同じ品質説明の羽毛布団の価格差
羽毛布団の価格を比べると、同じ品質説明なのに価格差が何倍かあることがございます。この違いは品質に何らかの違いが当然なければなりません。
しかし、消費者の方は布団の中味の羽毛を確認することはできません。基本的に寝具店も同様です。
安い布団を購入する決断はハードルが低くなりますが、その分以上に失敗するリスクは高くなります。まずは価格差の謎を解くために品質の違いをご案内致します。
羽毛布団の価格差の謎は、同じ様に見せる?同じ様に見える商品説明が原因です。
目次
羽毛布団の価格差の例

同じ品質表示とは、例えば、「ポーランド産ダウン、93%、綿100%」のような品質説明のことです。この品質説明が付いている製品は多くあります。
そして価格差が3倍以上の場合もあります。また、このキーワードの一つでもなければ価格差はもっと大きくなります。
問題なのは、高級品と共通するこの3つのキーワードだけを付けた低価格・低品質の羽毛布団です。
高級品にはこの3つのキーワードだけでなく、更に詳しい情報が記載されています。この詳しい情報こそが、羽毛布団の値段と品質の基本的な違いです。
羽毛布団の価格差とランク
羽毛布団の等級の基本的な違いは、「ダウンの品質、側生地の素材と品質、内部の仕切り構造」の違いです。
この3項目の違いが価格差の基本的な要因です。この違いを詳しく見ることにより価格の謎を解明できます。
羽毛の種類と等級による価格の違い
ダウンの違いは採取される鳥の種類(ダックとグース)の違いとか飼育目的により品質が異なります。そして各々のダウンにおいても品質に差があり、羽毛布団の値段と大きく関係しています。
ダウンの品質を表す基準には、ダウン率とダウンパワー値があります。詳しくは下記リンクをご覧ください。

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ポーランド産93%の羽毛布団の価格
「ポーランド産ダウン、93%、綿100%」の製品の等級は、鳥の種類とダウンパワーの違いにより差があります。羽毛布団の価格差はダウンの等級の差により生まれます。
例えば「ポーランド産ダウン」の鳥の種類が、ダックとマザーグースでは大きな価格差が生まれます。
ダウン率が同じでも価格差ができるのは、採取される鳥の種類とダウンパワーの差があるためとも言えます。
仮に安い製品の品質が、ポーランド産ダック、93%、380dpのダウンであるとします。
他方の値段の高い製品の品質は、ポーランド産マザーグース、93%、440dpであるとすると、価格差は3倍以上でも不思議ではありません。

今回の事例では、あえて高級品に用いられるポーランド産ダウンとしました。共通項のある品質説明の製品を高いものと安いものを並記致しました。
ポーランド産マザーグース93%、440dp、綿100%
ポーランド産 ダック93%、380dp、綿100%
高級品の場合は「マザーグース」と「440dp」を表示していますが、安い場合は赤い2重線の文字を表示しないか小さく表示している場合が多いのではないでしょうか。
そして、高級品の説明を読み記憶に残った言葉が「ポーランド産ダウン、93%、綿100%」だとしたら、この条件で安い製品を「発見」したとすれば購入したくなるかもしれません。
しかし、「発見した安い羽毛布団」の品質は、上記の図において下段に表示しているクラスである確率は高いと思います。
「ポーランド産ダウン」などの高級品と共通するキーワードを前面に出して、作為的に鳥の種類、等級を表示せずに、イメージは高級品の様でありながら安い値札を表示されると、お買い得品のように感じてしまいがちです。
羽毛布団の価格差の謎がひとつ解明できたのではないでしょうか。
ダウンの品質差について詳しくは下記のページをご覧下さい。

品質の違いを、品質表示票、添付ラベルの数値や業界用語で理解することはいささか骨が折れます。そこ...
ダウンパワー値に応じて日羽協の4種類のラベルを添付した製品があります。このラベルも羽毛布団の等級の違いを見極めるポイントの一つです。
羽毛布団の価格差と側生地
側生地の素材は色々あり、側生地素材も製品の値段に大きく関係しています。今回は価格差の謎を究明するために主流となっている綿素材を例に致します。
側生地による価格差
羽毛布団の側生地で人気なのが超長綿ですが、生地を織る糸の太さにより柔らかさと重さが違い価格差ができます。糸の太さは単糸では、40番手から100番手の糸が主に使われています。数字が大きくなるほど細い糸になります。

今回の事例でも高級品に用いられるポーランド産ダウンとしました。上記のダウン品質の事例と同様に値段の高いものと安いものを並記します。
ポーランド産マザーグース93%、440dp、80超長綿綿100%
ポーランド産 ダック93%、380dp、50超長綿綿100%
上記の「ポーランド産ダウン、93%、側生地は綿100%」の羽毛布団の価格差が3倍以上ある謎が、「側生地は綿100%」の中にも原因があることをご理解頂けたと思います。側生地素材にも、糸番手、製造国、縫製工程など細部に違いがあり布団の値段に大きく関係しています。
高級品の側生地は、側生地は80番手超長綿100%であり国内にて縫製されています。しかし、安い製品の場合は、側生地は50番手超長綿100%とすべきところ、側生地は50番手超長綿100%と表示しています。マイナスイメージの項目を隠すことで高級品との区別がつきにくく価格の謎が発生していると思います。
綿100%だけでは品質に幅がありすぎます。仮に綿素材の中でも超長綿の側生地だとしても糸番手の指定がありません。更に詳しくは、側生地の品質については下記のページをご覧下さい。

側生地の素材は、超長綿、シルク、合繊等があります。素材ごとに、肌触り、柔らかさ、軽さ、吸湿性、...
羽毛布団の価格差と内部構造
外観から見える格子状のマス目が同じ様でも羽毛布団の内部は様々です。仕切り布の幅とか仕切り方に違いがあります。
立体構造にも技術力の差
羽毛布団は格子状のマス目の数を多くするとフィット性は向上します。しかし作業工程は増えるため値段は高くなります。立体キルト構造だけではマス目の数は解りません。
二層三層構造になればマス目の数も増えるため、作業工程も増え値段は高くなります。羽毛布団の見えない部分には、ダウンの等級差以外に内部構造でも価格差が生まれます。

キルト方式・内部構造には色々なパターンがあります。保温性を重視したタイプ、軽さを重視したタイプ...
羽毛布団の価格差と製造工程
製造コストと海外縫製
羽毛布団の値段を下げるには、製造コストを下げる必要があります。製造コストを抑えるには製造工程を海外にシフトしています。
日本製の羽毛布団の価格の不思議
例えば「ポーランド産マザーグース93%、超長綿80番糸サテン生地、日本製」この説明文だけでは全製造工程が日本製かどうかは判断できません。日本製の側生地と日本国内での縫製と表示されていれば純粋に日本製と考えられます。

海外製の生地を海外で縫製して、国内で吹き込み縫合すれば日本製であり国産品として流通しています。...
羽毛布団価格差の謎まとめ
高級品が高く販売されて、廉価版が廉価で販売されるのは当然です。問題なのは品質がともなわないのに、高級品と見せかけて高額で販売をする場合です。このケースは、メーカー名を確認することである程度判明します。有名なメーカー品ではないと思います。
本当に厄介なのは、低品質であるにもかかわらず高級品と共通する部分だけを強調した説明をして、品質に応じた安い値段で販売をしている場合だと思います。
最近はアウトレットも少なく高品質の布団を安く出来るカラクリはありません。上質の様に見える製品が、極端に安く販売されている場合は「偽装」の言葉も思い出して下さい。
信頼できるメーカー品の詳細な数値をリストアップすることで、羽毛布団の価格差の謎が完全とは言えませんが解明できます。

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お買い得品は無いものかとの思いは理解できます。しかし今一度、購入する立場から売る立場にたって考えてはいかがでしょうか?安く売るには安く仕入れなければなりません。更に製造する視点から見ると、安く納入するには安く作らなければなりません。
売価は生産するコストが反映されています。安い理由に「無理」があるとすれば、お勧めできる品質ランクとは言えません。無理は、偽装とか低賃金による低品質につながりかねません。
購入する前には、まずは価格を優先せずに詳細で正確な情報を得てから比較検討して下さい。下記のページがお役に立てれば幸いです。

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