「買い替えるべき?」その前に!羽毛布団の悩みを解決するヒント
「羽毛布団が暖かくない」「重い」「臭いがする」「側生地が破れた」など、羽毛布団の買い替えを検討する理由は様々です。しかし、そのお悩みは本当に買い替えでしか解決できないのでしょうか?
ここでは羽毛布団を長年取り扱ってきたプロの視点から、買い替え理由ごとに適切なアドバイスをまとめました。筆者は羽毛布団に携わって35年の経験があり、その感覚では羽毛布団の寿命はおおよそ15年前後、長くても20年程度と考えています。
同等品質の羽毛布団は、原材料費の高騰により以前より高価になっていることをご理解ください。安価なモデルが増えている一方で、品質が低下しているケースも少なくありません。羽毛布団の選び方では、まず品質を重視することを強くおすすめします。
それでは、あなたの羽毛布団の買い替え理由に合わせて、具体的な注意点とアドバイスを見ていきましょう。
目次
暖かい羽毛布団に買い替え
羽毛布団が暖かくない原因は、羽毛の劣化や汚れ、または購入時の品質が低いことなどが考えられます。買い替え前に、まずは敷き布団の保温力や羽毛布団のお手入れ状況を確認しましょう。使用10年未満でクリーニング未経験なら羽毛布団のクリーニングで改善する場合もあります。
買い替え時のアドバイス
- 上質なダウンを選ぶ ─ ダックダウンよりグースダウン、さらにマザーグースとランクを上げることで、より高い保温性が期待できます。
- ダウンパワーを確認する
─ 羽毛の品質を示す「ダウンパワー」は、暖かさの重要な指標です。現在お手持ちの羽毛布団が2013年以前に購入したもので、「かさ高」表示の場合は、以下の目安で比較してみてください。
※かさ高165mmはダウンパワー400dp、180mmは430dpに相当します。 - キルト構造にも注目 ─ 2層・3層キルトやハイマチキルトなど、羽毛が偏りにくく空気の層を保つ構造の布団は、保温力がさらにアップします。
軽い羽毛布団に買い替え
羽毛布団が重く感じる場合、湿気を吸っている可能性もあります。まずは天日干しを試してみてください。それでも重く感じる場合は、羽毛の質・キルト構造・側生地の3点を見直しましょう。
- 羽毛の質を高める ─ ダウンパワーの高い上質なダウンは、少ない充填量でも十分な保温性が得られ、結果として軽量化につながります。
- 側生地の素材選び ─ 軽さを重視するなら、綿100%の細番手超長綿(100番単糸など)が最適です。
大きいサイズに買い替え
「寝返りを打つと布団がずれる」「背が高いので足が出てしまう」といった悩みには、サイズアップが有効です。
- サイズ変更の選択肢 ─ シングルからセミダブル・ダブルへ、または標準の210cm丈よりも長いロングロングサイズ(230cm)も選択肢に入れると良いでしょう。
- リフォームも検討 ─ 使用年数が短く、羽毛の品質が良い場合は、リフォームでサイズ変更できる場合もあります。
側生地トラブルでの買い替え
側生地の破損や劣化は、買い替えを検討する大きな理由です。状態によって、リフォームで済むか買い替えが必要か判断しましょう。
- 汚れ・小さな穴 ─ 軽度の汚れはクリーニングで、小さな穴は補修布で対応できる場合があります。
- 羽毛の吹き出し ─ 大量に吹き出す場合は、側生地の加工が劣化している可能性が高く、買い替えを推奨します。
- クリーニングの可否 ─ 一部の側生地(ゴアラミネート、シルク、テンセルなど)は、一部対応可の店舗もありますが素材の特性上クリーニングができません。
臭いでの買い替え
羽毛布団の臭いは、購入時の羽毛臭か、使用中の汗や湿気によるものかによって対応が変わります。
- 購入直後の臭い ─ 未成熟なダウンが原因の場合、改善は難しいため買い替えを推奨します。
- 使用中の臭い ─ 汗や湿気が原因の場合は、まずは陰干しやクリーニングで改善するか試してみましょう。
買い替えの最終チェックリスト
羽毛布団は長く使うものです。後悔しないために、以下の点をチェックしましょう。
- メーカー名の確認 ─ メーカー名の記載があるかどうかは重要です。必ずメーカー名の確認をしてください。
- 品質の確認 ─ ダウン率やダウンパワーが明確に表示されている信頼できるメーカー・販売店を選びましょう。
- リフォーム・買い替えの判断 ─ お手入れをしても悩みが解決しない場合や、使用年数が長い場合は、買い替えを検討するのが良いでしょう。専門家への相談も有効です。
- 古い布団の処分方法 ─ 買い替え後の古い布団は、粗大ゴミとして処分するか、羽毛を再利用するグリーンダウン回収を利用する方法があります。
「リフォームで対応できるか」「買い替えるべきか」迷った場合は、経験豊富な専門店のアドバイスを受けるのが安心です。買い替えに不安な場合は、羽毛布団選びの無料相談室にて専門家のアドバイスを受けてください。
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