テフロン加工のダウン

テフロン加工と言えば、ダウン羽毛のことよりフライパンを思い出します。焦げ付かない撥水性に優れているなどの言葉が思い出されます。テフロン加工とはフッ素樹脂をコーティングすることです。

ダウンボールにコーティングするには、洗浄後のダウンに樹脂粉末を混ぜ込み130℃-140℃程度の温度で乾燥させるタイミングでコーティングしているのです。

テフロン加工の特徴

ダウンにテフロン加工を施すメリットとは、代表的な特徴は撥水性が高まることです。結果として汚れが付きにくかったり、乾きやすいので洗濯が簡単にできることなどがあげられます。また、羽枝をひろげた状態でコーティングされるためボリュームがアップします。ダウンのテフロン加工は良いことばかりのように思えます。

テフロン加工のデメリット

熱を出すためには湿気は高くなります。この湿気は布団の中に入ります。入った湿気はテフロン加工(撥水加工)のダウンにはじかれどこに行くのでしようか?湿気は布団内部に残り気化することになります。

本来ダウンボールは温度に対応して羽枝を開閉して温度調節を行います。熱を逃がすためには羽枝を広げてダウンボールは大きくなります。結果として布団の厚みは少し増します。寒い時は逆です。

テフロン加工の羽毛は羽枝が開いた状態なので恒な放熱モードの状態です。見た目のボリューム感は暖かそうですが羽毛は放熱状態のままなのです。

この加工の効果は1シーズンも使えば半減しているはずです。髪をセットするヘアースプレーの効果の様なもので長く持続はしません。1年後には干しても元の膨らみは期待できない可能性は大です。

ボリュームがなくなってしまった羽毛布団はリフォームすることはコスパ的におすすめできません。

ダウンの温度調節機能とテフロン加工

テフロン加工は、ダウンボールの羽枝を広げた状態でフッ素樹脂を高温でコーティングしています。熱が冷めるとダウンボールの羽枝を広げた状態で形態が安定化します。当然この状態のまま羽毛布団に吹き込まれるためボリュームがある布団となります。

この加工がされた羽毛はうしが開いた状態なので温度調節機能は望めません。恒に放熱状態のままなので寒い羽毛布団と言えます。

テフロン加工の羽毛まとめ

テフロン加工をしたダウンは、撥水性とか洗えるとかボリュームがあるとかの特徴を前面に出したセールスとトークを見かけます。しかし、羽毛布団の第一の目的は心地良い睡眠であり適当な保温力と温度調節機能を必要と考えます。そのためには、ダウンボールの羽枝の開閉機能は欠かせない機能です。暑いときにはダウンボールは羽枝を広げて放熱しています。羽枝を広げた状態のまま寒い時期に使用すると、熱を蓄えることができず寒いと考えます。

よくふくらでいる羽毛布団が暖かいと考えるのは間違いではありません。ただし、ふくらませる方法は色々あります。量を増やすとか、マチ幅を広くとるとかもその方法の1つです。テフロン加工のダウンを入れる事でも布団はふくらみます。そのためかどうかは解りませんが、ダウンパワーの弱いダックダウン等にテフロン加工をしたものを見かけます。

筆者:野口 英輝

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(「テフロン」および「Teflon」は、米国ケマーズ社の登録商標です。)