眠れないときに寝るには

寝具店からのご提案としては、寝室の環境として温度、明るさ、音などの改善と、寝具の改善が考えられます。眠りにつくためには、寝室の環境を整えることと寝具においては正しい寝姿勢が得られる敷き寝具と枕、さらに適温になる掛け敷き布団のご提案です。

寝室の環境と寝具に問題がなければ、深呼吸を3回ほどゆっくりとしてみてください。すると体のどこかにでリキンでいた状態から解放されます。もしかすると眠りにつけるかも知れません。

良い眠りを得るには

●生体リズム(体内時計)の乱れが、眠れない原因の場合があります。生体リズムの調節法の1つに、光を利用したものがあります。朝早く起きて朝日を浴びることで、夜に眠くなるリズムを得られることもあります。また、朝食事をとることも効果的です。光と睡眠の関係は、睡眠と光のページでも触れています。

●栄養バランスの良い食事を規則正しくとること必要です。特に朝食は必ずとることです。栄養素としてはカルシウム、ビタミンB群等の不足に注意して、お酒は、ストレス緩和する程度におさえ飲み過ぎないことが大切です。

●寝室の環境は、快適な温度湿度が理想です。寝床内の温度は33度、湿度は55%ぐらいが快適です。明るさは月の明かり程度で間接照明が理想です。

●体温が下がっていくタイミングで寝つき易くなります。お風呂に入り体温を上げて、体温が下がり始めるころに床につくと眠りやすいようです。冷え性の方は温熱敷き布団などで寝床内を暖めておき、就寝時に設定温度を下げて、おやすみされる方法もあります。

●寝具店としてのアドバイスは、やはり適した寝具(ふとん、パジャマ)を使われることをお勧めします。寒い季節には羽毛布団がおすすめです。

睡眠障害と寝具

寝具が原因で眠れない場合の原因の一つが温度だと思います。適温の状態でなければ入眠できません。寝床内の温度は個人差はありますが33度前後が適温とされています。この適温にするためにはどのようにすれば良いのかが問題です。

冬季の寝床の温度管理

冬季の寝具は保温が第一番に求められることです。ただ暖かければ暖かいほど良いというものではありません。適温である必要性があります。

冬季の寝具は保温のウエイトの6割程度は敷き寝具の働きによるものです。冬季に寝床内を適温に保つためには、敷き寝具に着目する必要があります。残りの4割程度が掛け寝具とパジャマ・寝間着により保温されています。掛け寝具が冬季の保温でのウエイトは3割強と言えます。現状の寝具に掛けるお金の割合を寝具店の視点で見ると、掛け寝具と敷き寝具の保温の働きと真逆なお金が使われているように思います。

端境期の寝床の温度管理

端境期は春と秋の2回あります。この季節は寝具店にとって一番気を使うときでもあります。1日の温度差が大きいことと日ごとの温度変化が激しいため、日提案する寝具も正直なところ迷います。敷き寝具は春は冬用のものを使いパッドを吸湿性の高いものを入れ替えます。また掛け布団を合い掛けふとんに交換致します。その際にお勧めなのが羽毛合い掛けふとんです。夏用のダウンケット肌布団ではなく冬用の羽毛布団の少し薄いタイプの掛け布団です。

羽毛合い掛けふとん温度調節機能は、端境期の温度変化に対応して寝床内を適温に調節してくれます。羽毛はこの季節にお使い頂きたい寝具です。パジャマも気温に応じて生地素材を適宜選んで下さい。

夏の寝床の温度管理

いつ頃のことかはっきりしませんが、1990年代の後半あたりから夏は熱帯夜の日が増え始めたように思います。最近では北海道とか山間部の一部地域以外はエアコン無しでは眠れません。その為寝具においてもエアコンとの組合わせが必要になっています。吸湿性と適度な保温性が必要になっています。また吸湿性と熱伝導率の高い素材がお勧め寝具と言えます。具体的には麻の繊維を使ったパジャマとか掛け敷き布団がお勧め寝具です。

参考文献
 眠りたいけど眠れない 堀 忠雄 編 昭和堂
 快適睡眠のすすめ 堀 忠雄 著 岩波新書

筆者:野口 英輝

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