夏の寝具にQmaxとの表示が目立ちはじめています。繊維製品の接触冷感性評価方法(JIS L 1927)によりヒンヤリクール感の指標値として定められたためと思われます。

それでは、接触冷感の指標としてのqmaxを寝具を例にして具体的に説明します。

ひんやり感の指標qmax

ひんやり感とは、皮膚表面が例えば敷きパッドに触れた瞬間に冷たく感じる感覚です。この感覚を数値化したものがqmax値です。qmaxは、JIS以外にも測定方法を定めたものもあります。

Qmaxの測定方法(JIS)

1.測定をする台の上に試料繊維をのせて、測定台と試料素材の温度を室温と同じにする。

2.測定装置のセンサー部(熱源板)を室温より10℃高く設定して試料に接触する。

3.このときの熱の移動量の極大値(W/㎠)をqmaxとして表す。

JISに定めたQmaxの測定方法では、測定センサー部と試料の温度差が10℃(ΔT=10℃)になっていますが、JIS以外は15℃、20℃などがあるので注意が必要です。

測定センサー部と試料の温度差が20℃(ΔT=20℃)を実際の寝室で想定すると、測定センサー部分は人の皮膚表面で有り30℃と仮に設定すると寝具の敷きパッドの温度は20℃低い10℃となります。敷きパッドの温度が10℃は現実的ではありません。

q-max値は文字通りmax極大値であり触れた瞬間の値を意味します。持続するものでは無いと言うことです。

測定装置のセンサー部は人の皮膚のように弾力が無く硬い面状なので、試料素材に凹凸とか網目状の場合は測定したq-max値と人の皮膚感覚に差があります。

接触冷感素材とは

接触冷感素材と表示できるのはq-max値が0.2W/㎠からできます。q-max値が高くなるほど『ひんやり感』は増します。Q-max値0.5W/㎠以上の接触冷感素材を使用した敷きパッドもあります。

Qmaxの指標の見方

Qmaxの測定方法には種類があるので、JISの測定方法に基づいた数値か否かを確認する必要があります。異なる規格に基づいたQ-maxの数値を比較しても意味がありません。

q-max値は瞬間的な最大値であるため、敷きパッドのように長時間接した場合には『ヒンヤリ感』は持続せず、熱がたまり暑く感じる場合もあり得ます。

寝具におけるq-max値は、寝具の組成素材の熱伝導率・吸湿性・吸水撥水性とか構造等と合わせて寝具のひんやり感を判断する1つの指標と言えます。

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