毛布団を選ぶ際には採取時期に注目して下さい。

高級羽毛布団にはマザーグース

高級羽毛布団の選び方のキーワードの一つはマザーグースです。このダウンを充填すると軽くて暖かく耐久性に優れた羽毛布団になります。また、マザーグースダウンは多くの羽枝を温度変化に応じて開閉して温度調節を素早く行います。温度調節機能に優れているため寒暖差が激しい秋口とか春先に快適な寝心地が得られます。

マザーグースとグースの違い

マザーグースとレギュラーグースの違いは、飼育期間の違いによるダウンボールの大きさ(羽枝の長さ数)の違いです。マザーグースはダウンボールが大きいので少量で保温力が確保できます。

羽毛布団での寝心地の違い

マザーグースは寝室の温度変化域がグースに比べて幅広く対応でき、温度変化に素早く対応できるため快適な羽毛布団に仕上がります。レギュラーグースで同じ保温力を持たせるには少し増量しなければなりません。しかしその分重くなるのと温度変化に反応する速さが遅くなります。

マザーグースとグースの耐久性

マザーグースは飼育期間が1年以上でありグースの16-18週と比べ長いため、ダウンの核の成熟度が高く耐久性に優れています。また丁寧に採取されたマザーグースダウンは傷が少なく耐久性に優れます。

レギュラーグースには、マザーグースの手前の段階において採取されたダウンがあります。十分に親鳥に成長したグースから採取されたダウンはタウンパー440dpもあり得ます。このグースダウンの品質はほぼマザーグースです。このクラスのグース羽毛は価格がお手頃で品質が良いのでお勧めです。

マザーグースのランク

マザーグースならば高級羽毛布団であるとは限りません。ダウンパワー値とかダウン率の違いによりランクがございます。

羽毛の色の違い

羽毛の色については、ホワイトもあればシルバー系、茶系と様々です。色による保温力の差は有りません。表示はホワイトとかシルバーと記載されます。ただし、羽毛布団に付いている品質表示票には、マザーグースでも「マザー」の文字がなく「詰め物グースダウン」と表示される場合が多くあります。耐久性は、野生種に近いシルバー系が僅かに優れていると言われています。

マザーグースのダウンパワー

マザーグースと表示をしているが、ダウンパワー値を見るとレギュラーグース並の羽毛布団も見かけます。当店の基準ではダウンパワー値は430DP以上と考えていますが、430DPに満たない品質でもマザーグースの表示をしているものも見かけます。

マザーグースの採取時期

マザーグースの採取時期により保温力に差がでます。晩秋に採取されたものは冬用のダウンです。また、冬を越した後に採取されるダウンもダウン量も多く高品質です。ただし真冬の間は屋内での飼育のため、ホワイトダウンは少し色がくすみがちです。

羽毛の枝羽の構造は樹木に似ています。晩秋のダウンの枝羽の状態は樹木で言えば葉を沢山付けた状態です。夏に取れたダウンの枝羽は樹木が冬に葉を落とした枝だけの状態を想像して下さい。夏ばての影響からかダウンの量も少なく品質的も低下しています。採取時期もマザーグースの品質に関係します。

例えば、上質のダウンを選別した後に残ったダウンはダウンパワーも低くなっています。この残ったダウンは「マザーグース」とは言えないと思います。あるいは夏季に採取されたダウンもランクが低いものです。羽毛布団を購入する際はダウンパワー値もチェックして下さい。

リンケージダウンの羽毛布団

スティッキーダウン

マザーグース中でも、ダウン同士が絡む特性をもったものをリンケージダウンと言っています。絡むことでダウン同士の隙間がなくなりより保温力が増します。ポーランドとかハンガリー産の上質のリンケージダウンは、ごく一部の限られた量しかありません。リンケージダウンの冠をつけた低品質の羽毛布団もあるので注意して下さい。

グランドマザーグース

ホワイトグース

DNAの保存のため純血のグランドマザーグースが存在、この鳥の卵からマザーグースは生まれます。この鳥からとれたダウンの羽毛布団は別格です。たしかにグース農場には、ホワイトグースのはずなのに茶色い羽根が混じったグースもいます。人のほくろのような存在と思います。

マザーグースの産地

羽毛の産地は、順不同にポーランド、ハンガリー、ロシア、ウクライナ、カナダ、中国などがあります。マザーグースダウンは産地国を表示されています。飼育場の自然環境・地理的位置による気候の違い・飼育方法により品質差がございます。同じダウン率、同じダウンパワーでも原毛価格に差があります。市場原理で決まった価格差は品質差と言えます。

具体的には、ポーランド産とかハンガリー産のマザーグースより中国産が安く取引されています。この差について大手の羽毛供給会社の説明を要約すると、羽毛布団の使用期間が長いことを考慮したときに違いがでるためとのことでした。

よくある質問に、ポーランド産とハンガリー産のマザーグースではどちらが優れているのか?答えはどちらとも言えません。厳密にはグース種は違いますが両国とも国産事業として品種改良に取り組んでいます。この2国においては、産地国での優劣より精毛工程の違いを比べて下さい。具体的にはダウン率とかダウンパワー値の差で優劣を判断することなります。ただし、メーカーの信頼度も合わせて考慮して下さい。

ポーランド産(アニメックス社)、ハンガリー産(FBZ社)は有名です。

マザーグースのトレーサビリティ管理

2010年以降は羽毛の産地に関して、トレーサビリティ管理を厳しくするメーカーが増えたように感じます。西川(株)の羽毛ふとんにおいてはトレーサビリティが明確でないダウンはマザーグースの表示しない様になっています。基本的に「ダウンパス」のラベルはつきません。例えダウンパワーが440dp以上であろうと飼育農場が明確でないものはレギュラーグースの扱いとのことです。

マザーグース羽毛布団の注意点

羽毛布団のラベル等に素晴らしい品質のマザーグースと記載されていても、中身が説明どおりであるかは寝具店でも確実に見分けるのは難しいものです。判断基準にメーカーの信頼度も含めていることは当店だけではないと思います。羽毛布団をネット通販で購入される際には注意下さい。

安心なマザーグース羽毛布団

信頼できるメーカーの羽毛布団であるか否かが選び方の第1条件になります。当店もオリジナル品を発注しますが、発注できるメーカー(山甚物産(株)、西川(株)、他)は限られています。安心して購入するためには、やはり信頼できるメーカーに絞り選ばれることをお勧め致します。メーカー名の記載が無いものは論外です。

マザーグースの鳥種鑑別混合率

鳥種鑑別混合率とは、グースダウンの中にダックなどの別の種類のダウンが混入している比率のことです。本来は100%であるべきですが混入している場合があります。

日本羽毛製品協同組合(日羽協)では許容範囲を10%未満としています。西川(株)の羽毛ふとんにおいてはレギュラーグースの場合7%以下であり、マザーグースの場合だと許容範囲を1%以下としています。なぜこの様なルールが寝具業界に存在するのか?偽装の文字が浮かびます。

マザーグース羽毛布団の充填量

マザーグースダウンは確かに保温力に優れています。少量でも暖かいとの説明も間違いではありません。しかし、ダウンパワー値430DP-440DPのグースダウンの場合ですと、通常はシングルで1.2kgの充填量です。ダウン率とダウンパワーが上質のグースでない場合は、シングルの充填量を1.1kgにすることは少ないと思います。

確かにコウダ種のマザーグースとか、手選別を繰り返し行った上質羽毛は少量でも十分な場合がございます。例えば、ダウン率97%470DPのグースダウンを充填する場合などはシングルですと1.0kgで十分です。ダウンの品質に応じて適量を充填する事ことで暖かくて軽い羽毛布団に仕上がります。マザーグースと表示していれば全て良いものだと考えず、ランクがあることを前提にして選んで下さい。

勘違いするものにマザーが付いているマザーダックとかマザーダウンはマザーグースではありません。商品説明にグースの文字の有無がチェックポイント!

マザーグースとポリエステル生地

羽毛布団の良さは、ダウン品質と側生地の品質さらに内部構造のハーモニーの様なものです。マザーグースを何の付加価値もないポリエステル生地に充填した羽毛布団を見かけますがハーモニーが台無しになっています。高付加価値のポリエステル繊維ならあり得ますが、何の変哲もないポリエステル生地とマザーグースの組合わせは考えられません。

筆者:野口 英輝

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