羽毛布団はいつまで使う?室温と季節?

羽毛布団をいつからいつまで使うのか?衣替えの様にカレンダーに書かれている日はありません。

掛け布団の入れ替えは、季節の変わり目に応じて一言で言えば暑く感じたり寒く感じたときにすればよいわけです。

では実際に寝室の室温が何度ぐらいの時に羽毛布団は交換をするのでしょうか。

室温での羽毛布団の選び方、冬用の羽毛布団は室温は15℃、10℃、5℃で仕様が異なり、合い掛け肌掛けは24度、20度、16度を境に交換の目安をイメージ

羽毛布団と言っても、冬・春秋・夏の3シーズンに対応する異なる仕様の3タイプがあります。

この3タイプの羽毛布団の入れ替えは、室温が24度、20度、16度あたりが目安になります。秋と春では少し温度差あります。この温度は店主の合い掛け布団体感実験夏掛け布団体感記録に基づいています。

室温は、寝具の位置と同じ高さの温度を計測してください。ベッドと床に直にマットレスと敷き布団を敷くのとでは、僅かですが温度差があるのと敷き寝具に伝わる熱量に違いがあります。また室温は朝の起床時の室温(最低温度)を基準にしてください。

季節ごとに羽毛布団と合い掛けふとんと肌ふとんをうまく入れ替えることで、寝床内の環境を快適な状態に保つことができます。冬用の羽毛布団は室温が15℃、10℃、5℃を境におすすめする仕様が異なります。

羽毛布団、合い掛け布団、肌布団の入れ替えは寝室の最低温度と関係しています。

目次

  1. 室温とふとんの入れ替えの関係
  2. 季節ごとの羽毛布団の選び方
  3. 羽毛布団はいつからいつまで
  4. 室温での羽毛布団の選び方
  5. ベッドと床寝での温度差

室温とふとんの入れ替えの関係

寒くなっていく季節と暖かくなっていく季節により、掛けふとんを交換する室温の違いについて説明を致します。

寝室の室温が24度、20度、16度あたりで、肌布団、合い掛けふとん、羽毛布団を入れ替えます。掛けふとんが同じでも、敷きふとん・敷きパッド・パジャマが冬向きか夏向きかにより寝床内の温度は変わります。

例えば、寝室の最低温度が20度でも、敷きふとん、敷きパッド、パジャマが暖かさを重視した冬向きのものであれば、夏用の羽毛肌掛け布団(ダウンケット)でも眠ることができます。逆に合い掛け羽毛布団でも、敷きふとん、敷きパッド、パジャマが通気性に優れた夏向きの場合は寒い場合がございます。

カバーにも夏向きと冬向きの特徴を持った製品がございます。ふとんカバーについては、羽毛布団カバーの選び方のページも参考にして下さい。

室温に応じた保温力の羽毛布団を選ぶ際の指標として、冬用羽毛布団・合い掛け羽毛布団・羽毛肌掛け布団(ダウンケット)において保温力を示す値としてクロー値を用いるメーカーもあります。

しかし寝床内の温度は上記の様に敷き寝具・掛けカバー・パジャマとの関係があり、快適な羽毛布団を選ぶ際は室温だけでなく敷き寝具と補助寝具も合わせて考慮してください。床に敷き布団を敷いて寝る場合は室温だけでなく床の温度も寝具の保温性に関係します。

季節の変わり目に羽毛布団を交換される際には、並行して使用する期間が10日程度あってもよいと思います。冬用の掛けふとんは、いつからいつまでと区切らずに、合い掛けを使用するようになっても足下に置いておくと寒くなった時に便利です。

快適な寝具の選び方は、寝室の室温と湿度など環境に応じて、掛け寝具、敷き寝具、パジャマなどをうまく組み合わせ、暑がり寒がり年齢など個人の特性を考慮して選ばれることをお勧めします。

季節ごとの羽毛布団の選び方

季節に応じた掛け布団は、冬、秋春、夏用に大きく3分類できます。

寝室の温度と湿度に応じて、寒い冬は羽毛布団で暖かく、秋と春の温度変化の激しい端境期には羽毛合い掛けふとんで、梅雨時期から冷房が必要な時は肌掛けふとんで快適にお休み下さい。

羽毛布団の種類
羽毛布団の種類

羽毛布団の種類は、冬用羽毛布団、春秋の合掛け羽毛布団、夏用のダウンケットの3タイプがあります。...

冬用羽毛布団を選ぶポイント

寒い冬には、ふとんの保温力を第一に重視して、第二には温度調節機能、第三に重さを考慮して選んで下さい。冬用の羽毛布団の仕様と室温の関係は下段にてご案内します。

秋春合い掛け羽毛布団を選ぶポイント

秋春の季節には、寒暖差が大きいため温度調節機能に優れた合い掛け羽毛布団をお選び下さい。合い掛けふとんは、通年で3ヶ月から4ヶ月使用期間がありますが認知度が低いように感じられます。

詳しくはこちらの合い掛け羽毛布団のページをご覧ください。

室温の寒暖差が大きい端境期の羽毛布団は、温度調節機能に優れたマザーグース合い掛け羽毛布団がオススメです。

マザーグース合い掛け羽毛布団

マザーグース
羽毛布団マザーグース

マザーグースは保温力と温度調節機能が通常グースより優れています。しかし品質ランクには幅があり購...

夏用ダウンケットを選ぶポイント

夏の季節は、梅雨前後と真夏に分けて寝具も2タイプ用意された方が理想です。

梅雨前後には季節外れの寒さがあり、ダウンケットなどの肌ふとんもある程度の保温力が必要です。室温は24度ぐらいまでです。

真夏にはエアコンの冷え対策用としてダウンケットは、保温力よりも湿度が高いため吸湿性に優れたものをお選び下さい。

夏のエアコンの室温の設定温度は27℃~28℃前後が多いと思いますが、床とベッドでは室温が異なります。また夏は室内外の輻射熱の影響もあるので寝具選びには注意してください。

また、夏用の寝具は室温だけでなく吸湿性とか熱伝導率も寝心地と関係があるため素材選びには注意してください。

詳しくはこちらの夏用羽毛布団の選び方のページをご覧ください。

夏用羽毛肌掛け布団

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寝具選びにおいて吸水性と吸湿性は重要な基準です。吸水性と吸湿性の関係は「≒」のようで「≠」です。ほぼ...

羽毛布団はいつからいつまで

合い掛け羽毛布団では寒く感じられたら冬用の羽毛布団と入れ替えがはじまります。

個人差、地域により違いがあるため何月からとは厳密に断定はできません。季節は秋で11月が始まりのように感じています。

寒く感じるのは外気温ではなく寝室の室温です。敷き布団、パッドとかパジャマの保温力の違いはありますが、寝室の室温が16度~18度を切ると冬用の羽毛布団の出番です。(寝具環境以外にも個人差があります。)

合い掛けふとんを使用していない場合は室温が20度前後から冬用に入れ替える方もいます。羽毛布団の品質により温度に違いがあります。

冬用の羽毛布団が暑く感じられたら合い掛けふとんにバトンを渡します。いつからいつまでというように何月からとは断定はできません。ただ、冬用の羽毛布団を使い始めるタイミングより合い掛けに交換するタイミングのほうが、南北に長い日本列島のせいか幅があるように感じられます。

また、合い掛けふとんの存在をご存じでない方も多いようです。冬用の羽毛布団からダウンケットなどの肌掛けふとんに交換される方もいます。羽毛布団の収納の仕方について別途サイトを設けています。

室温での羽毛布団の選び方

理想的な寝床内温度は33℃±1℃とされていますが、寝床内温度の6割以上は敷き寝具が関係しています。体圧をかけて敷き寝具と密着しているため熱は敷き寝具に6割奪われていることになります。

床に直にマットレスと敷き布団を敷いて寝る場合は、室温だけでなく床の断熱性能も考慮に入れてください。以下の説明は敷き寝具は十分な保温力が有ることを前提にしています。

羽毛布団の保温力は、羽毛の品質✕充填量✕キルト構造で決まります。羽毛の品質が低ければ量を100gから200g程度増やしキルトを1層から2層にすることで保温力は確保できます。

冬用羽毛布団が必要と感じる室温は何度ぐらい?合い掛け羽毛布団を使用している方は16℃ぐらいであり、使われていない方は18℃を切り始めた温度です。

以前店主が、春秋用の合い掛け羽毛布団の保温力を試す実験では室温15℃から21℃が快適使用温度である結果が得られました。

この実験結果と長年の経験知から言えることは、冬用羽毛布団の仕様は室温の最低値が15℃、10℃、5℃あたりで異なります。

株式会社ウェザーニューズによる2014年2月5日の起床時の室温調査によると、長野県の8.8℃が一番寒い部屋とのことでした。

羽毛布団をネット販売している関係で、全国各地のお客様との情報交換においては室温が5℃以下の場合も珍しくなく、北海道の方の情報では0℃以下の日もあるとのことでした。

室温15℃以上の羽毛布団

室温15℃以上なら羽毛布団の仕様は、1層キルトで羽毛はグース400dp相当以上の品質なら充填量は1kg程度で良いことになります。敷き寝具の保温力があれば、このクラスの羽毛が700g以上(シングル)の羽毛合い掛け布団でも良いと思います。

マザーグース合い掛け羽毛布団

室温10℃以上の羽毛布団

次に室温の最低温度として10℃が考えられます。この室温での羽毛布団の仕様はダウン率93%以上ダウンパワー400dp充填量1.2kg以上(シングル)は必要です。

1層グース羽毛布団

ダウン率・ダウンパワーについて詳細は下記ページをご覧ください。

ダウン率
ダウン率とは

この比率は、布団の暖かさと耐久性の目安となるものです。この数値が高ければ「一応」上質と言えます...

ダウンパワー
ダウンパワーとは

羽毛布団の保温力の指標!ダウンパワー440dpのダウン1gの無加重の体積は500mlペットボト...

室温10℃~5℃以上の羽毛布団

更に低い温度として室温が10℃~5℃程度になる場合は、ダウン率93%以上ダウンパワー400dp充填量1.2kg以上(シングル)でキルト構造を2層・3層キルトの仕様の羽毛布団をお選びください。

西川2層グース羽毛布団

室温5℃以下の羽毛布団

問題は室温が5℃以下になる場合は、マザーグースダウンで充填量はダウンパワーに応じて多少違いはありますが1.2kg(シングル)出来れば2層・3層キルトかハイマチキルトをおすすめします。さらに敷き寝具の保温力が十分にあるものをお選びください。

西川2層マザーグース羽毛布団

上記の羽毛布団は製品は、羽毛の温度調節機能が優れているため室温10℃~5℃以上でも快適に使用できます。

理想的な寝床内温度33℃に±1℃の差があるのは、個人の体質の違いであり寒がり冷え性の方は室温をワンランク下げた仕様をおすすめします。逆に暑がりの方はワンランクあげた仕様がおすすめです。

当店のおすすめは、十分な保温力があり室温に応じて温度調節が素早く出来るマザーグース羽毛布団をダウンパワーに応じて適量充填した仕様の羽毛布団です。

詳しくはこちらの羽毛布団の選び方のページをご覧ください。

ベッドと床寝での温度差

ベッドは床面から概ね30cm~40cm程度高い位置なので床面より僅かに温度は高くなります。下の画像は床面温度と床から36cm高い位置の温度差(0.4℃)を表しています。部屋の広さと機密性さらに就寝人数により温度差は異なります。

二つの温度計の表示誤差を確認するため、床面に並べて置き同じ温度を表示することを確かめました。

床面温度とベッドの高さで室温が異なることを表した二つの温度計、温度差は0.4℃

室温を羽毛布団選びの指標にする際は、ベッドなのか床に直敷きなのか寝ている位置による室温の差も考慮に入れてください。

ベッドと床直敷きでの放熱量の違い

ベッドと床に直に布団を敷くのとでは敷き寝具から奪われる熱量に差があります。当然寝床内温度に差ができ掛け布団に求められる保温力にも違いがでます。

熱の伝わり方を表す熱伝導率は素材毎に異なり最も伝わりにくいのが空気です。

ベッドで寝ている場合は、床との間には空気層があるため寝床内の熱はベッドのマットレスを経由して空気に伝わります。しかし床直敷の場合はマットレスを経由して床に熱を直に伝わります。

床の素材が畳とか板・フローリングでは熱伝導率が異なりますが、床の素材は空気とは比べものにならないほど熱伝導率は高いため敷き寝具の熱は素早く奪われます。

そのため床直敷の場合は、敷き寝具の断熱・保温力を高めると共に羽毛掛け布団の保温力もベッドより心持ち高いものを選んでください。

寝具の熱伝導率に付いては下記ページをご覧ください。

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