羽毛布団の選び方とは

羽毛布団を初めて買う方から、買い替えで今回は暖かさ重視で選びたいとか軽さ重視で選びたいなど、多くの方が羽毛布団の選び方で悩まれています。

軽さ・暖かさ・温度調節機能といった羽毛布団の魅力は、羽毛生地内部構造の調和が生み出しています。

羽毛と生地と内部構造には羽毛布団の品質性能を測る指標があり、この指標の意味が解れば羽毛布団の基本的な選び方を理解出来たといえます。

しかし、同じ品質指標の羽毛布団でも価格差があり、どれを選べばよいのか解らないと言う問題が発生します。

羽毛布団のプロは、羽毛の鳥の種類による性能差を前提に指標を評価して、さらに日本製羽毛布団の海外縫製と国内縫製の製造工程の違いとか?メーカーの信頼度?もチェックして羽毛布団を選びます。

それでは羽毛布団の基本的な選び方に必要な品質指標知識とプロの選び方を説明します。

目次

  1. 羽毛布団の品質指標での選び方
    1. プロが着目する羽毛布団の品質指標
    2. 羽毛の品質指標
    3. 生地の品質指標
    4. 内部構造の違い
  2. 製造工程での羽毛布団の選び方
    1. 日本製羽毛布団の製造工程
    2. 日本製羽毛布団の実情
    3. 「純」日本製羽毛布団の選び方
  3. 羽毛布団選びとメーカーの信頼度
  4. 寝心地での羽毛布団の選び方
    1. 軽さ重視での羽毛布団選び
    2. 暖かさ重視での羽毛布団選び
    3. 温度調節重視での羽毛布団選び
    4. 寝心地と耐久性の関係
    5. 羽毛布団のサイズ選び
  5. 羽毛ふとんの選び方まとめ

羽毛布団の品質指標での選び方

羽毛布団の基本的な選び方に必要な羽毛と生地と内部構造の指標は、下の写真の様な品質表示票と添付ラベルに基本情報が記載されています。

羽毛布団の品質表示票の行間を読む選び方

プロが着目する羽毛布団の品質指標

はじめに羽毛布団のプロが着目する品質指標をニュートラルな視点から紹介します。グースダウン、ダウン率等の用語の意味は後ほど説明します。

  • 羽毛の鳥種はダックとグース2種類ですが、羽毛の『大きさ』だけでなく『構造』が異なるためグース羽毛の方が保温力と温度調節機能に優れている。おすすめはグース羽毛!ダック羽毛はリーズナブルプライスとも表現できるが、要するにグースより性能が劣るので価格は安い。
  • ダウン率とダウンパワー値は高い方が良質羽毛です。ダウン率は90%以上でダウンパワーは400dp以上がおすすめ!
  • 羽毛充填量は、ダウン品質に応じて『適量』があり多ければ多いほど温かい訳ではなくチェックが必要!
  • ダウン率とダウンパワー値と量が同じダックとグースの羽毛では、保温力と温度調節機能はグース羽毛が優れています。
  • 羽毛布団の保温力は生地と内部構造とも関係するが、ダウン率✕ダウンパワー値✕充填量✕羽毛の鳥種による評価(当店ではグースが1ならダックは0.9以下)でほぼ決まります。保温力を上げるためダックダウンは多く充填するため重くなる傾向がある。
  • 側生地の素材により寝心地と耐久性が異なります。総合的に考慮して選ぶなら80サテン超長綿がおすすめ!
  • 綿素材の場合は、糸番手の60、80、100等の数値が高くなるにつれ軽くて柔らかくフィット性に優れる。
  • 内部構造の違いは、暖かさ・軽さ・耐久性の差に表れます。寝室温度が低いとか寒がりの方は2層3層構造がおすすめ!
  • 品質表示が信頼できるメーカーの羽毛布団がおすすめ!可能な限り『国産生地・国内縫製』がおすすめ!
  • 布団のサイズは、体を被う十分な丈と幅であること!

上記の項目をもとに可能な限りよりグレードの高い羽毛布団をお選びください。

羽毛の品質指標

羽毛布団の魅力と最も関係が深い羽毛の品質指標から説明します。

羽毛とは

ダウンとフェザー

羽毛はダウンとも呼ばれています。ダウンは写真左の様に立体的(ボール状)に羽枝と呼ばれる枝を広げたダウンボールと、写真右の様に平面的な小さな羽根のフェザーを含みます。

羽毛布団の商品説明では、ダウンボールのことを単にダウンとか羽毛と呼びます。

ダウンボールとは

羽毛の保温力と温度調節機能はダウンボールの大きさと内部の密生度に比例

ダウンボールは中心の核から放射線状に羽枝を生やしています。この羽枝には小羽枝と呼ばれる枝が生えています。羽枝の長さと本数、小羽枝の付き方によりダウンボールの大きさと密生度に違いが出ます。

ダウンボールが大きく密生度が高ければダウンボール内により多くの温かい空気(熱)を留めることができ、また温度調節機能は羽枝と小羽枝の開閉で行います。羽毛の保温力と温度調節機能はダウンボールの大きく羽枝の密生度が高いほど良くなります。

ダウンボールを手に例えるなら、両手の指を閉じおにぎりを握るように手の平を合わせると内側に空間が出来ます。しばらくするとその空間の空気が暖まってきます。この温まった空気(熱)こそがダウンボール内に留めた熱です。

そして指をダウンの羽枝に例えるなら、手の平の内側で十分に温まった空気を冷ますために指と指の間に隙間を開けると温まった空気は冷めます。つまり羽毛の温度調節のための羽枝の開閉と同じ事です。

要するに、手が大きく指と指が密に閉じ合わさればより多くの空気(熱)を閉じ込められるように、ダウンボールも大きく羽枝の密生度が高いほどより多くの熱を蓄えられます。

羽毛の指標

羽毛のランクを分けるのは、採取した水鳥の種類、飼育期間、ダウン率、ダウンパワー値、産地国、洗浄度などです。

羽毛を採取した水鳥の種類

羽毛が採取される水鳥はグースとダックの2種類です。グースには飼育期間が長いマザーグースが含まれます。

ダック、グース、マザーグースの順にダウンボールは大きく羽枝も長く本数も多く密生度が高くなるので、羽毛の保温力・温度調節機能・耐久性が良くなります。おすすめはグースとマザーグースの羽毛布団!

羽毛の保温力・温度調節機能・耐久性の評価は、ダック、グース、マザーグースの順に良くなります。グースとマザーグースの羽毛布団がおすすめ!

ダウン率とは

羽毛の内訳はダウンとフェザーであってダウンの割合がダウン率です。

羽毛の内訳はダウンとフェザーであってダウンの割合がダウン率です。

保温・温度調節機能はダウンボールの働きによるものなので、ダウン率の高い羽毛布団が良質です。

また、この比率が高いほど耐久性にも優れています。

ダウンパワーとは

ダウンパワーとは、一定条件下で加重された羽毛1グラムあたりの体積であり、単位はdpで表されます。440dpの羽毛とは1gの体積は440mlであり、ダウンパワーの最大値は470dp位です。下の画像の様なラベルが添付されています。

ダウンパワーは羽毛布団の保温力と耐久性の品質指標ですが、グースとダックでは同じダウンパワー値ならグースの保温力が優れています。

ダウンパワーは羽毛布団の保温力と耐久性の品質指標、グースとダックでは同じダウンパワー値ならグースの保温力が優れている

羽毛品質と日羽協ゴールドラベル

日羽協の添付ラベル

日本羽毛製品協同組合(日羽協)のゴールドラベルはダウンパワー値とダウン率により4種類です。

おすすめは、写真の左2つのプレミアムゴールド(93%・440dp以上)とロイヤルゴールド(90%・400dp以上)です。

羽毛の充填量

羽毛の充填量はダウンパワー値とダウン率と羽毛の鳥種により『適量』が決まります。これらの値が低い場合は保温力を補うために羽毛を増量します。そのためダックはグースより多く入れる傾向があります。

充填量で布団を選ぶ際は、400dp・90%以上のグースダウンならシングルで1.2kg-1.3kg、ダブル1.6kg-1.7kgを目安にお選び下さい。440dp・95%のグースならシングルで1.0~1.1kgで保温力は十分です。

羽毛布団の保温力は、dp値✕ダウン率✕量✕羽毛の鳥種による評価(当店ではグースが1ならダックは0.9以下)。羽毛の鳥種による評価は市場価格に表れています。

ダウンの色

ダウンの色はホワイト、シルバー、茶系などです。色の違いによる保温力・温度調節機能の差はありません。価格はホワイト系が人気なのでやや高くなります。

ダウンの色は羽毛布団選びにおいて重要度は低いです。

羽毛の産地

羽毛布団選びでは、羽毛の原産のチェックは品質保証の点から重要です。

有名な産地国はポーランドとハンガリーです。次いで欧州諸国、ロシア、中国、カナダ他です。羽毛の質と気候の関係は、寒くて乾燥した地域で飼育されたものが良質で耐久性に優れています。

羽毛布団選びでは、羽毛の原産国のチェックは品質保証の点から重要

原産国のチェック

欧州産の羽毛」はプロの視点では「原産国不明の羽毛」となります。

羽毛の洗浄度とは

羽毛の洗浄度は、羽毛を洗浄した水の透明度であり500mmとか1000mmと表示されます。

羽毛の臭い

羽毛の獣臭は、未成熟ダウンに多く残っている油脂が主な原因です。洗浄度も臭いと全く無関係ではありませんが、臭いのもとの油脂は1000mm洗浄しても残っています。臭いのレベルの記載はありません。

生地の品質指標

羽毛布団の生地素材は、シルク、超長綿、合繊、ポリエステル等です。素材毎に肌触り、柔らかさ、重さ、蒸れ感、耐久性が異なり品質と価格に幅があります。

生地選びに必要な素材毎の特徴と指標を説明します。

シルクの特徴

シルクは吸湿性に優れ柔らかく肌触りも良く高級羽毛布団に使われていますが、高級品においても上質の超長綿が今や主流になってきています。

超長綿の特徴

超長綿は、繊維の長い綿花を紡いだ糸で織った布で柔らかく吸湿性に優れています。糸の太さと紡ぎ方と織り方により生地の厚みと柔らかさが異なります。

糸の太さを表すのが糸番手であり、数字が大きくなるほど糸は細くなります。細い糸の布は薄くて柔らかで軽く、「カパカパ」というペーパー音が小さいのが特徴です。

糸の種類は、紡ぎ方により単糸、双糸、精紡交撚糸があります。

糸の太さを表す糸番手は、単糸は50~100番、双糸は200~340番、精紡交撚糸は360tとか480tです。糸の太さは、200双糸は100単糸に精紡交撚糸360tは180単糸に相当します。

平織りツイルサテン

織り方には、サテン織り・ツイル織り・平織りがあります。主流はサテン織りです。

ツイル織り・平織りは細番手の100単糸でも「カパカパ」と少しペーパー音がします。

合繊の特徴

綿とポリエステルとかテンセル等を混合した側地です。柔らかいのが特徴です。

ポリエステルの特徴

ポリエステルは軽量で安いのが魅力ですが、蒸れ感と静電気が気になります。

内部構造の違い

内部構造の大きな違いは1層か2層・3層かの違いです。仕切り方、内部構造はキルト方式とも呼びます。

立体1層構造

立体1層キルト

羽毛布団の内部は基本的に格子状に仕切られています。布団の表と裏生地はマチ布を介して立体的に縫合されます。

立体1層構造は、シンプルな構造であり価格も安く多くの羽毛布団に採用されています。

2・3層構造

2層3層キルト

2層構造は、上下の層でマス目の数を違えて境界部の位置をずらし布団の厚みを平均化して熱を逃げくくしています。

3層構造は2層構造に中層を挿入したものです。中層は羽毛を入れるタイプと入れないタイプの2種類あります。

ハイマチキルト

立体1層キルト マチ幅を広くしハイマチキルト

ハイマチキルトとは、図の様にマス目の境界部で布団の厚みが薄くならないように、マチ布を広くして布団の厚さを平均化して保温力を上げています。

ハイマチの幅は、7cm~10cmと幅が様々あり、ハイマチの場合は下記の密閉キルトと通常セットで採用されます。

密閉キルト

密閉キルト 完全立体キルト

密閉キルトとは、隣のマス目に羽毛が移動しにくい構造なので羽毛が片寄りにくく長く安定してお使い頂けます。

メーカーによっては密閉キルトのことを完全立体キルトと呼んでいます。

このキルトは、縫製行程と羽毛の吹き込み作業が複雑なのでどうしても販売価格は高くなります。

マス目の数とフィット性

一般的なマス目は、シングルでは横4マスと縦5マスの20マスです。このマス目の数を増やすとフィット性が良くなり保温性が少しアップします。

製造工程での羽毛布団の選び方

羽毛布団を選ぶ際に『日本製』を選択条件にしている方は多いはずです。

例えば「西川 羽毛布団 マザーグース・・・ 日本製」の条件で絞り込んでも大きな価格差があります。どこかに品質差があるためです。

製造工程の違いが、同じ品質指標の羽毛布団において価格差を生む原因のひとつです。

羽毛布団の製造工程は、布の染色加工・縫製・羽毛充填からなります。

日本製羽毛布団の製造工程

『日本製羽毛布団』の製造工程は下図の3パターンです。

日本製羽毛布団の3パターンの製造工程
  • 海外製生地を海外縫製して国内で羽毛充填
  • 国産生地を海外縫製して国内で羽毛充填
  • 全工程を国内で仕上げる

日本製羽毛布団の実情

羽毛布団に添付された日本製ラベル

日本製の条件を国産生地、国内縫製、国内での羽毛充填とするなら日本製羽毛布団の割合は少ないのが現状です。

羽毛布団の製造のほとんどが職人による手作業です。信頼できるメーカーは厳格な品質管理を行う日本で高級羽毛布団を生産しています。

『純』日本製羽毛布団の選び方

日本製は商品の強力なセールスポイントです。『純』日本製なら『国産生地国内縫製』と明記するはずです。しかし、全製造工程が国内でも『国産生地国内縫製』と記載していない羽毛布団が多くあります。そのため製造工程の違いが解りづらくなっています。

『純』日本製羽毛布団を選びたいなら、国産生地・国内縫製の8文字か高級生地である精紡交撚糸とか、羽毛を充填後に縫合する西川のダブルフェイスキルトなどの高級羽毛布団の指標が鍵になります。ただし高級品の100単糸超長綿でも海外製は存在します。

羽毛布団選びとメーカーの信頼度

上記の「西川 羽毛布団 マザーグース・・・ 日本製」の条件から「西川」を除くとさらに価格差は大きくなります。品質指標はメーカーの信用が前提です。専門店はメーカー選びにもこだわっています。

メーカーの許容誤差の認識の差

許容誤差を認めない厳しい会社もあれば、日羽協の試買テストで表示内容との大きな差異により退会に至ったメーカーもあります。

メーカーの信頼度は販売店の数に比例します。販売店の数を調べる方法は、通販モールにて「羽毛布団 メーカー名」で検索すれば、多く出てくるメーカーが業界事情に詳しい販売店が選んでいることになります。

寝心地での羽毛布団の選び方

羽毛布団の軽さ・暖かさ・温度調節機能・耐久性は、羽毛と生地と内部構造のハーモニーです。寝心地を重視しての羽毛布団の選び方では、グースダウンをベースにお選びください。

暖かさを優先しがちですが心地良い寝心地を得るには、軽さ・暖かさ・温度調節機能が程良く調和する必要があります。3つの項目の関係を順番に解説します。

軽さ重視での羽毛布団選び

羽毛布団の重さはダウンと側地とマチ布の重さです。軽くするにはダウンと側地とマチ布の軽量化です。

暖かさ重視での羽毛布団選び

羽毛布団の暖かさは、ダウンの質と量、保温力をアップする内部構造と側地の素材と質が関係します。

温度調節機能重視での羽毛布団選び

羽枝

温度調節機能は、羽毛の羽枝を開閉することで熱量を調節する働きのことです。この機能は羽毛の質に比例します。

温度変化を羽毛に素早く伝えるには綿素材の細番手の薄い側地がおすすめです。

内部構造もシンプルな1層構造の布団が温度調節にはおすすめです。

寝心地と耐久性の関係

耐久性重視で羽毛布団を選ぶなら、丈夫な厚い側地、上質グースダウン、丁寧な国内縫製、さらに密閉キルトの様な羽毛の片寄りが少ない構造がおすすめです。

サイズでの羽毛布団選び

羽毛布団の寝心地は指標も重要ですが、一番大切なことは体を余裕で被うであるということです。

羽毛ふとんの選び方まとめ

羽毛布団を選ぶ時は、羽毛・生地・内部構造の指標の意味を理解して、関連する指標を同時にチェックすることで品質表示に記載の無い事実を知ることができます。

そして羽毛布団の品質と価格が適切かを知るために製造工程とメーカーの信頼度のチェックをおすすめします。寝室温度と自分の体質と体格を考慮して選んでください。

お客様とメーカーとの間でプロの目で羽毛布団を選びフィルターとして機能する布団店を選ぶのも方法です。

筆者:野口 英輝

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