ダックダウンとグースダウン

ダックとグースダウンの価値

グースダウンとダックダウンの品質については、色々なサイトでグースダウンが優れていると紹介されています。実際にダウンボールの大きさを比較している写真なども多くあります。また後で説明をしますが羽枝の付き方なども異なります。

ダウンの価値

羽毛の品質の差はどのように違うかは価格に表れます。市場での取引価格に表れることは当然ですが、1羽の鳥の価値を肉と羽毛に分類することでも価値が解ります。ハンガリーのFBZ社にて、1羽のグースの価値においてダウンが占める割合は6%であり、ダックは3%である旨の説明を受けました。鳥の体格の差もありますが、ダウンの価値は品質と置き換えることができます。品質が良ければ価値が高く価格も当然高くなります。

グースとダックは食肉用として飼育されています。上記の6%と3%の差は羽毛の価値の差ではなく、肉の価値の違いだとのご意見もあるかもしれません。しかし、肉の価格に2倍の差はあり得ないと思います。飼育期間もグースが長く鳥インフルエンザのリスクも高くなります。農家としては食肉の価格に2倍の差があるのであれば、グースを飼育せずにダックを飼育するはずです。6%と3%の差は、羽毛の取引価格の差であり人気度の差であり品質の差だと考えます。

グースダウンの6%とダックの3%は、FBZ社の規模からしてハンガリーの平均値と思います。中国産ダックダウンの場合だと成熟度合いなどを考慮すると、市場での評価はハンガリー産と比較すると低くなっていると思います。グース、ダック共にダウンの品質には幅があることになります。

ダックとグースダウンの産出国

ダウンの生産国を聞けば、ダックかグースがおおよそ判る場合もございます。ハンガリー、ポーランド、フランス、カナダ、中国など、例えばフランス産と聞けばダックと思っても間違いは無いと思います。中国産と聞けばおおよそダックと思います。ハンガリーとポーランドについては、ポーランドはグースを主に飼育しています。ハンガリーはダックの飼育割合が多いと言われています。輸入統計資料から判断するに、人気のあるポーランドやハンガリー産のグースダウンを充填した羽毛布団の量は市場に多すぎる感はございます。

ダウンは基本的に食肉の副産物です。そのため食肉需要と大きな関係が有ります。そのため飼育数量は国柄にもよりますがダックが多くなります。 グースダウンに関しては、食肉の副産物としての位置づけだけでなく、ダウンと産卵のために飼育しているケースもございます。

生産国から判断するダウンの品質

最も輸入量の多い中国産ダックについては、中国とダックから連想される言葉はやはり「北京ダック」が1番に出てきます。ダウンとしては、食肉用に短期間で大きく成長させたダックの食肉の副産物と言うことになります。食肉用なので若鶏の肉の需要は多く、生産者の側からすれば若鶏のほうが飼育期間も短く飼料も少なくてすむので若鶏が中心となります。品質としては未成熟の鳥の未成熟なものが多いです。輸入量としては最も多いです。 未成熟ダックダウンは鳥特有の臭いが強いものがあります。

フランス産のダウンもやはりダックが中心になります。ただ中国より飼育期間は長く十分に成長した鳥が多くなります。飼育期間は食肉需要によるものです。品質としては、十分に成長した鳥の副産物なので未成熟なものは少なく、ダックダウンとしてはおおむね上質なランクになります。

羽毛の最大の輸出国のハンガリー産ダウンについては、ダックがグースよりも多くハンガリー産だけでは鳥の種類を断定することはできません。ダックダウンはハンガリーにおいても食肉の副産物です。消費量は隣国の需要にも関係しているため生産量は多くなります。グースの生産量はダックに比べると少ないのが現状です。

最も人気の高いポーランド産ダウンですが、ハンガリーと同様ですがダックの量は食肉需要の関係もありグースより少ない感があります。またポーランドは国家事業としてダウンの品種改良を目的に鳥の交配を研究してきた経緯もあり、ダウン採取に力点を置いたグースの飼育が多いのも理解できます。ポーランド産のダウンはハンガリー産と同様に上質品として人気があります。(ハンガリー、ポーランド産の品質もランクに幅があることをあえて並記いたします。)

上記のことから、体格もダックより優れているグースの中でも、長期(4年程度)にわたり飼育されているマザーグースダウンは生産量も限られているため高価になってしまいます。

マザーグースの人気のためかマザー+ダック+ダウン(当店の私感)

マザーとダウンの文字だけではマザーグースではありません。マザーグースダウンには必ずグースの文字が含まれています。 マザーダウンと記載されている場合はマザー+ダック+ダウンからダックの文字を抜いたものと思います。注意が必要です。中国から輸入されているダックを充填したプレミアムゴールドラベル付きの製品がございます。現物を確認いたしましたが、有名ブランドの製品にはないことを考え合わせると、どうしても販売にはいたっていません。

同じダウンパワー値のグースとダックダウンの羽毛布団の場合、側生地、構造、洗浄度など他の条件が同じならグースダウンをお勧めします。 グースダウンがダックダウンと比べると、ダウンボール内の羽枝が密なので保温力があります。

例えばハンガリー産440dpグースダウンと中国産440dpダックダウンのどちらかを選ぶとなれば、当店では間違いなくハンガリー産440dpグースダウンです。ダックとグースの羽枝の違いと飼育環境等により、耐久性というべきか回復力がハンガリー産が優れているように思えます。

上記の羽毛の評価は、科学的な実証ではなく当店の100%私感です。異なる評価も当然あると思います。 羽毛の品質についてのお問い合わせの中で多い質問に「ポーランドとハンガリーのダウンはどちらが優れているか?」 答えは、ポーランドとハンガリーの国単位でダウンの品質に優劣は付けられず各農場単位で評価は異なります。 羽毛の全輸入量の80%はアジア産のものです。ポーランド産、ハンガリー産のマザーグースは輸入量の1%か2%程度ではないかと思います。

羽毛布団を購入される際には、予備知識を得てから選ばれることをお勧めいたします。上のマザーダウンの様な言葉を見たときに「マザーグース」と思い込み購入してしまったと言うケースも出てくると思います。当店ではニュートラルな視点からの羽毛布団の選び方としてサイトを作成いたしました。ご参考にして頂ければ幸いでございます。

グースとダックのダウンボールの構造

ダウンボールの構造は、木の幹と枝の様な構造になっています。グースとダックのダウンボールにおいては、この枝の付き方と太さにに違いがあります。グースの構造は、まんべんに枝分かれがしていますが、ダックにおいては枝別れが先端に集まる傾向があります。内部が空洞化しているような状態です。枝の太さはダックが太くグースが細くてしなやかです。この太さは張りの強さを意味します。内部が空洞で張りが強ければダウンパワー値は高くなります。しかし空洞化は暖かな空気を貯めることにおいては劣ることになります。毎日使う羽毛布団においては、寝返り等の際にダウンボールは押しつぶされています。しなやかさがなければ枝が折れることになります。耐久性において劣ることを意味します。

グースダウンとダックダウンの私感

上記のグースの6%とダックの3%の価値であることを思い出して下さい。この割合の数値は平均値であり、価格(品質)には幅があるとご理解下さい。肉の価値が同じだとするならダックダウンはグースダウンに比べて半分の価値になります。このことはダウンの取引における人気度だと考えられます。以上のことから羽毛布団に使用されているダウンは、基本的にはグースダウンが第一であり、製造コストを抑えるためにダックダウンが代用品として使用されているのではと考えます。価格は品質に基づいたものと考えられるため、やはりグースダウンの羽毛布団をお勧めします。