【通販で失敗しない】羽毛布団を五感と知識で見極める方法
通販サイトで羽毛布団を購入する際、実際に手に取って確認できないため、羽毛の臭いや生地の感触や音と言った五感で得る情報がなく品質を見極めるのが難しいと感じる方も多いでしょう。本記事では、通販でも羽毛布団の品質を、視覚・聴覚・触覚・嗅覚の観点から品質表示票や仕様データを読み解く方法をご紹介します。
五感の「味覚」は?筆者も(^_^;の状態です。
目次
視覚で品質を判別
視覚で選ぶ際に最初に気になるのが「柄」ですが、柄は選ぶ項目としては優先する必要はないと思います。
通販サイトの画像や商品説明を通じて、以下のポイントに注目しましょう。
まずは、メーカー名のチェックが必要です。羽毛布団の品質レベルを決める最も重要なものはダウンの品質です。
しかし、中味のダウンを見ることはできないので、添付ラベルとか品質表示票を信用するしか有りません。偽装の話は珍しくありません。中味のダウンの品質を知っているのはメーカーです。まずは、メーカー名を確認する事です。
メーカー名が表示されていて信頼できるメーカーであれば、添付ラベルと品質表示票の内容(羽毛の種類やダウン率、ダウンパワー(dp)などの情報)をチェックして、ふとんのふくらみを見てください。
羽毛布団の実演販売で「この反発力を見て下さい!!」という台詞と共に、ふとんを押しつけて手をパッと離すシーンを、ご覧になった方もいるのではないでしょうか。
寝具販売店の立場で見ると馬鹿げているとしか思えません。それほどまでに復元力(反発力)があれば、体にフィットせずふとんと体と敷き布団の間で「三角の隙間」ができて熱が逃げて寒いはずです。
ケースに入れた状態で押さえると復元力は強いですが、通常ケースに入れた状態は、折たたんでいるため9枚重ね折りになった状態です。この状態であれば廉価版のふとんでも反発力があります。惑わされないよう注意して下さい。
布団の復元力は、ケースから出して布団を広げた状態でチェックしてください。

おすすめメーカーは西川ですが知名度は低くても良い会社はあります。しかし社名だけで品質を聞くに及ばない...
ネットにて購入される場合は、画像が自然な状態で撮影されたものか?ボリュームを協調した状態でないか注意して見て下さい。極端に凹凸感がある場合は、マス目を仕切るマチ布の幅を狭めている可能性もあります。
ふとんの品質を表している業界用語の具体的な説明は下記の羽毛布団の選び方をご覧下さい。業界用語のマザーグースとか440dpの内容が理解できると製品の比較がしやすくなります。

最適な羽毛布団を選ぶには、品質指標の基礎知識に加え、商品説明文の行間を読み解く専門家の知見が不可欠。
聴覚で品質を見極める
聴覚で選ぶとは、側生地の柔らかさです。側生地素材により「ガバガバ音」の大きさは異なります。音が小さい側生地は、柔らかくフィット性がよく保温性が良くなります。
通販では糸番手に着目して下さい。羽毛布団に多く使われている生地は超長綿という生地です。
生地が超長綿と記載されている場合は糸番手が記載されています。単糸の場合60,80,100のように糸番手があります。数字が大きいほど細くなり柔らかくなります。
単糸の範疇には「精紡交撚糸」という糸があります。480t等の表示が有ります。概ね単糸番手でいうと240番手の極上の糸です。
双糸も同様に数字が大きくなると糸が細くなり柔らかくなります。双糸の場合は200、240、300等の番手になります。単糸の100番手と双糸の200番手はほぼ同じ太さです。
織り方により多少の違いがございます。ツイル織りはサテン織りに比べるとややペーパー音が大きくなります。
生地素材でも柔らかさと音の大きさは判断できます。綿素材よりかポリエステルと綿との合繊生地が柔らかくペーパー音もしなくなります。ポリエステルは更に柔らかく音もしなくなりますが蒸れ感が出ます。シルクは音はほとんどしませんが耐久性は少し劣ります。

側生地の素材は、超長綿、シルク、合繊等があります。素材ごとに、肌触り、柔らかさ、軽さ、吸湿性、熱伝導...
触覚・感触を補う着眼点
触覚で選ぶとは、側生地の柔らかさとダウンの復元力を感触で確認する事です。良い生地ほど柔らかくフィット性が良くなり保温性が良くなります。
側生地に関しては、「聴覚」の場合と同様です。基本的に音が小さい生地ほど、なめらかで柔らかくフィット性に優れています。
触覚の場合の復元力は、手でふとんを押しつけてパッと離すと、ダウンは空気を吸い込みゆっくりとふくらんできます。良いダウンを使用しているものほどゆっくりと復元します。
良いダウンの場合はシングルサイズの場合標準で1.2kgですが、廉価版の場合は1.4kg-1.5kg以上入れている場合がございます。ダウンを多く入れた場合は、復元力というより反発力と表現した方が良いぐらい早く復元します。
消費者の方が触覚で羽毛布団の良し悪しの区別をして頂くには、2枚から3枚の品質の異なるタイプの布団を並べておいて、十分な知識がある者から説明を聞きながら、異なるタイプの布団に触れて比べる必要があります。
ただ単に触れるだけでは区別し難いと思います。消費者の方には手の感触は区別が難しい部分があります。
通販では羽毛布団に触れられないので、ダウンの充填量とダウンパワー、ダウン率の項目に注意して見て下さい。
触覚・感触には、布団の重さも含まれます。重さはダウンの充填量・側生地素材・キルト方式が1層か2層・3層かをチェックすることでおおよそ判断出来ます。充填量が多ければ重くなり、側生地素材はポリエステルが軽く次いでシルク、綿の順に重くなります。ただし綿は糸番手が大きいほど軽くなります。2層・3層は上層と下層を仕切る布の分は重くなります。
(次の説明は味覚なので(^_^;;;触覚の説明が少し長くなりました。)

布団の重さはダウンと生地と布団内部の仕切り布です。マザーグースと超長綿とシンプルなキルト。

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味覚での品質を判別
いよいよ「味覚」での判別方法ですが、布団をなめても・・・いさぎよく「白旗」をあげます。「ごめんなさい。」(^_^;味覚は除外させて下さい。購入前に寝心地を「味わえる」と良いのですが残念ながらそれも出来ません。

マザーグースは保温力と温度調節機能が通常グースより優れています。しかし品質ランクには幅があり購入時の...
嗅覚で品質を見極める
嗅覚による判別方法は、羽毛布団のにおいを確かめることです。品質の低いダウンには、鳥特有の獣臭が強く感じられることがあります。
このにおいの主な原因は、未成熟ダウンに多く含まれる油脂分です。油脂分は羽枝の保護や柔軟性を保つ役割を果たすため、完全に除去するのではなく、適切なバランスで残す必要があります。そのため、上質のダウンでも臭いが全くしないわけではありません。
特に低ダウン率の廉価なダックダウン製品では、未成熟ダウンの割合が多く、においが強く感じられる傾向があります。飼育期間の長いグースダウンの方がにおいが少ないとされ、ネット購入時には洗浄度の明示や使用羽毛の種類を確認するのがおすすめです。
有名メーカー品であっても、コスト重視の製品ではダウンの質が落ちる場合があり、においが気になるケースもあります。
また、季節や輸送条件によってにおいが強くなることもあります。特に夏場から10月上旬までの高温期には、トラック輸送中に段ボール内の熱がこもり、一時的ににおいが強くなることがありますが、開封後に湿度が下がると次第に軽減されます。
新品の羽毛布団には、生地素材や染料、羽毛、収納ケースなどの複数のにおいが混ざって感じられることがありますが、多くの場合は時間の経過とともに薄れていくため、ご安心ください。
なお、調香師のような鋭い嗅覚を持つ方であれば、乾燥した季節でもわずかなにおいを感じることがあります。しかし、グースダウンで業界基準の500mm洗浄を施した製品であれば、日常使用に支障をきたすような強いにおいはほとんどありません。

通販では鳥特有のにおいが確認できないため、臭いが少ないグースダウンの製品を選ぶのがおすすめです。
知覚で品質を判別
まだ4感での選び方しか説明できていないことは承知しています。この文章を作成している店主が羽毛ふとんの仕入れをする場合、もちろん味覚以外の四感は使いますが仕入れるべきか迷うことがあります。
迷ったときは、この製品はお客様に喜んで頂ける価値がある品かどうかを心にもう一度問いかけて、最後は第六感の知覚(勘をも含め)に頼ります。
ただし、知覚には品質レベルはもちろんですが、メーカーの信頼度、原毛価格の動向、経済状況、世界状況(対ドルレートへの影響、ダウンの産地の情勢)、例えば2014年や2022年のウクライナの情勢等々には注視しています。
当店のオリジナルの羽毛布団を作る際には、製品自体が企画書の段階なのでいわゆる五感は使えません。メーカーの信頼度、原毛価格の動向、経済状況を知覚により判断して発注する事になります。
4感+知覚で羽毛布団品質を判別
消費者の方がネットにて購入される場合は、羽毛ふとんの知識をある程度収集してから、いくつかの候補を選び検討比較されることが良いのではないでしょうか。
最後になりましたが少し無理があるかもしれませんが、いわゆる五感から「味覚」を除いて第六感の知覚を加えた五感で羽毛布団品質を判別とさせて頂きます。
当店が羽毛ふとんを仕入れる際の注意点をご案内いたしましたが、消費者の方が購入される場合も同様です。いざ購入するとなると惑わされるのが広告の価格です。お役に立てるかどうか判りませんが下記サイトを作りましたのでご案内いたします。

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