激安羽毛布団とは

激安羽毛布団は実質的には20000円前後でネット通販では日常的に販売されています。結論から申しますと製造原価を知る寝具店からすればコスパ的とは決して言えません。

まずはどれくらいの激安羽毛布団があるか市場調査をすることにしました。

調査方法は品質の信頼性を確保する点から西川ブランドを条件に加えて、ショッピングモールにて「西川・シングル・羽毛布団・ダックダウン・安い順」に絞り込み検索してみました。検索結果のスクリーンショットが下の画像(商品等の画像は伏せています)です。

ショッピングモールにて西川シングル羽毛布団安い順の検索結果のスクリーンショット

西川ブランドではダウンパワー表示がされていない羽毛布団もありますが、西川ブランドではダックダウンの場合は340dp以上あります。検索結果では価格はおおよそ20000円前後であり、羽毛の充填量は1.0kから1.2kgの製品がありました。(2023年12月現在)

羽毛布団の原価

羽毛布団の原価を考えると材料と加工と輸送が考えられます。

  • 材料:生地、ダウン、マチ布、糸、梱包バック
  • 加工:ミシン、ダウン吹き込み装置、検針器、人件費
  • 輸送:送料

羽毛ふとんを1枚作るのに何時間かかるでしょうか?生地を裁断し縫製、ダウンの吹き込み、縫合、検針、たたんでバッグに入れる作業は何時間かかるでしょうか?送料は?

激安羽毛布団とユニクロのダウンジャケットの比較

今回は激安ダックダウン羽毛布団のコスパ(cost performance)を検証するために、安いダウンと言えば筆者も愛用のユニクロのライトダウンジャケットが思い浮かび対比検証することにしました。

ライトダウンジャケットの仕様

ウルトラライトダウンジャケットのダウン品質についてご案内します。画像はユニクロ公式サイトのスクリーンショットです。

ユニクロのライトダウンジャケットのダウン品質の説明

ダウンは90パーセント、フィルパワー640以上(ダウンパワー350dp以上)充填量は123gです。生地はナイロンで面積は単純計算で2.4平方メートル、縫製の長さは筆者愛用のものをメジャーで計測した結果では2742cm見落としている箇所もあるかもしれません。

羽毛布団とダウンジャケットのcost比較

羽毛布団の羽毛量は1200kgなのでダウンジャケットの約10倍です。

シングルの羽毛布団の生地は6.3平方メートル必要なので2.6倍です。

シングルの4×5マスの羽毛布団の縫製の長さは最小でも5100cmであり1.86倍です。

2023年12月現在のウルトラライトダウンジャケットの値段は期間限定ですが5990円(税込み・送料無料)です。

両方共に送料無料ですが、送料は無料ではなくコストに含まれています。羽毛布団とダウンジャケットの送料の差は大きい!

検索して見つかった羽毛布団の値段は約20000円はダウンジャケット5990円の約3.33倍です。

羽毛布団の原材料費に占めるダウンの割合は最も大きいものです。ダウンの充填量がダウンジャケットの約10倍でありダウン原価を考慮すると羽毛布団の価格は少なくとも5倍以上が妥当と思います。

激安羽毛布団のコスパは価格(cost)だけに焦点を当てるなら優れていると言えます。しかし、なぜ安いのかとの疑問が残ります。

激安羽毛布団の効果performanceの検証

コスパは費用対効果cost performanceのことであり羽毛布団の効果performanceにも焦点を当てる必要があります。

残念ながらダックダウン90%350dp、充填量1.2kgの羽毛布団の保温力・温度調節機能と言った効果は寝具専門店としておすすめ出来るレベルではありません。

西川ブランドの羽毛布団において定番カタログに記載されていた製品では、93%430dpのマザーグースダウンはシングルサイズで1.2kg充填されています。

有名メーカーにおいて、93%440dp以上の上質なダウンをシングルサイズに1.2kg充填している理由は保温力の確保が必要だからです。

90%350dpと93%440dpの1200gの羽毛体積の差は210000ml(210リットル)風呂桶1杯分以上あります。90%350dpのダウンを1.2kg充填した激安羽毛布団は210リットル分の保温力が不足していることになります。この量の羽毛の保温量が有る無しでは大きな違いがあります。

シングルの羽毛布団の保温力について、マザーグース93%440dpのダウン1.2kg充填の仕様とダックダウン90%350dpのダウン1.2kgの仕様の整合性がとれません。

ダックダウン90%350dpであれば、シングルサイズの場合の充填量は少なくとも1.5kgは必要と考えます。

90%350dpのダウン1.2kg充填の激安羽毛布団は真冬には保温力不足でありperformanceは悪いと言わざるを得ません。

まとめ

激安羽毛布団はなぜ安いのか?製造コスト削減のためダウン量を少なくしていないか?見かけをよくするためボリュームアップの方法としてはダウンのパワーアップ加工(すぐへたる)をしていないか?再生ダウンではないのか?偽装が気にかかります。

30余年羽毛布団に携わってきた筆者の私見ですが、残念ながら激安羽毛布団のコスパは悪い!!

品質面では90%400dpグースダウンでシングルなら1.2kg以上の充填量の羽毛布団がおすすめです。(信頼できるメーカー製が条件です。)

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