五感で選ぶ羽毛布団

羽毛布団の選び方について

羽毛布団を買うときに、何を基準にして選べば良いか?寝具業界の人なら添付ラベルと品質表示票の内容である5ポイント程度の業界用語を並べると、その羽毛布団の品質レベルがある程度の想像つきます。例えば「ハンガリーマザーグース、440DP、ダウン率95%、100単超長綿、完全立体キルト」この羽毛布団はハイレベルのものです。しかし、これだけの説明で仕入れることはできません。実際に仕入れる際には五感で羽毛布団を選び仕入れています。

五感で選ぶ羽毛布団

一般的には五感とは、感覚機能の視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をさします。この五感を使い羽毛布団の良し悪しを判断していきます。ここまでお読みいただければ、「味覚」の説明をどのようにするのか??筆者である店主も(^_^;の状態です。

視覚・目で選ぶ羽毛布団

視覚で選ぶとは、最初に気になるのが「柄」ですが、柄は選ぶ項目としては優先する必要はないと思います。まずは、メーカー名のチェックが必要です。羽毛布団の品質レベルを決める最も重要なものは、羽毛(ダウン)の品質です。

しかし、中味のダウンを見ることはできないので、添付ラベルとか品質表示票を信用するしか有りません。偽装の話は珍しくありません。中味のダウンの品質を知っているのは、ダウンを入れたメーカーなのです。まずは、メーカー名を確認する事です。

メーカー名が表示されていて、信頼できるメーカーであれば、添付ラベルと品質表示票の内容をチェックして、羽毛布団のふくらみを見てください。

ネットにて購入される場合は、羽毛布団の画像が自然な状態で撮影されたものか?不自然なふくらみ状態でないか注意して見て下さい。

羽毛布団の品質を表している業界用語の具体的な説明は、羽毛布団の選び方をご覧下さい。上記の業界用語のマザーグースとか440DPの内容が理解できると製品の比較がしやすくなります。

聴覚・耳で選ぶ羽毛布団

聴覚で選ぶとは、側生地の柔らかさです。良い生地ほど「ガバガバ音」が小さくなります。音が小さい側生地は、柔らかくフィット性がよく保温性が良くなります。

ネットにて購入される場合は、糸番手に着目して下さい。羽毛布団に多く使われている生地は超長綿という生地です。側生地が超長綿と記載されている場合は、糸番手が記載されています。単糸の場合60,80,100のように糸番手があります。数字が大きいほど細くなり柔らかくなります。

単糸の範疇には「精紡交撚糸」という糸があります。360t等の表示が有ります。概ね番手でいうと180-200番手の極上の糸です。双糸も同様に数字が大きくなると糸が細くなり柔らかくなります。双糸の場合は200、240、300等の番手になります。単糸の100番手と双糸の200番手はほぼ同じ太さとです。

織り方により多少の違いがございます。ツイル織りはサテン織りに比べるとやや音が大きくなります。音は小さいですがポリエステルと綿との合繊生地の場合において、ポリエステルの比率が大きければ蒸れ感が強くなります。生地素材がシルクになると音は、ほとんどしませんが耐久性は少し劣ります。

感触・触覚で選ぶ羽毛布団

触覚で選ぶとは、側生地の柔らかさとダウンの復元力を感触で確認する事です。良い生地ほど柔らかくフィット性が良くなり保温性が良くなります。側生地に関しては、「聴覚」の場合と同様です。基本的に音が小さい生地ほど、なめらかで柔らかくフィット性に優れています。

触覚の場合の復元力は、手でふとんを押しつけて手をパッと離すと、ダウンは空気を吸い込みゆっくりとふくらんできます。良いダウンを使用しているものほど、復元力はゆっくりとしています。良いダウンの場合はシングルサイズの場合標準で1.2kgですが、廉価版の場合は1.5kg以上入れている場合がございます。ダウンを多く入れた場合は、復元力というより反発力と表現した方が良いぐらい早く復元します。

羽毛布団の実演販売で「この反発力を見て下さい!!」という台詞と共に、ふとんを押しつけて手をパッと離すシーンを、ご覧になった方もいるのではないかと思います。寝具販売店の立場で見ると馬鹿げているとしか思えません。それほどまでに復元力(反発力)があれば、体にフィットせず羽毛布団と体と敷き布団の間で「隙間のトライアングル」ができて熱が逃げて寒いはずです。

ケースに入れた状態で押さえると復元力は強いですが、通常ケースに入れた状態は、折たたんでいるため9枚重ね折りになった状態です。この状態であれば、ほとんどの羽毛布団で反発力があります。このことは、「視覚」で説明をすべきであったことかもしれませんが、惑わされないよう注意して下さい。羽毛布団の復元力は、ケースから出して布団を広げた状態でチェックしてください。

消費者の方が触覚で羽毛布団の良し悪しの区別をして頂くには、2枚から3枚の品質の異なる羽毛布団を並べておいて、羽毛布団の知識と仕入れまたは製造経験のある者から説明を聞きながら、異なる羽毛布団に触れて比べる必要があります。ただ単に触れるだけでは区別し難いと思います。消費者の方には手の感触は区別が難しい部分があります。セールストークによっては、誤った選択肢の可能性も?

ネットにて購入される場合は、羽毛布団に触れられないので、ダウンの充填量とダウンパワー、ダウン率の項目に注意して見て下さい。(次の説明は味覚なので(^_^;;;触覚の説明が少し長くなりました。)

味覚?で選ぶ羽毛布団

いよいよ「味覚」での選び方ですが、どこかのサイトで、「食べておいしい鳥のダウンは良い品質のダウン・・・・」という説明文を読んだ記憶はございます。栄養バランスの良い飼料で育った鳥のダウンは、丈夫であることは確かですが、上質ダウンの代名詞と言っても過言でない「マザーグース」は、ダウンを採取しても食肉にならずミンチ等の加工食品になっています。・・・・いさぎよく「白旗」をあげます。「ごめんなさい。」(^_^;味覚は除外させて下さい。購入前に寝心地を「味わえる」と良いのですが残念ながらそれも出来ません。

臭い・臭覚で選ぶ羽毛布団

臭覚で選ぶとは、ずばり羽毛布団の臭いを嗅ぐことです。品質の悪いダウンは鳥特有の獣臭が強くします。ダウンの洗浄度の問題もございますが、廉価版のダックダウンの臭いが強いケースが多いと思います。未成熟ダウンであったり、洗浄が十分でないダウンが充填されている場合に臭いが強い場合がございます。有名メーカーの羽毛布団でも臭いが強い場合がございます。廉価版の羽毛布団の場合は注意が必要です。

ネットにて購入される場合は、できればグースダウンで洗浄度を明確に表示しているか注視して下さい。羽毛布団の臭いの主な原因は、未成熟ダウンに多く含まれている油脂分が原因です。ダックダウンが臭いの問題は多い傾向にあります。

羽毛布団の臭いは高級品でも少しはします。特に梅雨から夏にかけて高温多湿の季節には少し臭います。夏以外の乾燥した時期でも調香師ならダウンの臭いに気づくかもしれませんが、グースダウンで業界基準の500mm洗浄(洗浄水の透明度)をしていれば、通常の使用には支障はないと思います。

新品の羽毛布団の臭いは、生地素材、染料、羽毛、収納ケースが混ざった臭いがあります。しばらくすると薄らいで来るのでご安心下さい。特に夏から10月上旬までの暑い季節にトラック輸送の高温状態は、ダンボール箱の中で一時的に臭いがこもり強くなりますが、開封して湿度が下がるにつれて和らぎます。

知覚で選ぶ羽毛布団

まだ4感での選び方しか説明できていないことは承知しています。この文章を作成している店主が羽毛布団の仕入れをする場合、もちろん4感は使いますが仕入れるべきか迷うことがあります。迷ったときは、この羽毛布団はお客様に喜んで頂ける価値がある品かどうかを心にもう一度問いかけて、最後は第六感の知覚(勘をも含め)に頼ります。

ただし、知覚には羽毛布団の品質レベルはもちろんですが、メーカーの信頼度、原毛価格の変動、市民感覚での経済状況、世界状況(対ドルレートへの影響、ダウンの産地の情勢)、例えば2014年のウクライナ(ダウンの産地のひとつ)の情勢等々には注視しています。

4感+知覚で選ぶ羽毛布団

消費者の方がネットにて購入される場合は、羽毛布団に対する知識をある程度収集してから、いくつかの候補を選び検討比較されることが良いのではないでしょうか。最後になりましたが少し無理かもしれませんが、いわゆる五感から「味覚」を除いて第六感の知覚を加えた五感で選ぶ羽毛布団とさせて頂きます。

当店が羽毛布団を仕入れる際の注意点をご案内いたしましたが、消費者の方が購入される場合も同様です。いざ購入するとなると惑わされるのが広告の価格です。お役に立てるかどうか判りませんが羽毛布団の価格の謎に迫るのサイトを作りましたのでご案内いたします。

お気に入りの羽毛布団の絞り込みが出来たら、最後にこちらの羽毛布団購入時のチェックリストのページにてチェックしてください。

筆者:野口 英輝

同じ生地で同じ柄の羽毛布団

関連するサイト

羽毛布団はいつからいつまで
羽毛布団、合い掛け布団、肌布団の入れ替えは寝室温度
合い掛け羽毛布団とは
端境期薄手の羽毛布団
ダックとグースダウンの違い
ダウンの価値はグースが6%、ダックは3%
羽毛布団の買い方
羽毛布団の買い方はダイヤモンドと同じ
羽毛布団はどこで買う
羽毛布団をどこで買うか悩みネット検索も嫌になり、デパートの高額なお値段に考え込む