羽毛布団の湿気を取ると長持ちする?

 2017年にお客様からの問い合わせにおいて、2016年11月8日NHKの番組で「羽毛布団を長持ちさせる方法として、 朝起きたらすぐにふとんを四つ折りにして、上から押さえてふとんの中の湿気を抜く」と紹介されていたが、 このことについて当店の意見を求められたためこのページを作成いたします。羽毛布団の湿気た空気を抜くことのメリットとデメリットを紹介します。

羽毛布団の湿気を取り長持ち

 羽毛布団の中に入った湿気(汗)には、体からでた塩分、油脂分が微量ですが含まれていています。 この成分がダウンボールに付着して汚れとなり、ダウンボールが温度に応じて枝羽を開閉して温度調節をする働きを妨げる結果となっています。 ふとんの湿気を取ることにより中味のダウンの汚れは軽減され、羽毛布団は長持ちすることは間違いありません。 このことは打ち直しリフォーム作業において、ふとんの側生地を切り裂き中味のダウンを見てきた経験からも言えることです。 長年使用した羽毛布団のダウンボールは汚れているものが多くありました。

 この番組は店主も視聴させて頂きました。「朝起きて一手間掛けることで羽毛布団が長持ち・・」の様に記憶していました。 そこに、お客様からの問い合わせメールがあり今回ページを作成することになりました。結論から言えば、メリットとデメリットの両方があります。 羽毛布団から湿気た空気を抜くことのメリットとは、ダウンボールの汚れを軽減することです。デメリットについては番組では具体的に紹介されていなかったため下記に説明を致します。 デメリットとは、毎日この作業をすることは、ふとんの生地にとって負荷が掛かることになります。またダウンへのダメージも考えられます。

一手間で羽毛布団の空気を抜くデメリット

 一般的な羽毛布団の生地は、ダウンの吹き出しを少なくする為に、内側にダウンプルーフ加工がなされています。この加工がされていないノンダンプの生地もございます。 ダウンプルーフ加工とは、生地の織り目を目つぶしする加工のことです。この加工がされていないノンダンプ生地は織り目を小さくするために織り込む糸の本数を多くしています。 ダウンプルーフ加工の有無に関係なくどちらの生地も織り目から空気が通りにくくなっています。 空気を抜く際に体重をかけて押し潰すため、空気は生地の織り目と縫い目から出ようといます。織り目から空気は出にくいため縫い目から出ようとします。 どちらの生地においても負荷は掛かります。羽毛布団から湿気た空気を短時間で抜くと縫製部分の破損とかダウンの吹き出す可能性が増大します。 またダウンへのダメージにもつながります。 特にある程度使用した状態の羽毛布団の場合、縫製部分の破損の可能性が大きいと考えられます。羽毛布団は側生地も含めて長持ちをさせる必要があると考えます。 ダウンの為に湿気を取り除くことで得られるメリットとダウンへのダメージと生地に負荷が掛かる等のデメリットを比較検討すると、 当店の考えではデメリットの方が少しばかり大きいと判断します。

羽毛布団の生地の通気性

 羽毛布団の生地が空気を通しにくいかは、ケースから出してゆっくりとひろげるとご理解頂けます。 ひろげて放置しただけでは、ふくらむまでには相当時間が掛かります。中のダウンボールは小さく縮んで一粒一粒がくっついた状態でいます。 ダウンボールの状態はジャンケンに例えるとグーの状態です。グーの状態で隣接した状態です。 ダウンボールを優しく解すように、マス目を軽く広げたり狭めたりしてに空気を入れると布団はふくらんできます。 最初はグーの状態の隣接したダウンボールがバラバラに離れていきます。 そしてダウンボールの状態がグーからチョキにそしてパーになるように、ダウンボールがひろがり布団全体がふっくらとふくらみます。 ダウンの吹き出しを防ぐために、羽毛布団の生地は通気性が抑えられた状態です。 このように通気性の低い生地から湿気た空気を抜くことを毎朝されることは、ふとんをケースから出してふくらんで行く逆の工程を短時間(一手間)で行うことです。 生地と縫合部分への負荷は避けられません。デメリット部分が少し大きいかと判断も間違いではないかもしれません。

ダウンボールへのダメージ

 羽毛布団の中の湿気た空気を抜くために、四つ折りにたたんで体で押さえつけることは、枝羽をひろげたダウンボールを押しつぶっていることです。 部分的には枝羽を引き裂く可能性も大きいと考えます。ダウンボールへのダメージは避けられません。この作業を毎朝されることはお勧めできません。

 ダウンの種類によっては、毎朝ふとんを押して空気を抜く作業をお勧めできないタイプもあります。 ダウンには、アイダーダウンのようにスティッキーダウンと呼ばれている、ダウンボール同士が絡み合う性質のものもあります。 羽毛布団を押すことは絡む度合いにもよりますが、中でダウンがダンゴ状に塊になり体積が小さくなり、マス目に仕切られた境の部分ではダウンが薄くなることも考えられます。

羽毛布団を長持ちさせるには

 羽毛布団を長持ちさせるには、ダウンに汚れを付着させないためにも湿気を取ることは間違いありません。 しかし、湿気を取るために布団を押さえつけて空気を抜く方法ではデメリットも大きくなります。 長持ちさせる具体的方法についてご案内いたします。

羽毛布団を長持ちさせる方法

1.ふとんを汚さないようにカバーを掛ける。
2.カバー交換をまめに行う。
3.朝起きたら羽毛布団を裏返しにして風をあてるなど乾燥させる。
4.1週間から10日に一度程度、日陰もしくは室内で風にあてて乾燥させる。
5.汗ばむ季節には、合い掛けふとんに交換する。
6.吸湿性の良いパジャマ等を着用する
7.エリ元の内側にバスタオルを入れ。お勧めはエリウォーマー
8.収納保管する際は、湿気の少ない場所で保管して、保管場所は一ヶ月に1度程度風を通して下さい。
9.生地に強い負荷を掛けない程度に、ゆっくりと時間を掛けて空気を抜くのも方法の一つですが、毎日となると面倒な作業と思います。

 どのようにしても長年使用しているうちにダウンは汚れてきます。5年をすぎたら水洗いができるクリーニング店にて洗濯をお勧めいたします。 早めにダウンの汚れを取ることで保温力と温度調節機能も回復します。

 羽毛布団を収納する際は、十分に乾燥をさせて熱気を冷ましてから折たたんで、通気性のあるケースに入れて乾燥した所で保管して下さい。 取扱説明書に従って防虫剤を入れる場合は、生地に防虫剤が直接触れないようにして入れて下さい。

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