絡む羽毛のスティッキーダウン

一般的なダウンは、風をあてるとバラバラに飛び散りますが、ダウンボール同士が絡みつくスティッキーダウンは塊になっていてバラバラになりません。絡み具合は様々ですが、代表的なものはアイダーダックダウンです。

スティッキーダウンはダックダウンだけでなくグースダウンにも存在します。

ダウンボール同士が絡むスティッキーダウン

スティッキーダウンとは

スティッキーダウンとは、採取されたダウンからダウンボールが大きくて枝羽が長く密度のあるダウンボールを選りすぐり作りだされています。

大きいダウンボールは枝羽が長いため互いに絡み合い、ダウンボール間の隙間がなくなり空気を多く含んだフンワリと大きな羽毛の塊を作ります。

そのために保温力・弾力性に優れています。ただ絡み合うためにかさ高性はでにくいのも事実です。

スティッキーダウンの羽毛布団

ダウンボール同士が絡みつくスティッキーダウンは、かさ高が出にくいためボリューム感はあまりでません。その代表的なものがアイダーダウンを充填した羽毛布団です。

市場で見かけるスティッキーダウンはダックダウンが多いように感じます。絡む特性が共通している事で、アイダーダックの羽毛布団と同格のような商品説明がございますが当店では別物とご案内をしています。

スティッキーダウンは、大きなダウンボールを選んでいること、更にダウンボール同士が絡みあい隙間なく塊になるため保温力に優れています。ただ絡み合う特性は、羽毛布団を長年使用するとマス目とマス目の境目部分において、空いてくる状態が発生しないか心配です。

当店でも以前に絡むスティッキーダウンの羽毛布団を取り扱いましたが、この隙間の問題から2層、3層構造のタイプの製品にした記憶がございます。

スティッキーダウンのダウンパワー

ダウンボール同士が絡みつくスティッキーダウンは、かさ高が出にくくダウンパワー値もあまりでません。

通常のバラバラになるダウンと比較すると、同じダウンパワー値でかつ充填量が同量の場合にはスティッキーダウンの方が暖かいです。ただ、絡み合う性質のためなのかダウンパワー値の表示がない場合があります。

絡む特性アイダーダウン

市場に多く見かけるスティッキーダウンとアイダーダウンは、ダウンボールが絡み合う特性が共通していることで、同じクラスのように錯覚をしてしまいがちです。

アイダーダウンもスティッキー(絡む特性)であり同じダックの文字を含みますが全く別物だと考えて下さい。本物のアイダーダウンの羽毛布団の価格は、アイダーリッシュなどの名称で販売されている布団の20倍から30倍以上します。

筆者:野口 英輝

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