羽毛布団とダニアレルギー

商品のキャッチフレーズに「羽毛布団のダニを退治」と言う言葉を見かけます。本当に羽毛布団にダニが多くいるのでしょうか?

寝具専門店の立場から見ると、ダニは掛け寝具より敷き寝具に多くいると考えられます。ダニの死骸も自然に考えると敷き寝具に多いと言えます。

羽毛布団とダニ

羽毛とダニの言葉の組合わせは、ハトなどの鳥の羽毛に寄生するダニがいることから、羽毛布団の羽毛にもダニが生息するイメージが作られたと考えます。

羽毛布団のダウン羽毛

羽毛布団に充填されているダウン羽毛は、グースとかダックから採取された後に洗浄乾燥選別されています。この乾燥の段階でまず生存できるダニはいません。乾燥の温度は130度以上で行われています。また、オゾン処理等により殺菌しているメーカーもございます。

羽毛布団の側生地

羽毛布団を使用中に、室内にいたダニが布団の側生地を通過して、内部に忍び込む可能性について考えて見ます。

羽毛布団の側生地は高密度で織られていて、更に織り目は生地の裏側から目潰しをするダウンプルーフ加工がされています。基本的に生地を通過してダニの侵入はあり得ません。縫い目から侵入する可能性もほぼ考えられません。

どうしても気になる方は、ダニのアレルゲンの通過を防ぐゴアラミネートの羽毛布団もあります。

羽毛布団のダニの居場所

羽毛布団にダニがいるとすれば、布団の表面にいる可能性がございます。カバーで被われて守られた環境です。更に格子状に縫われた凹部分には綿埃がたまりやすいので、この部分にいる可能性は否定できません。

羽毛布団のダニ退治

羽毛布団のダニを退治をするのは簡単です。カバーをはずして屋外でサオに干して、縫い目にたまった綿埃をタオル等で取り除けば完了です。室内なら専用ノズルを付けた掃除機で綿埃を取り除くこともできます。後はカバーを洗濯すれば完了です。

布団カバーの洗濯後は乾燥機での乾燥は注意してください。生地素材により生地が縮んだりファスナー等がダメになる恐れがあります。

取り外したカバーは洗濯をして下さい。洗濯をするとダニも当然死にます。また、アレルゲンとなっているダニの死骸も大部分取り除くことができます。アレルギー対策として防ダニ対応の羽毛布団カバーも市販されています。

ただし、カバーの購入に際しては、素材がポリエステル系か綿なのか注意して下さい。化学繊維のカバーは吸湿性が悪く蒸れ感が強くなります。綿の素材の場合は高密度織物の生地が多いと思います。

ふとん乾燥機による羽毛布団のダニを退治には温度に注意してください。従来のワタ布団の場合と違い羽毛は温度に敏感です。乾燥機の熱風は、ダニ退治に有効かもしれませんがダウン羽毛にも大敵です。詳しくは、こちらの羽毛布団とふとん乾燥機のページをご覧ください。

羽毛布団のダニ対策

羽毛布団のダニ対策としては、まめにカバー交換をして頂くのが1番です。更に万全を期すには高密度で織られた生地のカバーを掛けることです。高密度織物の生地のカバーは、使い始めには少しガバガバと音のするものもございます。

注意して頂きたい事は、ダニは室内のどこにでもいます。せっかく掃除機をかけたとしても、ダニがたくさんいる敷きふとんの上とか絨毯の上で、カバーを掛けるとダニが侵入します。

ダニ対策は羽毛布団より敷きふとんを先にされて、かつまた室内の掃除を合わせてして下さい。

ダニが生息しやすい環境を作らないことも大切です。乾燥させることとダニの餌となるものを取り除くように掃除をされることをお勧めします。アレルギー、喘息などがある方は、防ダニ機能の付いたカバー、シーツをお勧めいたします。カバーは袋状になっているタイプがダニが侵入しないためお勧めです。

ダニは通常どこの家庭にもいるものなので、アレルギー、喘息などの疾患がない場合は、特別に気にされなくてもよいと思います。

筆者:野口 英輝

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